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デートについて交渉する

「い、いいですよ。デート。しましょうよ」


その一言で蓮司の顔はみるみるうちに高揚してきた。


「え?いいのか? あーーーー、マジか? 本当だな!」


今、ベットの上で半身を起こしながら、肩をガシっと抑えられている。


「か、会長、あの裸で、ちょっと、目のやり場に困ります」

「あ、そうだな。でも、お前、これくらい見慣れてくれ。ああ、抱きしめてもいいか?」

「だ、ダメですよ!!」

「な、何でだ!付き合うんだろう!俺たちは!!」

「え? 付き合うとが、いってませんよ。デートだけするんですよね。あのデートにも色々ありますよ。今は設定としては、気になる男女のデートっていったじゃないですか?」

「はーーーっ。それから、始まるのか? 俺たちは・・これだと、恋愛少女漫画みたいな数年コースが最短なのか? 俺は試されてるのか?」

「漫画? 蓮司会長漫画でも書き始めるのですか? 意味がわからないけど、勝ち負けの基準決めませんか?」

「え、なんだそれは?」


ーーあー、恋の駆け引きって、奴だな。可愛い奴だ。そんなゲームをしたいのか?


「普通なら、相手にどっぷりハマった方が負けだな」

「え、どっぷりと?」

「だがな、俺はすでにお前にどっぷりハマってるんだ。だから、基準にならないな」


美男子が口説きながら、ボケても一切意味が相手には伝わらないらしい。


「な、何を言いだすんですか?」

「んんーーーっ、そうだな。こういうのはどうだ?」


蓮司がちょっと人差し指を自分の口元にあてながら、考えている。


「何か嫌な予感しかしませんが・・」

「美代が、俺の事を苦しいくらいまでに好きになったら、お前の負けだ」

「え、なに、それ?」

「自信があるんだろう。このゲーム?」

「え、まあ、でも、私はどうやったら、勝ちなんですか?」

「俺が降参って言うまでだ」

「え、会長、何を基準に降参っ言うんですか?」

「わからん・・」

「なんですか?それ? かなり俺様的ルールですね」

「悪いな。あまり全ての物事で負けを認めたくない性分だからな」

「じゃー、私は会長の弱点を見つけて、参ったと言わせればいいんですか?」

「ふむ。面白いな。その考え。(男女の駆け引き)ゲームはなかなかいいかもな。何かワクワクするぞ」

「でもな、美代。ゲームってことはな、バツゲームがあることを忘れるなよ」


ひ、ひええええええっ。


美代は蓮司の魔性の笑みを喰らい、ちょっと、このゲームに参戦した自分を後悔し始めた。




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