第10話 女は怖い
「達也!てめぇ、生きてたのか!」
「んあ?当たり前だろ!まあ、普通に死にかけたけどな」
親友の感動の再会。この場面を見れば皆そう思うだろう。しかし、この裏では女の戦いが勃発していた。そう、勇者三女神vs聖女系変態婚約者王女の戦いが。
その内容を以下から簡単にお見せしよう。
柚葉(以下柚「それで、貴女は神崎君のなんなんですか?」
真奈(以下真「そうね、いきなり抱きついて匂いを嗅ぐなんてなんて羨ましい事を」
雪姫(以下雪「そうね。私達に説明してほしいかな」
エレーナ(以下エ「なんで私が貴女達に教えなければいけないのですか?まあ、教えてあげますけど、私はタツヤさんの婚約者です」
真「ふーん、そうなんだ。でも私もそうよ」
雪「私もそうだったわ。父さん達が決めてたもの」
柚「え、なんですかそれ。初耳です」
エ「そんなのはどうでもいいです。それよりタツヤさんから離れてくれませんか?」
真「それは君の方じゃない?いきなり出てきて婚約者とか言ってる事おかしいよ?それにさっき達也君は望んで貰ったわけではないと言っていたし。」
エ「そうだとしても、タツヤさんは渡しません!それに初めてをすぐにもらいますから!」
真・雪「え?達也君は初めてじゃないよ」
柚・エ「は?」
雪「もう、私達としてるものね?」
真「達也君が中二の時に雪姫の家でね」
雪「スゴかったわね。あれをもう一度………」
柚「エレーナって言いましたっけ?一時休戦といきませんか?ものすごい敵を見つけたので」
エ「はい、いいですよ。私も敵を見つけたので」
「達也、あっちであんな事言ってるけど本当にヤったのか?」
「………あれはヤったとは言わない。俺は襲われたんだ。あれはマジで怖かった。ところで和眞、俺の家に来いよ。ここの飯もう飽きたろ?それと赤城も来いよ。取り敢えずここから逃げたいから」
「同感だ。美乃はどうする?」
「私も行くわ。勿論、美味しいご飯をご馳走してくれるのよね?」
美乃のそんな言葉を聞くと達也はどこか芝居がかっているが、嫌みを感じさせない見事な所作で跪くと
「勿論です、姫。それではご案内いたします」
と一言告げ、異空間への扉を開き、二人を伴って中に入った。この際、三女神+1は一切気付いていなかった。
「んんーーー!!美味しいー」
黒竜のステーキを食べながら美乃が叫びだした。ここで美乃の容姿を言っておくと、顔面偏差値が超高い達也達の学校でも最上位の顔で、髪はミディアムのシースルーレイヤーで身長は158㎝で、スタイルも抜群である。一度通常達也(前髪を上げた学校以外での達也の事)、真奈、雪姫、和眞、美乃が一緒に出掛けた際はヤバイ程にスカウトされた。一度だけ、しつこいスカウトマンが居たのだが、キレた達也によってボコられ事務所ごと潰された。ちなみにその事務所は悪徳な詐欺業者だったため、達也達はとくにお咎めはなかった。
そして、そんな美乃だが、このステーキは五枚目である。実は食いしん坊キャラだった美乃。どこにそんなに入るのか教えて貰いたいものである。
まあ、達也も見た目から想像できないほどに食べるので恐らく同じ類いの人間だろう。
「それは良かった。
あ、セバスー!シ〇トーペ〇リュス1970取って!」
「お待たせしました」
「サンキュー。」
「まさかの高級ワイン………」
「モグモグ………そうね……モグモグ」
「スゲェ食ってんな美乃」
「だって、美味しいのよ?」
また、そんな時達也は超有名ワインを飲みはじめた。この場に唯一和眞だけが、染まっていなかった。




