第8話 先輩は怖い。
「あの、マジで怖いんだけど………。
それに真奈、基本適性風だったよね?なんか炎が見えるんだけど………紅蓮の〇女に覚醒した?」
タツヤは思わず、真奈に訊いてしまった。なぜ炎を使えるのかと。通常は基本属性魔法適性というものがあり、タツヤ達は勇者召喚された際に適性にあった基本魔法が解放された。この基本属性魔法適性は何をしようと一生変わることはなく、これは勇者も例外ではない。因みにタツヤは普通に召喚され、神皇に覚醒しなくとも全魔法に適性があった。
「ふふ、適性が増えたみたいなんだ。
それで、誰が誰の女なの?」
「え、適性って増えるの?ユグドラさん教えて」
『イレギュラー中のイレギュラーだお。確率は九千九百九十九無量大数九千九(ry分の一くらいです』
「イレギュラーぱないの!」
タツヤは真奈の答えを聞くと皆大好きユグドラシル先生に質問をした。先述の事を知っていながらも気になったからだ。
「それで?」
そんなタツヤに真奈が虚ろ目で再び問いかける。レイプされたわけでも無いのに何故そんな目をしているのだ。あれか?ヤンデレさんなのか?
「それでって………怖っ!?まさかのレイプ目!?つーか、言〇さんみたいな目すんなよ!?俺、死ぬの!?あの〇君と違ってまだ童貞(自分から誘うのは)なのに!?俺、家で殺されるのか!?その後頭切り取られて船に乗るのか!?」
「達也、お前すげぇよ。この状況でそんなネタをぶちこむなんて」
「うん、すごいね。クラスメイトを火だるまにして、紅蓮の〇女的な人に詰め寄られて、さらにその人含めた三人がヤンデレっぽくなってるもんね」
「ああ、でもあの三人は協定を結んでるからいいよ。まあ、地球だったら殺しあってただろうけど。それと美乃、あそこに姫様も入るんだぜ」
タツヤも思わず、その目を見て言ってしまった。だが、それ以上に即座にそのネタが出てくる事を尊敬する。和眞の言う通り、普通ならそんな事はできない。因みにだが、のこりの二人──雪姫と柚葉も似たような感じだ。
「どうなの?」
再び問いかける真奈。タツヤは思わずといった感じで一歩さがる。そして、その瞬間。
「タツヤさーん!」
ガシッ!
エレーナがタツヤに抱きついた。
その瞬間のタツヤの気持ちを表すとすれば「空気読んでね」この一言だ。
「クンクンクンクン」
そんな事をタツヤが考えているとは知らずエレーナはタツヤの匂いを嗅ぎまくる。
「「「ああああああああああああああっっ!!!!!!」」」
その瞬間、三女神が絶叫した。




