表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。  作者: 八木愛里
第4部 妖精の森編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/98

95 異空間の出会い⑤ 〜ロウの告白〜

「お疲れ様! セドリック殿下には負けたけど、君の成長には本当に驚いたわ。ロウ、よくやったわね」

 

 私がロウのもとへ駆け寄ると、ロウは照れくさそうに笑った。


「ありがとうございます。でも、師匠の期待に最後まで応えられなかったのが残念です」


「そんなことないわ。あなたは十分に素晴らしい戦いをしたわよ。次はきっと勝てるわ」


 そう励ますと、ロウは頷き、何かを考えているように口を引き結んだ。やがて彼は視線を私に向け、ゆっくりと話し始めた。


「師匠……実は、今、あなたに伝えたいことがあるんです」


 その言葉に、私は少し緊張した。ロウの表情が真剣で、心なしか彼の顔が赤くなっている気がした。私は微笑みを浮かべながら言った。


「何かしら? 何でも聞くわよ」


 ロウは一瞬ためらったように見えたが、やがて深呼吸して、私の目をまっすぐに見つめた。


「俺、師匠のこと……好きなんです」


 その言葉に、私は思わず息を飲んだ。ロウの告白は、全く予想していなかったけれど、なんとなく彼の目に感じていたものが現実になったようだった。ロウの顔は真っ赤で、緊張しているのが分かる。


 私は、ロウの純粋な気持ちを嬉しく思いながらも、心を落ち着けて答えた。


「ロウ、あなたの気持ちは嬉しいわ。でも、私はあなたの師匠で、それ以上の感情はないの」


 タイムスリップしてきたから、この世界線では恋人同士にはなれない。それが言えないからもどかしい。

 私がはっきりと言うと、ロウは驚いたように目を見開いたが、すぐに表情を緩めた。そして、少し寂しそうに微笑んだ。


「そうですよね……わかりました。師匠の言う通りです。でも、俺は諦めません。いつか、師匠の隣に並べるように、もっと強くなります」


 ロウはそう言って、再び決意に満ちた顔になった。その言葉に、私は彼の成長を感じた。告白されたことには驚いたけれど、ロウの未来を応援し続けることを決めた。


「頑張ってね、ロウ。私はいつでも応援しているわ」


 私がそう言うと、ロウは嬉しそうに頷いた。

 

「……でもね、それにロウにはもっと良い師匠が現れて、その人のことを好きになると思うわ」

 

 私がそう言うと、彼は形の良い眉毛をキュッと吊り上げた。

 

「そんなことはありません! 俺は師匠以外の人を好きになることはありません!」

 

「そうかしら? でも、私はあなたの成長を見守っているわ。だから……」

 

 私がそう言うと、ロウは不満そうに頬を膨らませた。その子供っぽい仕草が可愛くて、思わず笑ってしまった。すると彼はさらにムキになって反論した。

 

「俺は絶対に諦めませんから! 師匠に相応しい男になれるよう頑張ります!」

 

 そんなやりとりをしている内に、私たちは笑い合った。こんな関係も悪くないなと思えた。

 ここまで読んでくださって有り難うございました!


「面白い! 応援しよう!」


「ロウとの恋の続きが気になる!」


 と思った方は


 下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


 ブックマークもしていただけると嬉しいです。


 どうかよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 前半、前回の終わりのシーンですよ???? [一言] このループを完全にどうにかするには…………ロウの頭の中のロザリーの顔を別の人物の顔に変える? いやのちのち妖精王と関わり合う彼の事を…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