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完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   作者: ヴァンドール


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15/42

15話

 今日は、本当に驚いたわ、だって書類上だけでも夫である方がいきなりお店に入ってこられたのだから。

 そして名物となったアップルパイをわざわざご自分で買いにこられるなんて思いもしなかったわ。 

 私はご主人が対応している間にそっと厨房に隠れてしまった。


 一応は書類上だけの妻でも、パン屋さんで働いているのが分かったら、怒られそうな気がして思わず隠れてしまったというのに、何も知らないご主人は私に仕事を言いつけます。


「今日は少し早めだが、これを領主様に届けたらそのまま上がって構わない」


 そしてご主人はわざわざ簡単な地図まで書いて渡してくれたのです。

 私は流石に毎日帰っている住まいと同じ敷地内ですと言える筈もなく、罪悪感を感じながら地図とアップルパイを受け取り帰路に就きました。

 そして本宅に着くと門番が居たので声をかけました。


「これは、領主様が、ご注文なさった品物です」


 そう告げてアップルパイの入った箱を渡してから、いつもの別宅へと帰りました。

 いくら別の出入り口があるといっても、私は誰にも見られないように辺りを見回しながら中に入りました。


 何だか今日はとても疲れてしまっていたので、湯浴みはせずに頂いたパンだけを食べて直ぐに横になることにしました。


 翌朝、昨夜は疲れてすぐに寝てしまったので、今朝はいつもより早くに目が覚めてしまいました。

 たまには朝の散歩もいいかしらと外へ出ることにしました。良く寝たおかげで、とっても気持ちがいい朝を迎えられました。私は背伸びをしてから、朝の散歩を楽しみ、ふと本卓の方へ目を向けました。


『アップルパイは気に入ってくださったかしら』

 何故か、気になり呟いていました。

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