晩餐会は始まった。
いつもナイフとフォークの左右が解らなくなる作者。黒銘菓です。
「成る程、そのような所から………。」
「世の中は広いのですね。」
「………………………………。」
「本当に。俺は今、本当に広さを実感、して、ますょ…」
あの後、爺やに風呂場に連れていかれ、何が悲しくてなのか、野郎(爺や)に服をひん剥かれ、風呂に入れられた。
風呂場から出る頃には新たな洋服が用意され、食事の用意までされ、今は4人で晩餐会の最中だ。
手際が良いな、本当に。
もしかしてこの家族。本当は山姥一家なんじゃねぇかってくらいに手際が良い。
一人除いて………な。
「如何した?アリシア。全然食べていないぞ?」
モールドンの旦那が娘に声を掛ける。
さっきから俺とモールドンの旦那……いいや、旦那と夫人の会話に入る訳でなく、かと言って食事に夢中という訳でも無く、只々、俺が見たブルーハワイ色でそこに座っていた。
「ごめんなさい。少し、気分が優れないの……。食事は後で部屋に持って行って。」
そう言うと嬢ちゃんは立ち上がると逃げるように部屋から去って行った。
「すまないねぇ、娘が。」
「気にしてません。あんな事件の後でこうやって飯を食っていられる俺の神経の方が異常っちゃ異常なんですから。」
そう言って旨そうに焼かれた羊の肉を口に放り込む。
美味い。ここの料理作っている人は腕の良いコックだ。
「にしても………何があったんだい?」
「誘拐されかかったのを、あなたが助けて下さったのですよね?」
アレ?知らないのか?
『なんか嬢ちゃんが誘拐されそうだったから助けてここまで連れて来た。』って簡潔に話したんだがな。
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PS:今の時世、ガラケーはツチノコ並みにレアなんですね。




