イラーヴァーのウサギ
もうそろそろ、ラスボス戦に行きます。
流石に、主人公ずっとバーサーカーじゃキツイですものね。
「フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ」
ならず者の頭上を走り抜ける男が居た。
男の手には黒いブーメランのようなものが握られ、そこから発射される謎の光源が足元のならず者に当たるたびに、一人、また一人と倒れていく。
「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!邪魔するならば全員喰らい殺してやるぜェ!」
無論、さっきよりは安定してきた。
さっきより、バーサーカーじゃ、無い。
大丈夫、大丈夫、ガラケーショットは確実に相手の脳天に刺さっている。
このまま頭上から一方的に脳天を叩きまくって首領の所まで行って散弾雨霰で降らして血の雨霰にすれば大丈夫、朝ごはんに間に合うから。
「ヒャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーハハハハハハハハハハハッハハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
この光景を見ていた者が居た。
彼の証言は以下のようなものだった。
「えぇ、何だか、盗賊か何かの頭上を飛び回って、足が光ったかと思うとバタバタと倒れていくんです。
そうなんです。まるで何かを吸い取ったような……………偶に何か言っていたんですよ。『イラーヴァーのウサギ』って。
あれは…………………人語を理解する凶獣だったんだと思います。
狂声を上げて人間の上を駆ける様は………あれは………………」
それからというもの、『イラーヴァーのウサギ』という名前は子ども達と盗賊達やならず者たちの間で語り継がれる伝説の凶獣として、脚色を重ねられて畏れられるようになった。
感想や評価、他の黒銘菓作品の閲覧。お待ちしています。




