15話 仇敵のこと
仇敵のこと
「胎・・・児?」
まるで他人が話しているように、口から自然と言葉が出た。
「・・・」
傍らの式部さんはいつもの飄々とした態度が見る影もないほど顔を青ざめさせている。
竿を握る手が、震えている。
もうそろそろ夏だというのに、ボートの上はあたかも真冬のように冷え込んでいた。
「イチロー、恐らくキミは・・・我々の誰よりもゾンビとの近接戦闘の機会が多かったんだろう?」
根元近くまで灰になった煙草をふかし、アニーさんが言う。
その声は、凍り付くほど冷たい。
「・・・老人のゾンビと若者のゾンビ、どちらが脅威だった?」
「そりゃ、もちろん若い方・・・って、まさか」
・・・恐ろしいことに気付いてしまった。
今まで成仏させてきたゾンビは、若ければ若いほど強い。
もちろん黒や白黒なんていう例外は除外するとして、だ。
小学生ゾンビなんか、動きも反応もよかった。
まあ、力とかは劣るんだろうが・・・
「そう、その・・・まさか、だよ・・・イチロー。奴らはその可能性に気付いてしまった」
フィルターだけになった煙草から、火が消えた。
新しいものを差し出すと、アニーさんはすぐさま咥えて火を点けた。
精神安定のために式部さんにも差し出すと、彼女は青い顔のまま受け取りこちらもすぐさま火を点ける。
「いったい・・・どうしてそんなになっちまったんですか、その、部隊は」
俺も新しい煙草に火を点ける。
・・・今まで喫った中で、一番不味いな。
「いつから、だろうな・・・いつの間にか、といった感じか。少しずつ・・・少しずつ、狂っていったんだろう、隊長は」
暗い声だ。
隊長・・・ね。
やはりトップが真っ先におかしくなっちまったのか。
まあ、当たり前か。
下がしっちゃかめっちゃかしてても、上がどっしりしてりゃあ安心だが・・・その逆じゃあな。
「初めは『治療法を探るため』だと言っていたんだ・・・我々はリュウグウやウタヤでゾンビを捕獲し、研究のために解剖し調査していた」
「そうだったんですか」
「ああ、本国とは遠く離れているが・・・いずれ通信網が復活するか、艦船や飛行機が手に入れば情報はすぐさま伝わる。この騒動は恐らく世界中で多発しているからな、治療法が見つかれば国も、人も救える」
それはそうか。
GPSはまだ生きてるし、その気になりゃデカい船ででも帰れるだろう。
燃料の問題とかもあるけど、満タンで出港していない船なんざ山ほどあるだろうさ。
「――――だが、そうはならなかったんだ」
アニーさんは続ける。
「調査を続けるうちに・・・ミス式部、キミたちも気付いているんだろう?アレは、ゾンビは・・・病気でも何でもないということに、な」
「・・・ええ、そうです」
ゾンビの、正体。
脳に巣食う、謎虫。
「アレは不可逆であります。便宜上『感染』という言葉を使いますが・・・一旦脳が乗っ取られると、二度と人間には、戻れないであります」
腫瘍とかそんなチャチなもんじゃない。
アレは、文字通りの『乗っ取りだ』
「その通り・・・人間を人間たらしめている脳そのものが『挿げ替えられる』んだ。人の形をしていても・・・ゾンビは人間じゃない」
それは、正しく化け物だろう。
「―――妊婦のゾンビを調査した時のことだ」
アニーさんが、ぎり、と煙草を噛んだ。
「母親は救えなくとも、せめて胎内の胎児は・・・と、考えて腹部を切開した・・・・どうなったと、思う?」
まるで泣く寸前のように、アニーさんの声が詰まった。
「メスを入れ、腹膜を切った瞬間―――装甲に包まれた胎児が飛び出して、きたんだ」
両手で体をきつく抱きしめ、それでもアニーさんは続ける。
