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第三十四姉嫁 ムラサキお姉ちゃん、運命に出会うの巻 そのじゅう

12月6日は姉の日!とあねおれ本編完結日で書いてから、早一年が経ちました。

姉好きの読者様方のおかげで、完結したあねおれのブクマも少しずつ増えております。ありがとうございます!

今後も暇になった時にチラッと思い出してちょろっと読み返してクスッとしていただけたら嬉しいです。


また、超今更ですがあねおれ本編に『よくわかるあねおれ・ザ・ラストシスター!』を投稿いたしました。

まぁいつもどおりのやつです。完全な自己満足ですね!

さらに、姉の日記念として姉弟もの短編『異世界転生したらロリ姉に甘やかされまくる毎日が幸せすぎてヤバい』も投稿しております。よければこちらもご覧ください。

ちなみに、オチはありません! ただロリ姉が弟を甘やかしまくるだけのお話です!

「ちょっとヒロ、今すごいいいところじゃない。お姉ちゃんのかっこいいとこよ?」

「あの、申し訳ないんだけど、ちょっ技名をね。見直してもらえないかなって。」

「えぇ~なんでー? かっこよくない?」


 たしかにね! かっこいいんだけどね!

 でもさすがにそれは危険だと思うんだ!




「さすがに怒られそうな気がしてさ。考えなおそ? 弟の一生のお願い!」

「仕方ないわねぇ。ちょっと考えるわ。」


 さきねぇがエクスカリバーを構えたまま、考えて込む。

 その間にプリリンカイザーのことまで小走りで近づく。


「あの、すいません。ちょっとだけ待ってもらってもいいですか?ほんとちょっとなんで。」

「ぷりーん。」

「ありがとうございます。」


 話のわかるプリンでよかった。


「よーしおっけー! 決まったわ!」

「お、早いね。さすが即決即断の女。」

「じゃあ、いっくわよー!」


 さきねぇがもう一度エクスカリバーを構える。


「ムラサキ流最終奥義! ≪約束さ「もうタイム使い切ってるから!」

「冗談だってば、じょ・う・だ・ん! もーやーねぇヒロってば。天丼は基本でしょー? このあわてんぼめ! ラブ!」


 ウインクしながらさきねぇがエクスカリバーを掲げる。

 そして!


「ムラサキ流最終奥義! ≪紫光七聖剣(スターバーストストリーム)≫!」


 エクスカリバーを思い切り振り下ろす!

 すると、エクスカリバーからハイ○ガキャノンのような極太レーザーが放たれ、プリンを飲み込む。


「ぷりーーーん!」


 絶叫をあげるプリン。

 とてつもない閃光が実験場を満たす。

 光の奔流が収まると、そこにプリンの姿はなかった。

 初めから、そこには何も無かったかのように。

 そして、壁にはでかい穴が開いていた。


「・・・あの、かべが「やったわね。」

「かべ「やりましたね。姉上。」


 ノーラさんが何か言ってるけど、無視。


「しかし、悲しい慟哭だったわね・・・」

「ええ、敵ながらアッパレなやつでしたね。」

「・・・わかったっていう。壁のことはもういいっていう。てゆーか悲しい慟哭って、ただ『ぷりーーーん!』って叫んだだけだったっていう。」

「聞こえなかったんですか、あいつの最後の言葉が。」

「え、どういうことっていう?」


 何もわかっちゃいない・・・

 しょせんは王族で学者様か。


「あいつは最後にこう言い残しました。『我に悔いはない。我は我の心の命ずるままに乱を起こした。例え敗れたとて、その事実は消せぬ。我は我が思うまま、我が望むままに王であったぞ!』と。」

「さすがは皇帝を名乗るだけあったわね。」

「あの七文字にそこまでの意味があったっていう!?」


 さきねぇと俺は並んで空に向かって敬礼した。


「あっ!」

「どうしたの?」

「私としたことが、うかつだったわ・・・」

「え、何が?」


 すごく真剣な表情だ。

 多分どうでもいいことだろうけど。


「ムラサキ流最終奥義なんだけど、『必殺、ブラコニウム光線!ビビビビビ!』とかのほうが良かったかしら?」

「しらんがな。」


 やはりどうでもいいことだった。




 それから数時間が経った。

 突如すさまじい大地震に襲われたイナルファ城は上に下にの大騒ぎになった。

 そして地下の実験施設に急行した騎士たちが見たものは自分とこのマッドサイエンティスト姫様と、地味な黒髪の男と、ドレス姿の美女と、壁に開いたでかい穴だった。

 ノーラ姫から色々説明してもらい、なんやかんやあって俺たちは今王様の目の前にいる。

 のだが。


「だから、これ頂戴って。」

「だから無理じゃって。」

「いやーそれも無理だわー。」

「それも無理じゃよー。」

「「はっはっはっは!」」


 うちのお姉様VSイナルファ王という、凡人の俺には胃が痛い状況になっている。

 しかも変なところで意気投合というか、お互い楽しんでいるふしがある。


「よし、じゃあエクスカリバーちょうだい。」

「無理じゃよ。」

「ところで、エクスカリバーちょうだい。」

「無理じゃって。」

「さらにはエクスカリバーちょうだい。」

「無理じゃのー。」

「「はっはっはっは!」」


 さっきからこの繰り返しです。

 相手は王様です。そしてまわりの騎士たちがさきねぇではなくなぜか俺を睨んできます。

 誰か助けてください。


「じゃあこういうのはどうかっていう。」

「む?」


 ノーラさんが間に入る。

 さっきまでボサボサ髪で白衣だったのでアレだったが、今みたいにドレスを着込んだらちゃんとお姫様っぽく見えるな。


「あげるのは難しいっていう。だから貸出というのはどうかっていう。」

「レンタル? どうせ一週間とかでしょ? そして一週間過ぎると一日ごとに延滞料金かけるんでしょ! 324円! わかってるのよ! お前たちのやり口はまるっとお見通しだ!」


