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藤堂先生×瑠璃先輩

「陽菜、内線繋がってる」


「へっ? 私!?」


 瑠璃先輩が、ニヤニヤしながら私に受話器を渡す。


「お電話代わりました。矢崎です」


「おっ、陽菜。悪いんだけどさぁ、新患受付にちょっと来ることできない?」


「えっ? なんで!?」


 兄の永遠からだった。


「仕事で来院したんだけど、新患受付におじちゃん来てるぞ」


「あ〜、聞いてる。紹介状もらったから陽菜の病院に検査受けに行くわって言ってたもん」


「おいおい、にぃちゃん聞いてない。びっくりするやん」


「それじゃあ、お兄ちゃんよろしくね。じゃあねぇ〜」


「おい、陽菜ぁぁぁ〜」


 うるさいから切っちゃえ。そして横から感じる視線に気づかないふりしよう。


「オムツ交換行こうかなぁ」


「待って待って。オムツ替えたからすぐは大丈夫。瑠璃先輩とお話しましょうねぇ……陽菜ちゃん」


「今、勤務中なので」


「私だってそうだよ。それより今のはだぁれ?」


「兄です」


 瑠璃先輩。何か怖いですよ、雰囲気が。


「なんだぁ〜そうだったのか。藤堂先生がいるのに浮気してるのかと思っちゃったじゃん」


「浮気なんてしませんよ」


「そうよねぇ。陽菜ちゃん藤堂先生大好きだもんね」


 そんな会話をしていると。


「喜多川さん。あまり陽菜をいじめないで下さいね」


「あっ、藤堂先生嫌だなぁ、仲良しですよ。お喋りしてただけですからご心配なく。あっ、それと電話も浮気相手じゃなくてお兄さんでしたから」


──瑠璃先輩、なんの報告してるの?


「ご報告ありがとう」  


「いいえ。どういたしまして」


──このふたりの会話は謎だらけだ。


「陽菜、お兄さんからなんだったの? 行かなくても良いの?」


 心配性の藤堂先生が出現。


「叔父が検査を受けてくるようにって、紹介状を持って新患受付に居たところを、またまた仕事で来てた兄が見つけて、大袈裟に連絡してきただけですよ」


「それは心配だね。何かあったら教えて。力になるよ」


──検査受けにきただけだから、そこまで心配事はないはず……。


「いつも頼りにしてます」


「ありがとう」


「うぉっほん! ここはナースステーションですよぉ〜。私達もいますよ。ガン見してますけど良いんですか!?」


 いやいや先輩、ガン見してますって宣言しなくても……と思ったら、もっと上手がいた!


「あら、見てました? 陽菜の可愛いおねだり」


「藤堂先生、もう私達にまで牽制しなくて良いですよ。誰も取ったりしませんから。ちゃんと可愛がってますからね」


「可愛がるのも、俺がするのでお構いなく」


 藤堂先生と瑠璃先輩はいったい何の会話をしているのだろう。そしておじちゃんは、今頃は診察待ちしていることだろう。 

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