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第23話 大侵攻?いえ、戦争です1

「な、何事だ!?」


ディートヘルムが言う。何事だ!って、そんなの知るかよとタツヤは思いながらも呟く。


「あ、これメンドイパターンのヤツだわ」


タツヤの読んでいたラノベではこの様な時に起こる事は大体がモンスターの襲撃だった。タツヤは《超越神眼【千里眼】》で周囲を確認した。それで見えたのはタツヤの予想通りの物だった。何処まで見てもモンスターだらけだった。

タツヤの知るラノベなどならそんな時は主人公が活躍するのだが、生憎とここにはそんな者はいない。いや、強いて言えばそんな主人公すらも小指で捻り潰す男がいるのだが、その男は


「助けてー、勇者様ぁ(棒」


勇者でも呼べばいいんじゃないかなぁ、と思っていた。完全に自分でやる気は無いようだ。まあ、おそらく勇者を呼んでも相当の犠牲が出ることだろう。まだ、勇者もそこまでの力を持っていないのだ。真の愚者の深淵にでもぶちこんだら直ぐに強くなると思うが、その前に瞬殺されるだろう。


「一体、何が?」

「陛下っ!?大変です!この王都に向かってモンスターの軍勢が向かって来ています!!その中にはXやXXレートのモンスターも含まれている様です!到着は凡そ19の時と思われます!」


皆が疑問に思っている時、そこそこの地位を持つと思われる兵士が駆け込んできた。その兵士は現在起こっている事を部屋の中に居た者達に伝えた。


ビービー


その時、音が鳴った。


「んあ?何だ?……ギルドカードがなってんのか……何か書いてあるな。えーと、何々?

『緊急強制依頼発令。詳しくは下記を読むこと

【《緊急強制依頼》

アドル王国王都リヒテンシュタットにモンスターの軍勢が侵攻中である。依頼内容は王都の防衛及び、モンスターの殲滅又は撃退。Dランク以上の冒険者は強制参加。一部の高位冒険者には個別に依頼を出すため、此方では受けないように。

報酬は参加で金貨一枚、終了後に金貨三枚、他に自分の倒したモンスターの素材。】』

なんだよ、この機能。俺知らねえぞこんなの。しかも連絡機能で冒険者同士で連絡先交換可能とか………あの糞支部長、俺に友達出来ねえと思って教えてなかったな?ん?まだ連絡があるな。

『【《緊急依頼》

アドル王国王都リヒテンシュタットに侵攻するモンスターの軍勢の殲滅または撃退。これは貴方の戦力が必要です。どうかお力をお貸し下さい。

依頼者…アドル王国冒険者ギルド本部

対象……XXXランク冒険者タツヤ・カンザキ

報酬……前金、白金貨五枚、終了後宝石貨二枚、モンスターの素材、特別ランク[王冠(クラウン)]の制定及び就任】』」


(ふむ、要らんな。金は腐るほどあるし、モンスターの素材もこんな下級は要らないな。というよりも特別ランク!完全にF〇teネタだろ!クラウンとか付ければいいとか思ってんじゃねぇぞ!それにこっちに魔術はねえよ!魔法だけだよ!それに二世の方もいねぇよ!あれか!?もしかして俺に絶〇領域〇ジシ〇ン先生になれと?教えてもらった覚えねぇよ!それに俺が好きなキャラは征服王だよ!)


それはギルドカードのある機能の音だったが、タツヤは説明されていなかった。そして、その機能─連絡機能の内容を見たタツヤの心はかなり荒れた。ネタがあったからである。しかし、それに突っ込んで好きなキャラまで言うタツヤも相当だと思うのだが。しかし、このままだとタツヤがその内眷属を使って「王の〇勢!」とかやりそうで怖いが今は気にしない事にする。


「タツヤ、どうした?」

「うるせぇ、糞王、黙ってろ」

「ぐすん、タツヤが酷い!シリ、慰めて」

「はいはい、それとタツヤ君、やるんだったらもっと徹底的にやらないと駄目よ」

「はっ!了解しました!」

「エルドー!シリも苛める!!」

「父上、黙って対策を考えやがれです」

「エルドまでっ!?エレーナなら」

「お父様、タツヤさんの匂いを堪能できないので近くに寄らないでください」

「哭くよ!?そうだ、ヒースなら」

「団長、早く対策を考えましょう。あ、それと陛下、さっさと考えてください。さっきから煩いですよ」

「ヒースまでなのか!?グレン(団長)なら!」

「陛下、私も同じく対策を考えてもらいたいです」

「うわぁぁん!」

「うるせえな!黙ってろハゲ!いや、禿げてはいないから髪の毛抜くぞボケ!さっさとやることやれや!それともあれか?かまってもらえないと何もできねぇのか?でも、残念だな、誰も糞王には構ってる暇無いらしいぞ?」

「ぐすん」

「タツヤ君、いい調子よ」


タツヤが内心で突っ込んでいるとディートヘルムが話しかけた。しかし、タツヤは暴言を吐いた。そして、それを慰めてもらおうとしたディートヘルムだったが、全員に同じ様な事を言われてしまった。だが、王妃よ、それで良いのか………夫だぞ?いや、それよりもさりげなく変態発言した人が居たのだが………何を……あ、うん、スゴい所に、いるね?それよりもあの娘、五感強化の魔法使ってない?あ、何かスゴい恍惚とした表情浮かべてるよ。しかもタツヤは無視なのか………大丈夫か?この状況。モンスターが押し寄せて来てるんだが………それは無視か?無視なのか?

モンスターが可哀想になってくる今日この頃である。



◇◇◇◇◇


「はっ!?何故か殺気がもれて……」

「篠崎さん、貴女も?」

「二人共もか」

「いえ、私もです」


とある国のとある王城のとある姫の私室で、四人の少女達は無意識に殺気を放っていた。


◇◇◇◇◇






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