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第45話 皇国の皇子はどうする?

「そう怒んなよ、和眞!良いもんやるからさ」

「んなもん知るか!テメェはさっさと落とし前つけろや、ボケ!」

「ボケてねぇよ!良いんだな?もうテメェにラノベの横流ししなくても」

「すいませんでしたっ!!!」

「勝利~~~、ぶいっ!」


見晴らしの良くなった訓練場の真ん中で二人は兎に角下らない不毛な争いをしていた。ただ、和眞が達也に勝てるはずもなく、見事に完封されることとなる。


「く、くくくくくく訓練場があああああああああ!!!!!!???」


そんな二人の後ろでは騎士団長エッチーナ……騎士団長ライオスが頭を抱え魂の叫びを上げていた。ただ、勇者達も達也達もそれを無視する。


「あ、そうそう。そんな事よりさ、和眞。」

「なんだ」


達也は和眞に話し掛けながら軽く右腕を振って訓練場を頭の可笑しいレベルで改築する。後数分もすればシャワーや大浴場や、高負荷トレーニング専用室や、レベル別オートマタ戦闘訓練システムなどが搭載の訓練場が出来上がるだろう。


「冒険者呼んで訓練って何のことだ?俺、呼ばれてないんだけど。あと、皇国の皇子なんか呼ぶのか?あの女好きのクソ野郎を?」

「お前なんか呼んだら訓練なんてできねぇだろ!

つか、女好きのクソ野郎とかなんだよ、あったことあんのかよ」

「あ?会ったことなんてねぇよ。つか、アイツはクソだ、ゴミクズだ。皇国の皇族自体は腐っちゃ居ねぇがアイツだけは別だ。街を歩いて気に入った女が居れば既婚だろうがなんだろうがあらゆる手を使って自分のモノにする。さらに、治める街では初夜税などとふざけたことを抜かしてやがってだなぁ」

「なんで、そんなこと知ってんだよ」

「んなもん偵察してるからに決まってんだろ」

「偵察って…」

「そんでだ。もしアイツが雪姫とか真奈とかに手を出しやがったら……」

「別にお前ら付き合ってるわけじゃあるまいし……あ、突き合ってはいるか。まあ、別に恋愛感情とかお前にはないわけだし」

「俺の女は俺のもんだ。誰にも手は出させねぇよ」

「かっこよく言ってるけど世間からしたらただのセフレだぞ」

「あ?アイツらは嫁じゃボケ」

「あっそ。なら、大丈夫だろ」

「既婚だろうがなんだろうがって言っただろ、話聞けよ。とにかく、チョーシに乗って変なことしやがったらぶち殺す」

「国際問題になるからやめとけー」

「そんときは誰に喧嘩売ったかわからせてやるよ。

具体的には、チート装備戦闘員大量動員して、世界対戦用戦略級飛行戦艦大量配備、さらに荷電粒子砲搭載戦車に弾数無限のチート武器搭載戦闘機に、大量の神と天使投入して草どころかマントルすら残らないレベルで消し飛ばす」

「逃げてー!!この大地さん超逃げてー!!俺らも死ぬかもしれないからー」

「ハハ!そんな事するわけないだろ?

平和主義の神崎達也さんだよ」

「平和主義者は中学生の分際で暴走族の抗争に嬉々として突撃しない」

「それは、ほら、あれだよ、あれ。悠真と遊んでたら気合い入れた格好の奴らがガン付けてきて、悠真がメンチきって、それで巻き込まれただけだよ」

「普通、巻き込まれただけの奴はその後のバトルに手を出さないから。

廃工場での乱闘で一騎当千の無双とかしないから」

「いや、だってよ。いきなり俺の胸ぐら掴んでくせぇ口で怒鳴り散らすんだぜ?思わず、投げ飛ばして顔面を踏んでも仕方ないだろ」

「もう…いい」



達也はまたしても勝利した。






◇◇◇◇◇


「と、いうわけで嫁全員集合!」

「なにがというわけでじゃボケエエエエ!!!」


達也の自宅のある別世界。

玲瓏の館の食堂では達也の嫁+シルフィの父+和眞と美乃が会食をしていた。いきなり娘が帰ってきて問答無用で連れてこられたシルフィの父アーノルド・エル・ルーセント公爵など未だに事態が飲み込めず、運ばれてくる食事も呆然と見ているだけである。


「こら、行儀が悪いぞ和眞。

あと、赤城。たくさんあるから遠慮するなよ」

「俺の行儀よりお前の女癖が悪いわ!」

「和眞…もぐもぐ……うる…もぐもぐ……五月蝿いわよ……もぐもぐ…すわりなよ…もぐもぐ」

「美乃は食べるのか喋るのかどっちかにしろよ……」


和眞は頭を押さえながら椅子に座りなおす。


今回の食事会ではフランス料理風になっている。つまり、コースなのだが、美乃は前菜だけですでに三枚目に突入している(しかも、一人だけ食べはじめている。というより、達也が先に用意させた)。それを見て人知れず「これなら、中華みたいなやつの方が良かったか?」と思う達也であった。

そんなことを達也が思っていると前菜の彩り野菜のゼリー寄せが運ばれてきた。ワインも共にだ。


「セバス、ワインの説明を」

「は。

此方の【デュー・デ・サング】は、タツヤ様の世界【インペリアル・ガーデン】「その名称認めてねぇからな」でも最も適した場所で栽培された葡萄を「水は聖水だから、関係なくね?」使用し、さらにユグドラシルの枝「一番小さい枝なのに直径100kmちかくあるんだぜ」を使用した樽で熟成────────────────────────」


長い説明のあとのワインはとてつもなく旨かったそうです。

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