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陽菜×産科実践研修①

今回の「陽菜×産科実践研修」は周産期医療センターで起こる事例が描かれています。読んで辛くなる方は、今回のお話はここで折り返して、次の物語からお楽しみください。

            〜菜須よつ葉〜

「陽菜ちゃんのステップアップのために、産科実践研修のお話があるんだけど、どうかな」


 依元師長から呼び出されたと思ったら、研修のお話だった。


「NICUナースの知識を持って、周産期医療センターの産科病棟で実践研修を行い、看護のスキルアップを目指して欲しいと思っているの」


「期間とかは決まっているんですか?」


「昨日、19週の多胎妊娠で、破水で緊急入院した松下さんの担当になって欲しいの」


「それは出産までということですか?」


「そう。産科で胎児の経過を見守り、看護を学んで分娩まで産科で寄り添う。分娩後は新生児と共にNICUに戻って引き続き担当をする。こんな感じで研修するの」


「わかりました」


「陽菜ちゃんが受けてくれるなら、これから松下さんの担当の長峰ドクターと、安西看護師、それから産科の看護師長の水澤師長に、陽菜ちゃんと私の5人でカンファレンスをしたいと思っているの。急がせて申し訳ないんだけど、今の気持ちはどんな感じかしら」


「とても良いお話だと思います。しかし長期に渡ってNICUを離れることに不安を感じます」


 期間が決まっている短期研修なら即答するのであろうが、患者次第というのが気掛かりな部分であった。同じ研修を、主任以上の看護師の大体が受けていると言う。真智先輩は半年、弥生先輩は4ヶ月産科にいて、NICUで引き続き看護をしたと教えてもらった。


「スキルアップを目的として陽菜ちゃん自身の看護師としての幅を広げるためにも頑張ってみない?」


「わかりました。研修受けます」


 午後から早速、5人でのカンファレンスが行われる事になった。


「産科の実践研修に参加させていただくNICUナース矢崎陽菜です。よろしくお願いします」


「陽菜ちゃん、もう堅苦しい挨拶は良いよ。NICUの敏腕ナースな事は産科のスタッフみんな知ってるから。今日からよろしくね」


 あたたかく迎え入れてもらえてホッとした。そして、これから私が受け持つ患者のカンファレンスが始まった。


松下まつした奈緒子なおこさん、28歳。妊娠19週の二卵性双生児で、片方からの破水。現在は感染症予防の抗生剤を点滴して、今後については胎児の状況を見て判断。これからの事についてのご家族の説明は、この後予定されているので、安西さんと矢崎さん頼みましたよ」


「はい」


 こうして周産期医療センターの産科での実践研修が幕を開けた。


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