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第22話 パクリと呼ばれし男

完全にネタと化した学園長。

はたして、ネタでは無くなる日が来るのか?

「久し振りだね、聖女さん」

「お久し振りです、学園長」

「(声まで〇木さんだと!?これは和眞に電話しなければいけない事案だな……)」


 室内に入り、学園長とエレーナが挨拶をしているがタツヤは完全にアホな事を考えている。まあ、確かにそのままの声だし容姿キャラも似ているので考えてしまうのも仕方がない気もするが。しかし、それでも限度があると思う。


「そちらの君は初めましてかな。

 僕はソロモン。よろしくねぇ」

「(もうやめろおおおおおお!!!!

 その声でソロモン言うなぁ!お前はどこのマスタービ〇リアだ!?いい加減にしろよ!もし、その声で『僕の二つ名は【大〇公(パラ〇ィン)】だ。』とか言ったら発狂するからな!マジで!それと、あれか!?もしかして、七人の最強女子生徒とか居るのか!?居ないよなぁ!?居ないと言えよ!?)

 タツヤ・K・セフィロダアト(数ヵ月後に向けて改名済)だ。まだ、タツヤ・カンザキだけどな。よろしく」


 二人の話が終わったのか、学園長がタツヤに自己紹介をする。タツヤも荒ぶる内心を表に出さないようにしながら、挨拶を返す。


「うん、よろしく。ところで君は何で此処にいるんだい?」

「この変態の付き添い」

「変態?ああ、エレーナちゃんの事か。

 それにしてもやっと七人の聖女が揃ったよ」

「……エレーナ、すまん。少しダンジョンに行ってくる」

「え?」


 学園長改めソロモンの質問にタツヤは簡潔に答えた。その際のエレーナの呼び方が変態なのは、まだパンツを返してもらっていない腹いせだろう。しかし、それでもまだ冷静なだけいい方だ。

 だが、ソロモンの一言でそれも粉々にされる。『やっと七人(・ ・)の聖女が揃ったよ』、この一言によって。


「あ、でもダンジョン行ってもすぐ終わるか……」

「あの、タツヤさん?」

「ん、何?別に七人がどうとかでキレてないよ。ところで、もう帰ってもいいのかな?ちょっとモンスターをボコってストレス発散したいんだけど」

「何に対して怒っているのかしらないが、君は冒険者か。なら、どうだい?1つ依頼を受けてもらいたいんだ」


 タツヤがストレス発散の方法を考えていると、ソロモンがタツヤに言った。何か嫌な予感がしたが、タツヤは一応聞いてみることにした。


「依頼内容による」

「ウチの学園に入ってk「断る。俺はどこぞの機竜使いの雑用王子じゃないからな」……なんの事を言っているか分からないけど、少し酷くないかい?」

「酷くない。なんで俺が学園になんか入らないといけないんだ、めんどくさい。大体、編入させるなら魔王候補にしとけ、このパクリ学園長」

「ちょっ!いきなり酷すぎるよねぇ!?僕たち初対面だよ?」

「知るか」

「頼むから、編入してくれないか?」

「しつこいな。わかった、入ってやる。その代わり、こっちの要求を聞いてもらう」

「できる範囲ならきこう」

「1つ目、授業を受けるかどうかは俺が決める。つまり、まったく受けないかもしれない。

 二つ目、どこぞの馬鹿貴族を断罪するかもしれないけど、対応よろしく」

「なるほどなるほど」

「三つ目、寮は一人部屋にしてくれ」

「わかった、それでいいよ。でも二つ目はどういう事か教えてくれるかなぁ?」

「馬鹿が嫌い。偉そうにしているゴミが嫌い。媚びる奴が嫌い。香水が臭すぎる。上品の意味をはき違えてて嫌い。五月蝿い。自分が選ばれた人間だと思ってる奴がいてウザい。以上」

「なんというか、すごいねぇ」

「まあ、普通だろ。それにここの校則では皆平等なんだろ?だったら、ああいう奴は別に殺してしまっても構わんのだろう?」

「殺すのは不味いよ。せめて再起不能くらいにしとかないと。もちろん、下もね」

「だまれ、パクリ。あと、入試は受けないでいいよな?」

「もちろん。でも身分証明はしてね」

「わかったよ。ほれ、これでいいだろ。もう、帰りたいんだよ」

「うん、どれどれ」


 依頼内容・学園に入学せよ。

 完全にタツヤの考えた通りであり、嫌な予感が的中した結果となった。だが、タツヤは自身の要求を通せた為、入学することは了承した。恐らく、入学しただけですぐに何処かに行くつもりなのだろう。


「おい、パクリ学園長。さっさとギルドカード返せや」

「いやぁ、君【王冠】だったんだねぇ」

「あ、そう。だから?あと、そうだ。報酬は10億Zr一括で払えよ」

「えっ!?」

「じゃあな。エレーナ行くぞ」


 タツヤはそう言い残すとエレーナを伴って学園長室から出ていった。その後しばらく学園長は放心していたそうだが、それはタツヤの知った事ではない。


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