陽菜×松山先生
「陽菜ちゃん、竹下さんのオペ担当だったよね?」
鴻上先生に声をかけられた。
「そうです」
「岩崎先生も入れるから、お願いね」
「はい! でも、私で良いんですか? 先輩に代わりましょうか」
「何言ってるの。陽菜ちゃんはもうこの病棟の頼れるナースでしょ。先読みも出来て、僕は一緒にコンビ組む時は安心していられるよ」
「ありがとうございます。鴻上先生にそう言ってもらえて嬉しいです」
時間になり、鴻上先生、岩崎先生と産科病棟へ行き、オペ室に入ると準備をする。
「おっ、今日は陽菜ちゃん担当かぁ。それじゃあ安心だね。よろしくね」
「松山先生、ありがとうございます。真智先輩と代わった方が良かったですよね?」
「陽菜ちゃん、なかなか言うねぇ。お気遣いありがとう。陽菜ちゃんも安心して任せられるナースさんだからね。いつのまにか主任さんに昇格してるしね。報告なかったよ」
「ごめんなさい。以後気をつけます」
そんな会話をした後、竹下さんの帝王切開が始まった。新生児科医とNICUナースの私は、生まれるまでは待機なので、準備だけして待つ。
「もう出るよ」
松山先生の声かけと同時に受け取る準備を整えていた。
「相変わらず陽菜ちゃんは、早いね。良いよぉ〜。はい、頼むよ」
松山先生から新生児を受け取り、診察台に連れて行くと、鴻上先生と岩崎先生に托し、すぐフォローに入る。
諸々の処置が終わり心配されていた疾患も落ち着いていた。自発呼吸もあり心配される問題はなさそうだ。
「体重測って」
鴻上先生に言われ、体重測定をする。
「2508gです」
「このまま産科預かりで良さそうだね。お母さんと一緒の方が良いからね。急変あれば連絡って形でいいと思います」
鴻上先生の判断で、NICUで預からなくても良いという事になり、産科のナースに引き継いで私はNICU病棟へ戻った。
「陽菜ちゃん、おかえり」
真智先輩が声をかけてくれた。
「ただいま戻りました。真智先輩、代わってあげたのに……。会いたかったでしょ」
「そうだね。陽菜ちゃん」
──ん? 親切で言ったのに真智先輩のお目々怖いです。もう、松山先生! なんとかしてください。その時、
「真智せんぱ〜い、先輩の大好きな天川先生が呼んでますよ」
──悟? 今さぁなんて言った? 真智先輩の大好きな天川先生? 真智先輩の大好きな人は松山先生でしょ!?
真智先輩と悟を交互に見てしまう。
「悟、ありがとう」
「はーい。密会楽しんできてください! ごゆっくりどうぞ」
──おいおい、悟。密会って!
真智先輩を見送る悟のご機嫌は最高潮の様だ。この疑問が解決される日は来るのだろうか?




