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悟×自慢のかわいい弟

74話「悟×姉×誰?」の後日談です。

「悟、お姉さん来てるよ」


 陽菜先輩から声をかけられた。  


「へっ? どっちのねぇちゃん?」


──六花ねぇちゃん? 七彩ねぇちゃん? 陽菜先輩、そこまで伝えてくれないと伝言したことにならないですよ。


「どっちって? 悟の姉の笹井ですって聞いただけなんだもん」 


「陽菜先輩、だもんって可愛く言ってもダメなものはダメですよ」


「……ってか、早く行っておいでよ。ふたりを待たせたらダメだよ」


「ふたり? 姉ちゃん2人とも来てたんだ。なんだそれなら陽菜先輩、ねぇちゃんふたり来てるよって教えて下さいよ。もう、意地悪さんなんだから。仕方ないなぁ」


 ねぇちゃんの所に向かおうと思ったその時だった。


「お姉さんはひとりだよ。男の人と一緒だったもん」


「ふへっ!?」 


──陽菜先輩は何を言っているんだ? 男の人? さてはドッキリを仕掛けたのか?


「今、落ち着いているし、なんなら先に休憩入っても良いよ」


──えっ? 陽菜先輩、僕に姉ちゃんと一緒に来た知らない男の人とゆっくりしろと言いたいのか? 意地悪さんだなぁ。人見知りの僕に向かってそんなこと言うなんて。


「悟、早く行きなよ。お姉さん待ってるよ」


 陽菜先輩に追い出されるように、NICUの入り口に向かわされた。そして扉の向こうにいた七彩ねぇちゃんが、僕を見つけて手を振っている。


「七彩ねぇちゃん、どうしたの?」


「悟、前にさぁ、救急外来で診てもらったことあったじゃん」


「うんうん。びっくりしたんだからね。これからは気をつけてよ!」


「ごめんごめん。その時、一緒に救急外来で診てもらった同期の藤倉ふじくら尚人なおと君が、今日退院したんだけどね。あの時お世話になった悟にお礼が言いたいって言うから、連れて来ちゃった」


「こんにちは。色々とお手数をおかけしてしまって……。でもとっても助かりました。本当にありがとうございました」


 そう言って藤倉さんは僕に頭を下げた。 

 

「どういたしまして」


 そう答えた僕に七彩ねぇちゃんが。


「悟、こういう時はもう少し謙遜しなさいよ」


「ねぇちゃん、せっかくお礼をしに来てくれたのに、素っ気ない態度したらダメでしょう。きちんと受け入れないと」  


「悟、意味違わない?」


 すると、藤倉さんが。


「あはは。仲がいいんだね。とっても羨ましいよ。俺も姉がいるけど、こんなに大切にしてもらってないなぁって感じたよ」  


──ん? 大切にしたくなるような弟ってことか!? そうか、うんうん。良い弟なんだな。自信を持とう!


「悟だからね。ウチらがお世話しないと何もできないからねぇ悟は」


「可愛いんだね」


──ん? 僕って可愛いの? へぇ、そっかぁ。陽菜先輩に教えてあげよう。


「悟、これみなさんで食べてもらって」


 七彩ねぇちゃんは、洋菓子店の焼き菓子が入った手提げを渡してくれた。


「七彩ねぇちゃん」


「なぁに?」


「僕も食べても良い?」


「余ったらね」


「えぇ〜。僕もみなさんの中に入れてよぉ〜」


 こんな姉弟のやり取りを、藤倉さんをはじめ、ナースステーションからも弥生先輩と陽菜がガン見していた。


「何か悟クネクネしてるね」


「弥生先輩。それ、いつもです」



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