「―――執刀に当たっていた私以外の、6人の仲間が、喰われた」
「凄まじい運動性だったよ・・・だが、それ以上に、それ以上に恐ろしかったのが・・・」
アニーさんがガタガタと震え始める。
今までの彼女からは、考えられない光景だ。
「―――胎児が無力化されたころには、その体格は成人男性に近く、なっていたんだ。人を・・・人を、喰っただけで」
ごくり、と喉が鳴った。
俺の、喉か。
いつの間にか、口がカラカラに乾いている。
「・・・時間、は?」
恐る恐る、といった式部さんに、アニーさんが答えた。
「―――アレが産声をあげてから、1時間も経っていない。見る見るうちに体が成長して・・・ああ、神よ・・・」
そう言い切ると、アニーさんは十字を切って沈黙した。
俺も式部さんも、何も言えない。
おいおい、マジかよ。
なんつう・・・なんつう情報だ。
物理法則もあったもんじゃねえ。
・・・いや、ゾンビなんてもんがいる時点で無駄か。
「―――そこからですか、そちらの隊長さんがおかしくなったのは」
式部さんが、絞り出すように聞いた。
その顔色はもう青を通り越して白くなっている。
「・・・ああ、そうだな。今考えると・・・そうだ」
下を向いていた顔が、こちらを向く。
「あの、胎児が無力化された時・・・隊長は・・・隊長は、笑っていたんだ。笑いながら、『素晴らしい』と、呟いていたんだ」
・・・元からヤバかったのか、ストレスで狂ったのか。
以前回収した文書の時点では、そこまでネジが外れてなかったから・・・その、後か。
「その後、隊長が何人かの仲間を直接指示し、リュウグウから人を集めてきた」
「人を・・・?」
「ああ。『現地協力者』と言っていたが・・・違う、連中は・・・恐らくアウトローだ。体にまとった空気が、一般人のそれではなかった」
ヤクザでもスカウトしたってのかな?
『瀧聞会』がまだ生き残ってるくらいの時間軸だったのか?
「同時に、そいつらをまとめている男がいた・・・イチローなら、知っていると思う」
・・・なんですと?
あ、まさか。
「『カジヤシキ』と名乗る男だ。イチローが戦った相手だろう?」
・・・ここで、ここで繋がるのか。
鍛治屋敷と、イかれた駐留軍が。
「イチローが話してくれた中に、その名前があって驚いたよ・・・カジヤシキは暴力でアウトローを支配していた」
・・・だろうなあ。
あれだけの腕前だ。
そこらのちょいと気合の入った連中じゃ、相手にもならんだろう。
「彼の妻と娘も、常人とは明らかに違う連中だった。娘は父と同じようなメンタリティだったが・・・問題は妻の方だ」
俺も見たことのない嫁さんの方か。
爆弾製造してたっていう。
「見かけは旦那とは不釣り合いな朗らかな女性だったが・・・中身は違う、ある意味旦那の方よりも恐ろしい」
・・・うぇえ。
そうだろうとは思ってたけどな。
あの鍛治屋敷の嫁さんだ。
まともな人間なわけがない。
「武器を作り、爆弾を作り・・・挙句の果てにはゾンビまで研究し始めた。私は衛生兵だから関わる機会は少なかったが・・・彼女はいつも血まみれの作業服を着て笑っていたよ。まるで、手慰みに編み物でもしているような軽い態度でね」
・・・やっぱりあの一家、可及的速やかに地獄に叩き落とした方がいいな。
生きていると碌なことにならん。
いや、マジで。
「あの一家が加わってから、部隊内にきな臭い連中がさら集まってくるようになった・・・」
「カジヤシキの伝手だろう。どこから呼んだかは知らないが・・・いずれかの分野のエキスパートのようだったが・・・彼らもまたアウトローだろう」
無法者ばっかりってことか。
待てよ、無法者・・・?
