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陽菜×置き手紙のお返事

107話の「永遠×インフルエンザ」の伏線の回収話です

「ひぃなぁ〜」


 職員通用口を出ると私を呼ぶ声が聞こえた。あの呼び方、兄の永遠がこう呼ぶ時は決まって良い事がない。


「おいおい、陽菜。聞こえないふりして素通りするなよ。にぃちゃん悲しいぞ」


「あっ、お兄ちゃんどうしたの?」


「陽菜とご飯行こうと思って。待ってたんだよ。ラブレター置いてあったし」


──ラブレター? 何のこと!?


「陽菜、忘れたとは言わないよな?」


──いや、忘れた。


「…………」


「薄情だなぁ。快気祝いしようって陽菜が言ったのに。いつまでたってもお誘いないから、わざわざにぃちゃんがやって来たんだぞ」


──快気祝い? あっ、インフルエンザの事かぁ! あったわ! 休みの日に呼び出されたやつ! 置き手紙したわ!  


「思い出してくれてにぃちゃん嬉しいよ。さぁ、ご飯行こうなぁ」


──えぇ〜、永遠にぃは、思い立ったら即行動なんだよねぇ。相手の都合を考えなさいよね! 私だって暇じゃないんだから。そんな時、私の背後から声がした。


「陽菜先輩、藤堂先生に報告しますよ。陽菜先輩が浮気してますよぉって。あっ、もしかして陽菜先輩! 重婚はもっとダメですよ!」


「悟、これのどこをどう見たら浮気なの?」


「ふへっ? だってイケメンな人と楽しそうにイチャイチャしてたら旦那さんですかってなりますよね?」


 悟の頭の中どうなってるのやら。そんな事を思っていると突然笑い声が聞こえた。


「あはは、君面白いね。陽菜の後輩なの?」


「はい! 陽菜先輩の一番弟子の笹井悟です」


「妹がいつもお世話になってます。陽菜の兄で矢崎永遠です」


──なんかお互い自己紹介してるし。このふたりを放置して帰っても良いかなぁ。


「お兄様、優しいですね。妹を迎えにきて出てくるまで待っているなんて! なかなかできる事じゃないですよ! 僕、尊敬します」


「ありがとう。素直じゃない妹だけど、これからもよろしくな」


「お任せください! しっかり見張っておきます。陽菜先輩がおいたしたら藤堂先生にしっかり言いつけておきますから」


──はぁ? 何言ってるの悟は。


「ん? 藤堂先生……誰?」


「お兄様、ご存知ないんですか? 陽菜先輩の大好きな人ですよ」


──悟! どんな紹介の仕方してるの! もう少し考えなさいよ! 明日覚えておきなさいよ。


「陽菜? にぃちゃんにお話してない事ありそうだね」


「陽菜先輩、それではお疲れ様でした。また明日ぁぁ〜」


 嵐のように場を乱して涼しげに帰っていく悟を見送り、この場をどうするのか考える。


「さぁ、快気祝い兼事情聴取に行こうか」


──悟がくる前に、諦めて出かけておけば良かったと後悔してももう遅い。まぁ、別に隠すことでもないから話すけどさぁ。


 面倒くさい事になりませんようにと祈り、兄の横を並んで歩いた。


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