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完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   作者: ヴァンドール


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18/42

18話

 今朝は早くから起きて教会に居る子供達の為に焼き菓子を作ろうと思います。 

 材料は昨日ご主人に頂いた物です。

 生地を型抜きしオーブンで焼き、焼き上がったらバットに広げて冷ましてから大きめの布で包み鞄に入れました。

 今日はお店の定休日なのでいつもの様に食堂に行き、そのあとに、教会へ向かうことにしました。

 そして教会に着き、持ってきた焼き菓子をテーブルの上に広げると、子供達が皆寄ってきて、嬉しそうに頬張る姿を見ながら、私も子供達と一緒に仲良く食べました。

 子供たちは皆、嬉しそうに笑い合い


「美味しいね」


 と、言って幸せそうな笑顔を向けてくれます。

 私はいつもそんな子供たちの笑顔に癒されます。


 その後は、本の貯蔵室へと移動し、前回読みかけの本を手にして続きを読んでいると、いつもは静かな教会内に何人かの話し声が響いています。

 それでも気にせず読書に集中していたら、気付けば窓の外は柔らかな橙色に染まっていました。

 その後、私は本を閉じ、少し冷たくなり始めた風に肩をすくめながら、またいつもの様に買い物をして家路につくのでした。


 住まいに着き、お料理を作ろうとキッチンに入るとテーブルの上にお皿があり、その上の薄紙をめくるとアップルパイが載せられていました。

 そしてその下に紙に包まれたお金があり、メモが一緒に添えられています。そのメモには

『足りなかったら、遠慮なく執事のランカスターに言うように』

 と書かれていました。?

 今になって急にどうしたのかしら? 心の中は? マークでいっぱいです。

 その上アップルパイはいつものご主人が焼いた物だし、全くどう解釈すべきかとても謎です。

 これ以上考えても無駄だと思い、いつもの様に食事を作ることにしました。

 そして食後にせっかくなのでアップルパイを食べましたが、いつものサクサク感が全く感じられません。

 ああそうなのです、今日はお店の定休日なので昨日買った物なのでしょう。でも一日経つとこんなにも食感が落ちてしまうのね。

 私はアップルパイをもう一度オーブンに入れ、焦げる直前に出してから食べました。そうすると焼きたてとまではいかないまでも、サクサク感は復活しました。


 そういえば遠くから買いに来てくれる方や、その日のうちに食べられない人だって沢山居る筈だから明日からは、買われる方に一言


『召し上がる前に軽くかまどに入れるか、オーブンで温めるとより一層美味しく召し上がれますよ』


 そう伝えることにいたしましょう。


 思わずこんな形で新しい発見が出来るなんてと苦笑してしまいました。

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