まさか。
「―――龍宮刑務所の、受刑者」
ぎち、と鳴ったのは俺の握りしめた拳か。
まさか、まさ、か。
いや、もしかしたら。
「・・・その、連中の中に、背が高い痩せた男がいませんでしたか」
ほぼ無意識に、声が出た。
「年のころはたぶん、60手前くらい。左目が義眼で、縦に走ったひどい傷があります」
話すほどに、体温が下がる気がする。
だが反対に、腹の底から凄まじい熱量を感じる。
「・・・知り合い、か?」
アニーさんの声に、間髪入れずに返す。
「―――俺が、この世で一番ぶち殺したい相手、ですよ」
握りしめた手から、血が滴っている。
普段通りに、過ごしていても。
一日たりとも、忘れたことがない。
一日たりとも、殺意が消えたことがない。
そんな、相手だ。
「・・・いた」
アニーさんの返事に、さらに体が凍えた。
「カジヤシキの妻とよく話していた。異様な風体だからよく覚えている・・・古い、知り合いのようだった」
「い、一朗太さん・・・手が」
式部さんが俺の手を優しく握って、タオルを巻いてくれた。
いつもなら礼の一つもする所だが、とてもそんな余裕はない。
「たしか名前は・・・『リョウゴク』だったはずだ」
息が、止まった。
腹の底にたまった熱が、体の冷たさを一瞬にして吹き飛ばす。
「・・・生きて、出てきやがった、か・・・のうのうと、今でも生きていやがる、のか・・・!!!」
脳裏に浮かぶのは、テレビの風景。
そこに映っていた、裁判のスケッチ。
うすら笑いを浮かべた、アイツの顔。
そして傍聴席で見た、アイツの痩せた後ろ姿。
領国清彦
将来を嘱望されていた、科学者。
そして。
そして―――
『田中野くん!』
『あーっ!動いちゃダメ~!』
『あと10枚はスケッチさせてね!おねがーい!!』
――――ゆかちゃんを、殺した犯人。
「・・・たさん!一朗太さんっ!!」
目の前に、式部さんの顔がある。
必死の形相だ。
その後ろには、マスクを外したアニーさんの心配そうな顔。
少し、我を忘れていたらしい。
「あの、大丈夫で、ありますか・・・?」
薄く目に涙を浮かべた式部さんが、おずおずと話しかけてくる。
・・・いかんな、いかんいかん。
心配かけちゃった、なあ。
不覚だ。
『怒りや恨みはお主を強くする・・・強くするが、吞まれてはならん。使いこなせ』
なんて、師匠にいつか言われたっけなあ。
『怒りで刀を握り、恨みを刃に乗せよ。お主にとってのそれは、何物にも代えがたい力になる』
いかんなあ。
忘れかけていたな。
俺のこの思いは・・・あの糞野郎に向けるもの。
式部さんたちを怯えさせるものじゃあ、ない。
「・・・やあ、どうも。少しテンションがね、上がっちゃって」
肩に乗せられた式部さんの手を取る。
「・・・仇、なんですよ。そいつは俺のね」
「龍宮刑務所の、重犯罪犯・・・で、ありますか?」
俺の態度からすぐさま察したんだろう。
話が早い。
「ええ、連続児童殺人犯ですよ・・・被害者が多すぎて、執行まではまだまだ時間がある・・・ね」
よほどいい弁護士を雇ったというのもあったんだろう。
奴は、俺が高校の時に捕まって・・・長い長い裁判があった。
上告を繰り返し、裁判はいまだ継続中だった。
「法による死が待ってるだろうから、なんとか・・・なんとか堪えてきましたが、ね」
おっと、また式部さんが泣きそうになっている。
だが、口は止まらない。
口に出してしまわなければ、胸が爆発してしまいそうだ。
俺の、殺意で。
「―――出てきたんなら、俺が直々に・・・直々にぶち殺してやる」
ゆかちゃんの無念を、晴らすためにも。
