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第9話 終わりのセr……ゲフンゲフン、先輩

「エレーナ、離れてくんない?スゲェめんどくさくなりそうなんだけど?」


 タツヤが自分に抱き付いているエレーナを見ながら一言言った。しかし、エレーナは嫌とばかりにさらに強く抱きつき、徐々にタツヤの服の中に手を入れていった。その上手さはまるで女子高生の制服をまさぐる中年痴漢親父の様で無駄に洗練されていた。

 まさに変態の一言である。

 そんなエレーナにタツヤはこういう女にはこれが一番とばかりにある事を言った。


「俺、離れてって言ったら離れてくれるような女が好きだなぁー」

「!?……離れましたよ!」


 そう、好きな女のタイプ製造作戦である。タツヤいわく、ヤンデレとかストーカーにはこういうことを言うと扱いやすいらしい。確かにエレーナの反応をみる限りそうだと言えるが、しかしそれは三女神には有効なのだろうか。


「つ、つつつ罪人は」

「なんか、どこぞのセラフみたいになってる!?

 落ち着いて!俺は大人しい娘の方が好きだから!」

「ミナミナミナ、皆殺し」

「完全に〇ちゃん!?」


 どうやら有効ではないらしい。しかも、知らぬ間にヤバイ事になっている。というより罪人って誰だ?エレーナでいいのか?だが、そうだとしても流石にこれはマズイだろう。タツヤはすぐに止めるべきだ。どこかの軍曹って響きが好きな娘の如く。


「ちょっ!?マジでやばいから!えーと、こういう時はどうすればいいんだ?えっと、たしかー、えいっ!?」


 割りとマジでテンパったタツヤは例の軍曹の娘がしたのと同じく真奈に抱きついた。


「フシューー」


 すると、特に暴れる事もなく、落ち着いた。

 いやぁ、良かった良かった。


「雪姫先輩、私達もやりますか?」

「そうね、真奈だけズルいものね」


 後ろのほうで不穏な会話がされているが。

 まあ、こんな事もあったが、数分後やっとまともにタツヤ達は再会するのだった。

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