 古いなーまた。

 しかもエクスカリバーのレンタル料金が一日324円ならむしろ安いのではなかろうか。

 伝説の魔剣だし。


「期限はムラサキ殿一代限りっていう。ムラサキ殿が亡くなるかエクスカリバーを使わなくなったら返してくれればいいっていう。」

「しかし・・・」

「お父様、これだけ強い冒険者と繋ぎを作っておくのは絶対メリットがあるっていう。ここは決断するべきっていう。」

「う~む・・・」


 渋る王様。

 まぁ確かに使ってなかっし一時的だったとしても、世界で一本しかない魔剣を手放すのは難しいか。


「つーかさー、エクスカリバー別に国宝ってわけじゃないじゃん。ダンジョン台無しにしたバカから接収しただけでしょ? んで倉庫にしまいっぱなしだったら意味ないって。 私が有効活用するからちょうだい?」

「!? なぜそれを知っておる?」


 そういやナイショの話だったなそれ。

 さきねぇの代わりに俺が答える。


「ノエルさんから話は聞いていましたので。」

「ノエルさん?・・・もしや、ノエル・エルメリアか?」

「ええ、そうですけど。」

「な、なぜノエル・エルメリアと知り合いなのだ?」

「知り合いというか、家族 (みたいなもの)ですので。」

「・・・なんだよー、やだなーもうー、さきにそれいえよー。いけずじゃーん!」

「え?」


 王様がいきなりフランクというかゆるい若者みたいな口調になった。


「わかった。やることはできぬが一代限りという条件で貸し出すことにしよう。平和のために役立ててくれ。」

「平和とかはどうでもいいけど、私とヒロのためにいっぱい役立ってもらうわ!」

「「・・・・・・」」


 王様もノーラさんも微妙な顔をしている。


「よーし、これからよろしくねリバ子!」


 さきねぇがエクスカリバーに声をかけると、刀身が蛍光灯のようにピカピカ点滅する。

 エクスカリバーこいつ器用だな。


「やったー! エクスカリバーげっとー!」

「レンタルじゃからな! わかっとるな!」

「わかったわかった。できるだけ覚えているように努力するわ!」


 超適当。

 しかも王様相手にわかったわかったって・・・このひと自由すぎて怖い。

 ノーラさんがのたのたと俺のところまで来る。


「・・・弟殿、ちゃんと返してくれっていう。信じてるっていう。」

「約束ですしね。その時が来たら返しに来ます。」

「あと、貸出許可したんだから今日の出来事はナイショでよろしくっていう。ぶっちゃけ、けっこうやばい不祥事っていう。」


 そうだよね、人造魔物作って暴走させちゃったからね。

 しかも理由が『魔法防御を上げすぎて魔法のコントロールを受け付けなくなっちゃった。テヘッ☆』だからね。


「まぁエクスカリバーも貸してもらえたし、そのくらいはお安い御用です。でも、これに懲りたら今後はもっと安全な研究でよろしくお願いします。では、これで失礼します。」


 そうして頭を下げて謁見の間から退出したのだった。




 お昼前に城内見学にいったのに、もう夕方だ。

 通りも人通りが少なくなっている。

 けっこう長いことお城にいたなー。


「あーお腹すいたー。」

「ね。なんか美味しいやつをお腹いっぱい食べたいね。」

「この世界、情報誌とかないから不便よねー。食べ○グもないし。」

「今から考えると、ネットって便利だったねー。」

「この世界の魔法とネットって、どっちがすごいかしらね?」

「ベクトルが違うからなんともいえんけど、魔法に匹敵する技術ではあるよね。」

「マジ地求人やばい。パネェ。」

「やばいね。」

「・・・ヒロは何食べたい?」

「ふむ、じゃあハンバーグとかどう?」

「いいね! 今日の晩御飯はハンバーグに決定!」

「どんどんどんぱふぱふー!」

「いぇーい!」


 二人で盛り上がっていると、見覚えのある顔があった。

 隊長A氏だった。

『なんかうるせーと思ったらまたお前らかよ・・・』という表情だ。


「しー。」

「しー。」

「・・・はぁ。」


 二人で顔を見合わせ口の前に人差し指を持っていって静かに!ポーズをとると、隊長はため息をついて横を通り過ぎていった


「・・・お疲れさまでーす!」

「お疲れちゃーん!」


 俺たちが声をかけると、こちらを振り向かずに手を振って去っていった。


「・・・さて、じゃあお店を探しますかね。」

「いいお店あるといいね。」


 そして俺たちはいつものように二人仲良く手をつなぎ、夕暮れ時の通りを歩くのだった。




 後日談。

 約束どおり、イナルファ王国にきたノエルさんをクマさんと引き合わせた。

 しかし、クマさんはやはりロリコンだったのか、顔を真っ赤にしながら鼻息荒くノエルさんに握手を迫ったため、ノエルさんの『気持ち悪い!』の一言とワンパンによって地面に沈んだ。

 それでも嬉しそうな顔で気絶していたあたり、やっぱり偉い人はみんな変態なんだなぁと思いました。

 まる。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いいたします。


これにて今回の更新は以上となります。

次回予定は……未定! ネタが浮かび次第です(苦笑)

ムラサキお姉ちゃんとノエルさんが幼女化!とか、ヒロくんが女性化!みたいなギャグコメディの鉄板ネタは出るんですけどね……う~ん……

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