第7話 再会と断罪4
キャラ崩壊☆
「あ、でもちょい待ち。魔法も使うからついでに、
次元魔導俺式《〇石の面〇体》」
タツヤは1つだけ魔導を使用した。
魔導の効果は部位欠損はしないが火傷等は負い、死なないかわりに死ぬほどの痛みを受け続けるというものだ。
「さあ、今度こそ始めよう!
まあ、一方的にだけど。《黒焔蛇乱舞》」
タツヤは早速魔導を使用した。
すると、タツヤの左右に魔導陣が出現し、そこから全長120㎝程の黒焔でできた蛇が出現しタツヤの足元に傅いた。
「やれ」
タツヤの一言で黒焔蛇はタツヤの事を攻撃していた者を中心に襲いかかった。和眞達には一切攻撃はしていない。
「グァアア!!」
「な、なんぎゃあああ!!!??」
蛇が勇者達(一部を除く)に巻き付き、噛み付き、そして口からブレスを吐くと周囲にはお肉の焼ける臭いが充満し、勇者達(一部を除く)の絶叫が響いた。実際なら黒焔蛇に近付かれれば一瞬で灰すら残らずに燃え尽くされるのだが、最初の魔導の効果でそうはならない。痛みはそのままだが。
「さて、お次は特別コーナー『加島と我妻君に同じ事を!』です。と、その前に《物理障壁》発動」
タツヤはそう口にすると、二人の元へ歩いていき思い切り蹴飛ばした。二人はそのまま第三宇宙速度でどこかへ・・・なんて事にはならずに、障壁にぶつかり、落ちてきた。それを見たタツヤは満足そうに頷くと「全抑制魔導2/3解除」と呟いた。
全抑制魔導──それはタツヤが自身の身体能力を低下させるために常時使用している魔導だ。自身にのみ重力を数兆倍掛けたり、風で自らに圧力を掛けまくったりしている。因みに今まで一度も完全解除はしていない。最後に部分解除したのは愚者の深淵最下層でのみだ。
そして、今回解除した理由だが、それは魔導によって相手が簡単に死なないからである。だが、それでも2/3しか解除できない。まあ、その状態でも軽く数百個の世界は消し飛ばせるが。
「あとあと、一応雰囲気を出すためにオーラ解放!」
タツヤは加島と我妻に近付きながら今度はオーラを解放した。すると、タツヤが金と赤と黒の雷の様にスパークしたオーラを纏った。まるで、超野菜人2みたいだ。このオーラはその者の魔力の色のようなものであり、その色はまさに千差万別であり、一色しか持ち得ない(イメージは某禁呪を詠唱するラノベの近接戦の人達のあれ)。しかし、これは可視化するほどの魔力量と、純度を持っていなければならない。もちろんこのオーラは人類でも出せる。まあ、勇者などに限られるが。
オーラは魔力制御によって解放したりすることができるが感情の高まりによって、無意識に漏れ出てしまうこともある。
また、オーラと属性魔力の色は別であることを追記しておく。
先程、オーラは一色と述べたが、タツヤの場合は主に神格の関係でこの様に三色になってしまっている。色の内訳は【全能神】が金、【魔導神】が赤、【絶対神】が黒だ。
「さて、勇者(笑)の加島と我妻君?
そろそろ俺が誰だかわかったかなぁ?」
タツヤは地面に転がっている加島達の前に立つと優しい声(本人のみ)で問いかけた。加島達は、下からタツヤを睨み付けている。
「知らねぇよ!」
「あ、そう。まだ、わからないか。
それにしてもその口の聞き方はなんだよ?てめぇ、自分の立場わかってんの?」『ゴスッ!バキィ』
「ぎゃあ!?」
「お前が、俺に喧嘩売ったせいで、他の奴等は苦しんでるんだよ?それと、それを俺のせいにするなよ?さっきの事以前に俺にいろいろしてるんだからな?」
「な、なんの事だ!」
「わからないか?さっきから俺はお前らにヒントを与えてるんだけどな?さんざん、日本の事を言って。
それにお前らは今俺を下から見てるのにわからないと」
「だから、なんの」『ドカッ』
「うごぉっ!?」
タツヤは加島と我妻と話をした。
その中で、さんざんヒントを出しているのにも関わらずわからない二人に対してタツヤはだんだんと苛立ってきた。
そして、フードを取る事を決めた。
そして────
◇◇◇◇◇
時は少し前、タツヤに勇者達が攻撃を仕掛けた頃に、遡る。
「何だと!よし、やるぞ!お前ら!」
「ーーーーーーー《雷弾》!」
「ーーーーーーー《水弾》!」
「うおおおお!剣技《円月》!」
「槍技《乱れ付き》!」
「面倒だな。
分かりやすくコイツらに俺が誰かわかるようなヒントを出すか。
えっとー、《雲散霧消》。
あとは俺式《術〇解散》」
「なんか、あのフードの奴、達也みたいだな」
「うん、確かに」
フード(タツヤ)の反撃を見て和眞が呟いた。
それを聞いた隣に居た女子──和眞の彼女である赤城美乃が和眞の言葉に同意する。
「つーか、その前に異世界人確定だよな?」
「うん、和眞君もそう思うよね?まさか、異世界に劣等生はないものね?」
「いや、当たり前だろ」
「そうよね?」
「あの?」
二人がそんな事を話していると女子が話しかけてきた。他にも二人に何か聞きたそうにしている者が複数いる。
「どうした?」
「なんで、異世界人って分かったのかなぁ?と思って」
