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第6話 さあ、テンプレを探そうか!………ごめん、マジで有ったわ。

「支部長」

「何だよ」

「俺、出ていくから」


 タツヤは冒険者ギルドの支部長室に来ると、トーマスにそう言い放った。タツヤが城壁都市ベルガンシュタットに滞在して4日目の事だ。その間タツヤは一度もギルドの依頼を受けていない。やっていた事といえば使う予定も無いのにパーティー用の服を作ったり、執事的な奴が欲しいと言って創造召喚(想像した生物を創造して召喚する)したりしていただけだ。


「あー、うん。良いんじゃない?」

「ああ、じゃあもう行くわ。いろいろありがとな」


 トーマスはタツヤを引き留めたりする事もなく、普通に返事をした。特にトーマスの許可が必要なわけでもないし、止められても普通に行くつもりだったが。

 タツヤは礼を言うと支部長室から出ていった。


「あ、それとドラゴンは出すなよー」

「分かってるよ」


 









 3日後



 〓街道の???〓


「グヘ、獲物だぁ!」

「落ち着け!アホが!

 良いか、テメェら!この依頼を完遂すれば大金が手に入る!やるぞ!」

「「「「オオオオオオオッ!!!」」」」


 やはり、コイツらは良い!コイツらとならどんな事でもできるぜ!



 しかし、彼らは依頼を受けた事を後悔する事となる。そして、彼らは消える事となる。ある一柱の神によって。






 タツヤは街道を神楽に乗って歩いていた。今まですれ違った者は皆タツヤの姿を見ると一度立ち止まったりしていた。それも当然と言えるだろう。漆黒の装いを纏った人外の美貌の男に、美しく洗練された馬具を纏った漆黒の馬。そんな者が街道に居たら思わず見てしまうだろう。……それだけではなくタツヤの頭に乗っている十六夜のせいでもある気もするが。



「テンプレって有るのか?」


 タツヤは一人アホな事を言っていた。時刻は午後4時。普通なら夜営の準備をしているような時間だがタツヤはか神楽に乗り道を歩いていた。



 キィンキィン

「やああ!」

「アフンっ!」

 キィンキィン

「グヘヘヘヘ!」

「ぐわぁ!」


「うわぁ、テンプレな予感……」


 タツヤが歩いていると剣戟の音が聞こえてきた。それを聞いたタツヤは思わず嫌そうな声で呟いた。さっきテンプレがどうとか言っていたくせに随分と身勝手な言い分である。しかし、実際に自分がテンプレに遭遇したらどうだろうか?メンドクサイ事極まりないだろう。


「あーあ、騎士的な奴等押されてるよ。

 お、あの馬車結構丈夫だな。えーと、あの紋章はなんだっけ?………あ、そうだ。確か、アドル王国の奴だ。って事は王族か?」


 キィン!

「ぐぁ!」


 タツヤが遠くから観察していると遂に騎士が殺された。さらに一人、さらに一人と騎士達がどんどん倒されていく。


「一応助けるか」


 タツヤは呟くと神楽を走らせて馬車の元に向かった。


 パカラッパカラッパカラッパカラッ


「なんd『ザシュ』」

「人を殺しても何も感じないか……悪人相手だからか?」

「なんだ、テメェ!」

「うるせぇよ」


 タツヤは騎士を襲っている男の首をはねると神楽に命令を出した。

 そして、一柱の美しき神による蹂躙が始まった。


「何だよてめぇは!」

「死にさらせぇ!」


 タツヤは納刀した皇華に雷の魔力を流すと、


「神崎鏖滅流抜刀術 雷丸(いかづちまる)


 抜刀し、周囲の敵の首を落とし、雷で焼いた。それによりタツヤの周囲360度の敵は全滅した。


「ヒヒーン!」


 その頃神楽も魔法を放ち、足蹴にし頭を陥没させ敵を殺していた。


 そして、敵の残りは一人。リーダー格と思われる者だけになった。タツヤはその男に近付くと皇華を首筋にあてると尋問を開始した。


「名前は?」

「く、クラップ」

「襲った相手は?」

「アドル王国国王と第二王女」

「何故襲った?お前達にそいつらが何かしたか?」

「い、依頼を受けたんだ!」

「依頼?誰からだ」

「白いローブを着た奴だ」

「もっと詳しく言え」

「か、顔はわからなかった。ほ、本当だ、信じてくれ!だ、だけどそいつが小声で『ソゲル公爵』って言っていた!」

「なぜ、ここを国王が通ることを知っていた?」

「そ、そいつが、白ローブが言っていたんだ!」

「他には?」

「い、いや知らねぇ!な、なあ?もう良いだろ?助けてくれよ?」

「ん、そうだな」

「あ、ありがてぇ」

「まあ、取り敢えず縛るけどね」


タツヤはロープを取り出すと男を縛り上げた。そして、タツヤは馬車に近付くと扉をあけるのだった。






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[気になる点] 「さあ、テンプレを探そうか」 テンプレ以外になにか起こってましたっけ?
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