それに・・・奴が殺した、他の、20人を超える子供たちのためにも。
―――今は腰にない『魂喰』が、りぃんと音を立てたような気がした。
「・・・まさか、『七県連続児童殺人事件』・・・で、ありますか?」
式部さんが確認してきた。
へえ、生まれる前の事件なのに詳しいんだな。
流石はエリート自衛官。
「ミス式部、それは・・・?」
外国人のアニーさんはさすがに知らなかったようだ。
式部さんはちらりと俺を心配そうに見て、話を続ける。
「・・・この県を入れて、全国七つの都道府県で起こった連続児童殺人事件であります。容疑者は先ほどおっしゃっていた男で、被害者は・・・たしか、総勢28人・・・単独犯による、戦後最大の大量殺人事件であります」
「なんと・・・あの、男が。そんな、神をも恐れぬ所業を・・・」
アニーさんは衝撃を受けたように黙り込んだ。
「・・・その、23人目の被害者がね、俺の大親友、だったんですよ」
胸に痛みが走る。
今までよりも、強く。
「っ・・・」「そう、か・・・」
さすがにこれは予測できなかったのか、2人は揃って絶句した。
「親友・・・ゆかちゃんって子だったんですけどね。領国はその後も他府県で犯罪を続けて・・・やっと捕まった」
裁判の傍聴にも参加した。
目に焼き付けておきたかったからだ。
あの野郎の、面を。
「たしか、まだ裁判は継続中・・・で、ありましたね?」
「ええ、最高裁まで見届ける気でした。もし、無期懲役にでもなったら・・・判決の瞬間にぶち殺すつもりでね」
裁判所への入場は各種チェックも厳重だった。
万が一にも武器は持ちこめないだろう。
―――だが、南雲流は素手でも問題なく人間を殺せる。
警備員が止めに入るまでの時間は、俺にとってなんの問題にもならないだろう。
その後のことなど、知ったことか。
そう、思っていた。
「一朗太さん」
気が付くと、俺は式部さんに正面から優しく抱きしめられていた。
ふわりと、いい匂いがする。
今までの殺意が、少し雲散した。
「じ、自分はそういったお顔も大変好ましいと思いますが・・・朝霞さんや荒川さんの前では戻しておいた方がいいでありますね!」
視界は塞がれていて顔が見えないが、とても慌てているように思える。
そんなにヤバい顔をしていたのか、俺は。
「でも、その・・・自分のような職業の人間が言うことではないでしょうが・・・今の状況はよかった、ですね?」
「・・・?」
「だって・・・一朗太さんがその手で、そいつを葬り去れるんでありますから!」
目尻に涙が浮かんでいるが、その顔は笑顔だった。
・・・確かに、自衛官の口から出る言葉としては不適切だな。
「・・・自分にもお手伝いさせてください。いつかその瞬間が来た時には、この式部茜・・・全身全霊で助太刀いたす所存であります!」
「むももむむむ(そんな、悪いですよ)」
ちくしょう!服に塞がれて声が不明瞭だ!
っていうか位置的にヤバくない?
俺訴えられたりしない!?
「ひょわあわあああっ!?」
妙な声と共に式部さんが振動した。
くすぐったかったのかな?
少し笑えてしまった。
つくづく、俺達はシリアス時間が長続きしないらしい。
ま、それもいいか。
「・・・ありがとうございます、式部さん」
体を離すと、顔を真っ赤にした式部さんと苦笑いのアニーさんが見えた。
すいませんね、真剣な雰囲気が討ち死にして。
「・・・じゃあ、とりあえず俺は頑張って怪我を治すんで、その後で例のキチガイ部隊を皆殺しにしちまいましょうか」
そう言うと、何故か式部さんは全力で目を逸らした。
なんで?
