陽菜×山下先生②
心療内科の定例の受診に来ただけなのに、何故か目の前で山下先生が、院内用のスマホで連絡を入れている。
「大雅、今さぁ陽菜ちゃんの診察してるんだけど、今からここに来れない?」
「うんうん、わかった。それまで陽菜ちゃんとお喋りしておくわ。じゃあなぁ」
なんか軽いなぁ〜、こんなものかな?と思いながら雑談していると診察室をノックする音がしたあと、扉が開いて藤堂先生が入ってきた。椅子を引っ張り私の横に置くと私の横に腰を下ろす。
「智樹、急にどうしたんだよ。陽菜になんかあったのか?」
「えっ? 私何かあるの!?」
「大雅、陽菜ちゃんを不安にさせるなよ」
「俺かよ」
なんだぁ?この時間。私、病棟戻って良いかな?
「真面目な話するな!」
ってか、始めから真面目に話しようよ。そう思っていると山下先生が私に話しかけた。
「学生の頃から陽菜ちゃんを診てきたよね。看護師として従事して数年経つ。その間に発作が起きたのは学生時代がメインだったね。社会人になってからは、発作は起きてなかった。クリスマスに一度、発作が起こったようだったけど大雅が対処した。その発作の起きた理由も聞いている。そろそろ、定期的に診察の予約を入れなくても良いんじゃないかなぁと思っている。不安があればこのまま予約を入れることも良いし、大雅が寄り添っているのなら大抵のことは大丈夫だと思う。そこで大雅と陽菜ちゃんの意見を聞きたいと思ったるんだけど。どうかな」
えっ? 心療内科の定期受診終わっていいの? 大ちゃんはどう思ってるんだろう。大ちゃんをチラッと見ると
「これからも陽菜を支えていくのは変わらないし一緒にいることも変わらない。陽菜の1番近くにいて寄り添っていくからそこは心配しないで」
「うん。そこは心配してない。信頼してる」
「うん。ありがとう」
「独り身の俺の前でイチャつくなよ」
「智樹が自分で俺を呼び出したんだろう。我慢しろよ。今、相談中だから」
「はいはい」
「山下先生、受診したい時に自分で予約を入れます。藤堂先生が寄り添ってくれるので今までみたいに不安になる事がなくなっているから大丈夫かなと思うから」
「そっか。うん。陽菜ちゃんの気持ちが大切だからね。大雅にいじめられたらすぐに連絡して良いよ。友人としてすぐに助けに行くからね」
「ふふっ、ありがとうございます。でも、そんなことないと思いますけどね。頼りにしてます山下先生」
そっか、私もう大丈夫なんだ!
「それじゃあ、今回で一応終了としておくから、後は自分で予約して診察って形に移行するね。これからも大雅の親友としては陽菜ちゃんともこれからもずっと続いていくだろうから陽菜ちゃん僕ともすっごく仲良くしようね」
「おい、すっごくってなんだよ。普通で良いんだよ」
「いやいや、すっごくだよ。陽菜ちゃん」
「……はい」
「今度、一緒にご飯に行こうか」
「大ちゃんと一緒なら」
「手強いな。天然陽菜ちゃん」
「勝手に連れ出すなよ。そろそろお前も手当たり次第遊んでないで真剣に考えてみろよ」
大ちゃんのひとことに
「陽菜ちゃん、そんな汚いものを見るような目で見ないで。僕、良い子だから」
「あっ、なんちゃらさんと心療内科の山下先生の噂がありましたよね!?」
「陽菜ちゃん、そういうのは思い出さなくて良いんだよ」
山下先生の焦った声が聞こえたが、スルーしておこう。きっと、これからもこの先生とは長いお付き合いになるんだろうなぁと感じられた。




