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第7話 国王との邂逅

 コンコン


「失礼します。大丈夫ですか?」


 タツヤは馬車の扉をノックすると開け、中を覗いた。馬車の中には金髪碧眼の男と15、6歳くらいの少女、そして、


「しっ!」

「おわっ!あぶねぇな」


 短剣をもった茶髪のメイドがいた。タツヤはメイドの攻撃を避けながら男に話しかけた。


「しっ!」

「こんばんは。外の奴等は殺っときましたよ」

「しっ!」

「そ、そうか。ありがとう助かった」


 男はタツヤに頭を下げた。しかし、それを見たメイドはタツヤにさらに攻撃を繰り出した。


「陛下に頭を下げさせるなど!しっ!せい!えい!」

「いえいえ。一応自己紹介しておきます。タツヤ・カンザキといいます」

「しっ!せい!えい!えい!えい!てーい!」

「俺はディートヘルム・ヴァレン・エンベルガー・ロード・アドルだ。こっちは娘の…」

「エレーナ・ヴァレン・フォン・エンベルガーです///」

「しっ!せい!えい!」

「ところで国王陛下?このメイドはどうすれば良いでしょうか?」

「ああ、おい!サーシャ止めろ!」

「し、しかし!」

「止めろと言っている」

「………分かりました」


 ディートヘルムが言うとメイド――サーシャはタツヤに対する攻撃はやめた。しかし、タツヤを見る目は厳しかった。恐らくだがサーシャの中ではタツヤは国王に頭を下げさせた愚かな者という事になっているのだろう。それにしてもエレーナが先程からタツヤを熱い眼差しで見ているのだがタツヤは気付いていない。鈍いのだろうか?


「済まないな。それと敬語は使わないでいいぞ」

「そうか、助かる。それより姫?俺の顔に何か付いてるか?」

「い、いえ///」


 結論─タツヤは鈍い。


「それより、外の騎士はどうする?生きてる奴も多いぞ。それに夜営の準備をしなければいけないし」


 タツヤは国王に問い掛けた。国王はそれを聞くとタツヤに逆に問い掛けた。


「タツヤはどうするつもりだったんだ?」

「ん、俺か?俺は家に帰るつもりだったぞ」

「ああ、そうだな。ってそうじゃなくて夜営はどうするつもりだって訊いたんだ」

「いや、だから家に帰るんだって。あ、分からねぇか。そうだな、実際に見せるから外に来てくれ」

「分かった」

「陛下!危険です!そんな素性も知れぬ者に着いて行くなど!」


 タツヤはディートヘルムの質問に答えると、分かっていなそうなディートヘルムに説明するため外に出てもらう事のした。しかし、メイドのサーシャはタツヤを貶しながら国王を止めるのだった。




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