「・・・ああ、キミは本当に・・・ふふ」
アニーさんは一瞬あっけにとられた顔をして、手を差し出してきた。
再握手か。
「・・・いい男、だな」
「・・・よく言われ・・・たこと、ありませんね」
最近はバグった朝霞にたまに言われるが。
「お、お望みなら二等陸曹も巻き込んで毎日言い続けることもやぶさかではありませんがっ!?」
「恥ずかしくて死ぬからご勘弁願いたい」
何故そこで神崎さんを巻き込むのか。
そして先程のように式部さんも交えての変則握手となった。
本当になんだこれ。
「・・・とりあえず、今日の所はこれくらいで帰りますか」
その後は難しい話もなく、ひたすら3人で釣りをして過ごした。
まだまだ聞きたいことも知りたいこともあったが、それは追い追い聞けばいいだろう。
なんていうか、そんな空気じゃなくなってしまったし。
好きな映画の話なんかで盛り上がりつつ、釣果は上々。
クーラーからはみ出すほどの大漁となった。
「では、自分はこれから通信を通じて各所と連携を取るであります」
そこらへんは式部さんにお任せしよう。
いかに仇敵がいるとて、俺達3人ではさすがに数が少なすぎる。
相手は狂ったとはいえ凄まじい練度を持った特殊部隊。
こちらにも相応の人数が必要だ。
『みらいの家』にかちこんだ時を思い出すな・・・
それに、相手は軍隊だけじゃない。
鍛冶屋敷一家もいるんだ。
生死不明の親父や後方担当っぽい母親はともかく、娘の戦闘力は油断ならない。
腕と背中の傷のリベンジもしなければならん。
「私も一緒に話させてくれ。ミス式部の上官とも詳しい話をせねばならんからな・・・イチローは・・・本当に大丈夫か?辛くないか?」
おや、なにやら俺の心配だろうか。
俺のメンタルを舐めてもらっちゃ困るなあ。
10年以上待ってたんだ。
それがいくら延びた所で、今更どうとも思わない。
最後にぶち殺せればいいだけだ。
「何を仰る。近年まれに見る絶好調ですよ?」
「はは・・・さすがはサムライだ」
サムライは多分関係ないと思うの。
便利すぎる言葉だなあ。
ま、とにかくぼちぼち頑張りますか。
焦ってもしくじるだけ。
その時がくれば・・・
確実に、仕留める。
「ストップ!一朗太さんその顔ストップであります!!」
おや、また人相が悪くなっていたらしいな。
反省反省。
「そういえば、アニーさん」
釣りの片づけを終え、さあ帰ろうかと思った時。
ふと気になった。
「なんだイチロー」
「いや、アニーさんが部隊から逃げたのって、ヤバい研究が始まったからなんですか?」
さっきの口振りからそうなんだろう。
ただ、ゆっくりとヤバくなったとも言ってたから・・・よく判断できたな。
退き際ってのは意外と難しいからな、そういう場合は。
「ああ・・・それもある」
「それ・・・も?」
再び催促されるように伸ばされる手。
はいはい、煙草ですねっと。
「・・・ふぅ。逃げるタイミングをうかがっていたんだがな、何分監視がきつくてな」
おっと、そういう事情か。
たしかに脱走ってのは大変だからなあ。
「それに、もしかしたらまともに戻るかもしれない・・・という、希望も持っていた」
ああ、なるほど。
どれくらいの期間かは知らないが、ずっと苦楽を共にしてきた仲間だもんなあ。
「まあ、有体に言うと、だ」
アニーさんはゆっくりと煙を吐き出した。
「レイプされそうになったから、4人ほど股間を再起不能に破壊してその勢いで脱走した・・・どうしたイチロー?青い顔をして」
・・・体温が氷点下まで下がった気分。
股間がヒュッてなったわ。
「そ、そうですか・・・」
「それで未練も愛想も尽きた。逃げる時にいくつか重要な機械や書類を吹き飛ばしたから、奴らもさぞ困っただろう・・・ざまあみろ、だ」
フィルターを噛み、獰猛な顔でアニーさんは笑った。
・・・コワー。
「ははは、生娘というわけでもないが・・・そこらのトチ狂ったオスにくれてやるほど私の体は安くはない」
この人を怒らせないようにしよう。
俺はそう心に誓うのであった。
「ずるいし!!マンキツしすぎだし!!半日も遊んでくるなんてずるいしー!!!」
「ウワーッ!?凄い力だ!!!!」
・・・今度は朝霞も連れて行こう。
絡みつかれながら、俺はもう一つ心に誓うのであった。




