第35話 和眞さん、ドンマイ
「はぁ、暇だ」
ソロモンが入学式に向かってから十分。
タツヤは学園長室のソファに寝転びながら呟いた。近くのテーブルには【世界樹乃書庫】を使用する際に出現する(出さない事も可能)固有の本が置かれている。
「ネクロノミコンとか只の漫画だったしなぁ。あんなの只のニ〇ル子の同人誌だよ」
そして、タツヤは本を消すと目を閉じた。
「目を閉じれば……億千の星ってね」
パチン
そして、指を鳴らし目を開ける。すると学園長室はプラネタリウムの様になり、一面に星の海を映した。
「あれがデネブ、アルタイル、ベガ」
そう言いながらタツヤは夏の大三角を形成する三つの星を指差す。完全に某物語のEDみたいになっているが気にしてはいけない。
『もしもし、達也か?』
「私達也君。今貴方の部屋の前に居るの」
「は?何言ってんだよ」
「私達也君。今…貴方の後ろに居るの」
「へ?うわぁぁあ!?」「きゃあ!?」
暇すぎてタツヤは遂に和眞達で遊ぶようになった。しかも全力で隠行している為自分で解く以外に見付けられる可能性はない。
つまりどういう事かと言うと、タツヤは親友のディープで大人なキスを見ていたということだ。やられた方は軽く自殺したくなる程の酷さだ。
「和眞、キスしながら胸を揉むのはどうかと思うぜ。
赤城、キスしながら和眞のパンツに手を入れるのはどうかと思うぜ」
「「やぁぁあ!!!止めてぇェ!!」」
タツヤは二人のキスの仕方を冷静に指摘する。気分はAV監督だろうか。そんなタツヤの言葉に二人は赤面して大いに取り乱す。タツヤならこうはならないだろう。そして、赤面している和眞にタツヤはとある提案をする。
「和眞、今度一緒に花街行こうぜ」
「うわぁ!!!!
ん?花の街か?綺麗そうだな。いいぜ」
「か・ず・まぁ?」
「え!?なんで美乃そんなキレてんの!?」
「因みに花街ってのは娼館とかが集まってる所とか、遊郭の事を言うんだぞこの世界では」
「つまり?」
「嫁の前で堂々の浮気宣言お疲れ様です!(爆)」
「うわあァァアアアァァアアアァァアアアァァアアアァァアアアァァアアアァァアアアァァアアアァァアアアァァアアアァァアアアァァアアアァァアアアァァアアアァァアアアァァアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!やらかしたぁァァアアアァァアアアァァアアアァァアアアァァアアアァァアアア!!!!!!!!」
それは花街へのお誘いであった。
今日の日本で花街と言えば芸妓遊びのできる場所の事を示すが、この世界……売春やら何やらが横行するこちらで花街というとそういう店やその密集地を示すのだ。
そして、見事に勘違いしたあげく和眞は大爆死した。
その様を見てタツヤは爆笑している。
最低な暇の潰し方であった。
そして、一通り笑った後怒られない内に隠れてそそくさとタツヤは退散した。それに和眞が気付くのは色んな意味で搾られた数時間後だった。もちろん、激怒していたのだがお土産としてタツヤが置いていったラノベの最新刊を見つけ、すぐに機嫌を直した。一緒に世界最薄0.01mmコンドームも置かれていた為、また直ぐに搾られることだろう。
「あ、和眞に頼まれたエロ同人置いてくるの忘れた」
やっとゲームできるぜ!




