第13話 取り敢えず見学
扉を開け、異空間からでるとそこはカオスだった。まだ男子勇者達が黒焔蛇に焼かれ続けており、達也強漢先輩達と聖女系変態王女と恋する少女が戦い続け、離れたところから騎士達がそれを監視?している。
そのせいで元は美しかった中庭も穴が空き、ボコボコになっていた。
男子勇者達はどこから見ても気持ち悪いが、美少女達の戦闘は激しいながらも美しかった。それは使われる魔法や剣技のせいか、それともやはり神族と比べてもまったく遜色の無い美少女達だからか。
「なあ、和眞。ここで、結界を解除したらどうなると思う?」
「へ?どうって男子が死ぬだろ」
「ああ、そうだな。…………消してみる?結界」
「あれでも勇者だぞ?」
「え、でもどちらにせよ勇者に魔王は倒せないから死んでもよくない?」
それを見ながら達也達は話している。そして、達也が爆弾──それもとてつもなくでかい爆弾を落とした。勇者に魔王は倒せない。今までの苦労やらゲームの設定やらをぶち壊す(そげぶ)事を言ったのだ。
「は?どういうことだよ、それ!?」
「勇者に魔王は倒せない。まあ、それだけだろ。それにさ、勇者なら魔王を倒せると誰が決めた?」
「じゃあ、この聖剣でもか?」
「ああ、もちろん。逆にそんなゴミに聖剣って付いてるのが不思議だわ。もちろん、裏を掻いて魔剣ならとか思ったかも知れないけど無理だぞ。それに…………」
達也はそういうとインベントリから【神聖剣・審判】と【神魔剣・混沌創世】を取り出した。
「これが聖剣だ。そんな半端なゴミとは違いすぎるだろ。そんで、こっちが魔剣。アンリちゃんとアザっちの一部を使ってるからヤバいぜ☆!って、どうした?顔色悪いぞ」
達也が聖剣と魔剣について話していると和眞達の顔が蒼白になっていた。
「そ、それ仕舞ってくれ。マジでキツい」
「?わかった」
達也が聖剣と魔剣を仕舞うと二人はすこしはましな顔になった。
【神聖剣・審判】と【神魔剣・混沌創世】。この二振りの剣はいくら勇者とはいえ普通の人間には扱えない。神聖剣は強すぎる力と神聖さによって、神魔剣は強すぎる魔の波動と邪悪さと力によって。それは直接触れていなくても死に至る事がある。そして、もう1つ。明確な意思は無いが従う相手を選ぶということだろう。
今回、二人が特に何も無かったのはひとえに達也が神聖剣と神魔剣を完璧に使っていたからだろう。




