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第四十四姉嫁 あねおれSS『ノエルの(かわいいかわいい)義妹弟観察日記』

すごくお久しぶりです。なろう姉作家二十四将の一人(自称)、藤原ロングウェイです。

ネタが出ずお話も考え付かないまま更新が途絶えていたわけですが、ふと思いました。

『本編は完結してるんだし、書きたいこと書くって書き始めたんだからこういうのもありじゃね?』と。

というわけでノエルさんが主役の一話完結でちょっと短いあねおれSSショートストーリーです。

よろしくお願いします。ぺこり。

「私だって言ってるでしょ!」

「俺だって言ってんじゃん!」


 朝食を食べ終え、台所で食器を洗っていた私に大きな声が聞こえてきた。

 なんだ?と思いリビングにいくと、ヒイロとムラサキがけんか腰でにらみ合っていた。


「な、なんだ? どうしたんだ二人とも。」

「エルエル!」「ノエルさん!」


 私が声をかけると二人が走って近寄ってくる。


「ちょっと聞いてよエルエル!」「聞いてくださいノエルさん!」

「お、落ち着け二人とも。どうどう。一回深呼吸だ。」


 むむむ、と言いながらも深呼吸する二人。

 この二人が怒鳴りあうなんて珍しい、というより初めてのことだ。

 一体何があったんだ?


「さて。で、どうしたんだ?」

「ヒロがひどいのよ!」「さきねぇがひどいんです!」


 ・・・・・・ふむ


「ムラサキ、すぐにヒイロに謝りなさい。」

「ちょっと!なんで何も言ってないのに私が悪いことになってるのよ!横暴だ!国連安保理に訴えてやる!」

「ワールドワイドすぎるわ。家庭内のお話だから。」


 ケンカしてるっぽいのに律儀につっこむヒイロ。

 こういうところはいつもどおりだな。


「普段の行いに決まってるだろう。ヒイロとムラサキがケンカしているなら、悪いのは絶対にムラサキだ。経験則でもあるし普遍的事実でもある。自然の摂理だ。」

「これだから女親は……」

「別に私は母親ではない!」


 失礼な!私はまだそこまでの歳ではない!私はお前たちの姉だぞ!

(※ちがいます)


「わかった。そこまで言うならこの話、私が預かろう。まずムラサキの言い分から聞こうか。」

「いいわよ。耳の穴かっぽじってよぉーくお聞きなさい。これ聞いたら一瞬で態度変わるから。『あーこれは完全にヒイロの負けだわー』ってなるから!」

「そういうのはいいから早くしろ。」


 なぜムラサキは常に超強気なんだ。

 ここまでくるとあきれるのを通り越して尊敬にまで至りそうだ。

(※他人のこといえません)


「ヒロがね、俺のほうがさきねぇのこと好きだとか言うのよ!?」

「・・・・・・は?」


言っている意味がよくわからん。


「あの、ちょっとよく意味がわからないからちゃんと話してもらえるか?」

「だーかーらー! 私が世界最強にヒロのこと大好きなのはもう宇宙の法則みたいなものでしょ? なのにヒロったら『さきねぇが俺のこと好きな以上に俺のほうがさきねぇのこと好きだから』とか言うのよ!!ひどくない?」

「・・・・・・ヒイロはそれについて何か言いたいことはあるか」


 なんだろう、ただ単に惚気ているようにしか聞こえん。

 私の耳と頭がおかしくなってしまったんだろうか。

 ヒイロ、違うと言ってくれ。

 もっとまともなそれっぽい理由でケンカしていたと言ってくれ・・・!


「いや、だって、俺のほうがさきねぇのこと好きに決まってんじゃん!なのにさきねぇが『ヒロが私のこと好きな以上に私のほうがヒロのこと好きだし!』って譲らないんですよ!」


 ダメだった。

 わかってたけどダメだった。


「だからわかんないかなーもう!私のほうが子供の頃からずっとヒロのこと好きでしたー!」

「残念ー! 俺は生まれたときから好きでしたー!」

「はいひっかかったー! さっきのは嘘ですー! 私は生まれる前から好きでしたー!はい論破!」

「じゃあ俺は前前前世からでしたー!」

「じゃあ私は一万と二千年前からー!」

「じゃあ俺は一億と二千年前からー!」

「「ぐぬぬぬぬ・・・!!」」


 なんだこいつら。

 出会った頃から知ってたけど、やっぱ頭おかしいんじゃないだろうか。

 私がちゃんとめんどうを見てやらなければ・・・


「じゃあ俺は日本誕生からー!」

「甘い! 私は地球創生から!」

「そうくるなら宇宙開拓からだ!」

「なら魔界大冒険よ!」

「!? 海底鬼岩城!」

「!! アニマルプラネット!」

「ブリキのラビリンス!」

「夢幻三剣士!」


 なんだ、よくわからんが途中からおかしなことになってるような気がする・・・?


「じゃあこれくらい好き!」


 ヒイロが両腕を大きく振り上げ万歳をする。


「じゃあ私はこれっくらい好き!」


 ムラサキはそれに加えてその場でジャンプする。


「ならー、これーくらい!」


 ヒイロがテーブルの端から端まで手でなぞる。


「ならー、こっからー、これっくらい!」


 ムラサキは部屋の端から端までを走り出す。


「俺はもっとあるね! こんくらいあるね!」


 今度は部屋を出て隣の部屋までいくヒイロ。


「じゃあ私はもっとー!」


 部屋から出て玄関の入り口まで走り出すムラサキ。


「そしたら俺はー!」

「あ、ちょっと、それずるいわよヒロ!待ちなさい!」


 ギャーギャー騒ぎながら外に駆け出していくヒイロとムラサキ。

 そしてその姿が森に消え見えなくなった。


「・・・・・・・・・・・・さて、今日の昼飯は何にするか。」




 そして、昼時。


「ただいまー!」「ただいま帰りましたー!」


 仲良く手を繋いで帰ってきた姉弟を見て、私は。


「おかえり。さぁ、一緒にお昼を食べよう。」


 いつものように返事をし、三人で昼食を取るのだった。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。


というわけであねおれSSでした。

読者さん的にはこういうのはどうなんでしょう?

こんな感じでよければあねおれFDの更新頻度もあがる、カモ?


それと、ただいま姉弟いちゃラブコメディファンタジーの新作を少しずつ書いている途中なのでそのうち(短編になるか長編になるかはわかりませんが)投稿すると思います。

姉が増えるよ!やったね藤原ちゃん!

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