「ああ、それ?アニメとか見たことない?」
「うん。」
「そうか、皆もそう?」
コクコク
和眞が女子1──鵜沢奈々に聞かれた事について他の女子にも訊くと全員が首を縦に振った。和眞はそれを見ると、美乃と共に皆の質問に答え続けるのだった。
「そうか。それじゃ、説明するけど、あのフードが使ったって地球のアニメの技なんだよ」
「そうなんですか。それで、なんで神崎君だとおもったんですか?」
「それはなんかあのフードのやってることが達也と被るんだよ。アニメの技をやってみる所とか」
「神崎君って、意外とアニメとか好きだったもんね」
「そうそう。しかも真似するだけなら厨二病で済むけど実際に成功させるからたちが悪い」
「あの、それ初耳なんですけど」
「そりゃ、達也がそうだったなんて知らないだろうな。
というより、達也の事を詳しく知ってるのって俺と真奈さんと忍野先輩くらいじゃないか?」
「そうなの?美乃ちゃんも良く知ってそうだけど」
「私は和眞に連れられて神崎君の家に行った事があるだけよ」
「へー。それで神崎君の事については教えてくれないの?」
「うーん?別にいいけど学校でのイメージとはかなり違うぞ?」
「うんうん」
「それでいいなら言うが。
取り敢えず、言葉にするのも不粋なくらいにイケメンって、これは女子内だけで彼奴の素顔写真が出回ってたから知ってるか。
実家は古流武術をやってて、彼奴は親父さんより強かったな。それでその関係で結構傷が多いな。
あとは剣道とかの大会に出れば絶対に優勝するだろうってところか」
「えっ?初耳すぎるよ。それにそんな、家があれば皆知ってると思うよ?」
「まあ、知らないだろうな。彼奴の家はかなり遠いし。」
「それなら何で佐藤達にやり返さなかったの?強いんだよね?」
「まあ、あの程度なら俺でも五分かからないから瞬殺できただろうな。それとやり返さない理由は聞いたところによると殺すかもしれないからだそうだぞ」
「そ、そうなんだぁ。ところで神崎君の御父さんって有名だったりするの?」
「一部では有名だな。
たまに雑誌にも出てたし。」
「そうなんだ。なんて名前なの?」
「神崎厳己って人「え?あの《武神》!?」………なんで知ってんだよ」
「武神ってなに?」
「武神っていうのはね、神崎厳己様の二つ名みたいな奴だよ。
何回か【月刊格闘魂!!】っていう大手の格闘技系の雑誌で取り上げられていたんだよ。最初が古武術特集で各国の古流武術家に取材した時に名前が上がって、取り上げられたんだー。それでその次がU〇Cからゲストで呼ばれてエキシビションマッチをやって、瞬殺したっていう記事だったよ」
「そんで、そっから付いたのが《武神》だ。それにしてもあのフード、やってる事がまんま達也だな。一回九州であったぞ、こんな事」
和眞がそう言って皆がフードの方を見た瞬間そのフードはフードを取った。
「いや、達也じゃん」
その時、和眞は思わず言ってしまった。
◇◇◇◇◇
「ふう、これでわかるか?」
タツヤはフードを取ると、足元の二人を見ながら言った。
そして、二人はタツヤを見たが、どうやらわからなかった様で
「誰?」
と言った。
「なんだよ!まだ、わからねぇの?
『現〇し私〇だあれ?』ってか?ふざけんなよ、マジで!
まあ、『選ばれし神の王ですよ♪』って答えるけどな!」
「誰なんだよ!?」
「お前、この状況でまだ、言うか。
まあ、答えてやるよ、いい加減飽きたからな」
タツヤはそう言うと眼鏡を外して勇者達全員を見て、
「いつもニコニコ 君らの嫉妬に 這い寄る神皇 神崎達也です!
さあ、分かったか?男子勇者共?君らが嫉妬に狂い愚者の深淵で殺害してと思っていた神崎君でぇーす!
どんな気持ち?ねえ、どんな気持ち?『ヤッター、彼奴死んだぜぇ!これで、三女神とイチャイチャできる!マジあの根暗キモいんだよ!』とか思ってたのに死んだはずの奴が生きてたのって?
お、和眞!ちょっと記憶借りんぞ?ほれ、《記憶共有》。
どうどう?雑魚の根暗の雑魚だと思ってた奴が実は世界トップクラスの実力者だったのって?お前らの中で最強だと思ってた和眞が片手で捻られてるのって?それを知ってどんな気持ち?殺されなくてよかったと思った?
あー、もうめんどくさい!キャラ作りめんどいわ!普通にいくか。
んで、どう?実を言うとさ、俺は別にお前らに仕返しをしようとか考えてなかったんだよ。でもな?意外とお前らに対するストレスって溜まってたみたいでさ、殺したくなってきてんだよ?それに、加島と我妻。自分から望んで貰った訳ではないとはいえ、俺の女に手を出されたせいでさらにイライラしてるんだよ。
知ってるか?神って意外と独占欲が強いんだぜ?それをk「誰が、誰の女なんだい?達也君?」あ、真奈。ひさs………ちょ、後ろに某赤髪皇女魔導騎士並みのドラゴンが見えるんだけど!?」
自己紹介その他をしたが、その途中で懐かしい声が聞こえた。
タツヤがその声のした方へ顔を向けるとそこには三女神がいた。




