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26話
私は女将さんとご主人にお礼を言ってから夕食の食材を買って別宅に戻りました。
夕食の支度をしながら先日のことを思い出していました。
この間ランカスターさんに時間を下さいと言ってしまったけれど、あれから大分時間が経ってしまっています。このままという訳にもいきませんし、王宮での生誕祭のこともありますので、そろそろ覚悟を決めなくてはいけませんね。
もっともここへ嫁いできた時にも覚悟は決めてきた筈なのに余りにもすれ違い過ぎて、その時の覚悟なんて何処かに消えてしまいました。
やはりこのまま仕事を続ける事は無理なのかもしれませんね。
どうなるか予想も出来ないけれど会って話を聞いてみますか。
もしかしたらあちらはあちらでこの状態を望んでいる可能性もあるわよね、だって最初から本人が望んだ結婚では無いのですから。
陛下に急かされての結婚だと聞かされていました。
取り敢えず明日仕事が終わったら本宅を訪ねてみましょう。
会えるかどうかは分かりませんが。




