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第21話 アドル王国最強部隊『白狼騎士団』

王妃…

「父上、我々は貴方を忘れません」

「陛下、後の事はエルド殿下と我々に任せて安らかにお眠りください」

「アナタ、後は任せて」

「お父様、今までありがとうございました。どうか安らかに」


「ねぇ!俺死んでないよ!何なの!みんな俺を殺したいの!?」


 ディートヘルムがタツヤにしばかれた後、部屋に入って来たエルド達がディートヘルムの亡骸(死んでない)を見て言った。タツヤは端で葬式の準備をしていた。


「やっぱり、霊柩車とお坊さんは必要だよな?どうする、創るか?いや、でも教会の方がいいのか?そうするとキリストでも連れて来たほうが…………でもそうすると仏陀も付いてくるかもしれないし………」


「おーい!タツヤーーー!コイツらに死んでないって言ってくれ!」


「おー、もうどうしよう!いっその事棄てるか」


「無視か!それよりお前何言ってるか分からねぇけど、酷い事言ってるだろ!」


 まあ、準備といってもブツブツ独り言を言いながら、段取りを決めているだけなのだが。その間、ディートヘルムはもちろん無視である。それにしても宰相達のノリが良すぎる気がする。

 まあ、理由としては


 エルド…………胃痛の原因が無くなる。

 宰相……………胃痛の原因が無くなる。

 王妃……………娘が幸せになったから。後、面白そうだから。

 エレーナ……タツヤと結婚できるから。


 となる。苦労人が二人いるが気にしてはいけない。いけないったらいけないのだ。それとタツヤは何か薬を作って二人に渡すべきだ。



「陛下!只今戻りました!………っ、陛下!どうされました!その怪我一体何が!?と、それよりも回復を!

 ヒーラー!ヒィィラァァァァァァ!!!!」

「落ち着いてください、団長!貴方が一番回復魔法を使えます!」

「そ、そうだった!『我、願う 無垢なる力を以て この者に癒しを与えたまえ 《上位回復(ハイ・ヒール)》 』ゥウウウ!!!」

「────え?」

「う、嘘だろ!回復が効いていない!やはり、俺はダメなのか!?」

「団長、落ち着いてください。詠唱が間違ってます。それに陛下は回復力が強化されているのでこの程度の怪我(全身複雑骨折)では死にません」

「そうか、なら安心だな!」


 そうこうしていると部屋に何か暑苦しいおっさんとメガネの男が入って来た。おっさんはディートヘルムを見ると叫びながら回復魔法を使いはじめた。まあ、詠唱が間違っていたのだが。それにそてもメガネくん、君少し国王に対して酷くないかい?


 タツヤはそんな二人を見るとエレーナに説明を求めた。


「なあ、エレーナ、あいつら誰よ?」


 耳元で囁いて。そして、それをされたエレーナは


「ふぇ……///」


 顔を真っ赤にした。王妃はニヤニヤしていた。

 エレーナはそのままフリーズしてしまったため、タツヤはエルドに説明を求めた。


「『ar alzz@ pjdt*§′@ΦΣΜΦεёпм трэщ §Φм§Σ?』」


 龍言語で。ちなみにタツヤは龍言語の他に、竜言語、古代竜言語、古代龍言語、古代語、エルフ語、古代エルフ語、古代獣言語、精霊言語、聖霊言語、神言語等を話せる。バイ〇ン〇ールも真っ青だ。

 そして、もちろん龍言語を話せないし、理解も出来ないエルドは


「なんて言ってるか分からないよ、タツヤ」


 と返した。

 だが、ここで予想外の事態が起こった。


「『Φрр @Μэтп* ΦΦΦрпΦ§Σэё ёёεр УМЗИЩШ чщщч ьрсых йежзйд┌э шючр мпЮХ』」

「は、母上!?」


 そう、王妃が龍言語でタツヤの問いに答えたのだ。なぜ、王妃が龍言語を話せるのか、それは王妃の種族に関係する。王妃の種族それは──古代龍人族エンシェントドラゴニュートと呼ばれる竜人の上位種族龍人のさらに上位の龍人系第二位の種族だった。


 そして、王妃によってもたらされた二人の情報によると彼らは王国最強部隊『白狼騎士団』らしい。そして、その団長はXランク冒険者相当の強さだと言う事だった。


「へえ、アレがねぇ」


 タツヤは呟くと楽しげな目で団長に目線を向けた。



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