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陽菜×真智先輩の逢瀬!?

「陽菜先輩、薬剤部になんちゃら〜って頼まれてませんでした?」


「さっき師長に書類持っていって欲しいって言われた」


 師長の名前を出した途端、両手で鼻を隠した悟。よほど痛かったんだね。かわいそうに。よしよし、良い子良い子。と、心の中で声をかけるに留めておく。


「陽菜、今から行っておいでよ。薬剤部」


 弥生先輩にそう言われ、これから行くことにした。


「ありがとうございます。今から書類持っていってきます」


「いってらっしゃい」


──師長会行くついでに持っていけば良いのに。なんでめんどくさがるかなぁ……。


 ちょっとの文句を内心思いつつ、このお使いが息抜きになっていることには感謝している。薬剤部に着くと受付にいる薬剤師の人に声をかけた。


「周産期医療センターNICUです。師長に頼まれて書類を届けにきました」


「ご苦労様です。確認させていただきますね」


 そう言って封筒の中の書類を確認する。どうやら不備はなかったようで。


「ご苦労様でした。お預かり致しますね」


「よろしくお願いします」


 あっという間にお使いが終わり、病棟に戻るのだが、ここからならEロードのB階段を使って戻るのが早いと思い、頭の中で道順を組み立てる。職員通路から颯爽と戻ろう。私ってイケてる看護師じゃん! かっこいい。と内心自画自賛で『STAFF ONLY』と書かれた扉を開けた。


 しばらく通路を進み、Cロードに入るとすぐ周産期医療センターに続く廊下がある。まさにその時、物陰から誰かの話し声が聞こえてきた。このまま進むと邪魔をしてしまうかも。でもせっかくここまで来たのだから戻りたくはない。自分の中で葛藤していると。


「真智、今日の帰り行くか?」

「定時だと思うけど、遅れたらごめんね」

「大丈夫、待ってるから」

「ありがと晴翔はると


──えぇ〜! ヤバいヤバい。密会現場に遭遇してしまったではないか! しかも真智先輩。ねね、晴翔って誰? 気になる。う〜ん、この際、女は度胸だよ。謎のやる気を充填する。たまたま通りかかりましたを装い通過しよう。よしっ! それでは早速実行に移る。


 足跡を立てずに数歩戻り、平然と通路を歩く。そして例の場所を偶然通りかかった振りをする。


「あっ!」


 そんな声に出迎えられる。


「あれ、真智先輩と松山先生だぁ。お疲れ様です。ふふっ。ごゆっくり」


 言いたいことだけ言って歩みを進める。


「陽菜、すぐ戻るわよ」


「いやいや。せっかくですし、誰にも言いませんから楽しんでくださいね」


──私の時、散々からかわれたから、お返しのつもりだけど、先輩なのであからさまには言えない。真智先輩も乙女さんなのねぇ。ふふっ。良いもの見ちゃった。


「陽菜ちゃん、ナースステーションにプリン差し入れしておいたから食べて良いよ」


「わーいプリン。松山先生ごちそうさまです。名前書いてお取り置きしてこよう」


──口止め料か!? まっ、良いや。プリンに罪はない。早く戻ろう。悟と依元師長に食べられちゃうもんね。


 無事にミッションも達成出来たし、私は足取り軽く病棟に戻った。


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