第5話 技神の神皇を超えた鍛冶の超越神
タツヤの武器がさらに………
これはタツヤが城壁都市に来て、支部長達が会議をしている時に起こった話。
神皇となった一柱の技神の師匠だった一柱の鍛冶神と今代の神皇となったタツヤの話。
タツヤの装備がさらにチートとなったときの話。
〓アースル神界〓
「あれじゃ、ダメだな。技術に装備が合っていない。やはり、鍛冶の才能は他より劣っていたようだな。
あの時の俺じゃ無理だったかも知れんが今なら………鍛冶の超越神となった今なら。
それに少なくとも鍛冶の腕は奴よりも10倍あるからな。
よし、向かうとするか。神界で一番と呼ばれる刀鍛冶の腕を見せてやる」
無精髭を生やした長髪の男はそう言うとその場からさっていった。
その頃タツヤも
「何か、違う」
刀に違和感を感じていた。
「おーす。元気か?って刀見つめてどうした?」
すると先程まで神界にいたはずの男がタツヤの前に表れた。因みに現在タツヤがいるのはこの都市の最高級宿の最上階だ。
「あ?誰だよ」
「俺か?俺は鍛冶の超越神やってる轟って者だ。宜しく頼むぞ神皇殿」
タツヤが誰何すると男は轟と名乗った。そして超越神とも。
「ん?超越神って普通一柱だけじゃねぇの?」
「超越神は各神に一柱いるぞ?先代の神皇は技術の神の超越神だっただけで。俺は鍛冶の超越神に3年前になったんだ。
あ、何で魔王を俺達が殺らないのか気になったな?それはな、超越神にも内部順位ってのがあって、強さで変わるんだよ。んで、先代の神皇は一位だったわけよ、武神を差し置いて。なんだけど、魔王は超越神の中でも最強に近かったわけだ。しかも全然ダメージ入らなかったんだよ。だから魔王に俺達は攻撃しないわけだ。まあ、出来ないだけなんだけどな」
「分かった。それで結局その鍛冶の超越神様が何で此処にいんだよ」
タツヤの問いに答えた轟にタツヤは一番気になっていた事を訊ねた。
「その刀はナマクラだから造り直させてくれ」
そして轟は衝撃的な事を言った。
神皇となった超越神の造った刀がナマクラ。そう言ったのだ。普通なら轟に対して怒りをあらわにするところだっただろう。しかしタツヤはそれを咎めるような事をせずただ、
「そうか」
と呟いただけだった。
タツヤも言われるまでもなく気付いていたのだ。この刀はナマクラ……贋作にも劣ると。確かに切れ味や鋭さはあったが何処か今までの刀とは違うと思っていた。
タツヤは思っていた事を轟に伝えた。それを聞いた轟は少し笑うと話を始めた。
「まあ、そう言ってやらんでくれ。アイツの最高傑作なんだから。
でも、まあ確かに言うとおりだ。
そこでだ。俺に造り直させてくれないか?自分で言うのもあれだが刀鍛冶としては何処にも敵う者は居ないと思う。
頼む」
轟はタツヤに頭を下げて頼んだ。タツヤはそれを見て、1つ条件を付けて頼むことにした。
「1つだけ条件があっても良いならだ」
「何だ?」
「絶対に最高の刀を打ってくれ。後は刃渡りを同じくらいで反りもこれくらいの奴を。その為なら協力は惜しまない。素材もな。時間は加速させるから大丈夫だろ?」
「ああ、ありがとう!必ず打つ」
轟はタツヤの条件を飲んだ。そして、タツヤに素材を発注するのだった。
「じゃあ、取り敢えず素材を頼んでいいか?」
「いいぞ。何がいる?」
「先ずは天神龍鉱石と夢幻鉱石と天神夢幻龍鉱石、それとアダマンタイト、ミスリル、オリハルコン、日緋色金。それと、神結晶と血。後は俺の持ってる材料でいいか。それと皇仙も頼む」
「まあ、いいが、神結晶って何だよ」
「知らんのか?神力を圧縮した神にしか扱えない物だよ」
「血は?」
「融合させたり、後はルーンを彫ったりだな。飾りだけど」
「じゃあ、いらんな」
「冗談だよ!ちゃんと使うから!ルーンも彫ったりするけどちゃんと使うから!最高の刀打てなくなるから!」
「分かったから落ち着け!取り敢えず全部あるからどうすればいい?」
「俺の鍛冶場に持ってこい。あとそこで火を頼むわ。神皇の焔を使った方がいいからな」
「分かった」
素材を持ったタツヤは轟と共に神界の鍛冶場に向かった。
そして、轟は刀を打ち始めるべく準備を始めた。タツヤも工房に時魔法で時間を加速させた。
製作過程は割愛する。
内部時間で数年後、外で凡そ一時間後、遂にタツヤの新たな刀が完成した。
時間が掛かった理由は研ぎに時間が掛かった為だ。因みにタツヤは制作中は宿で昼寝をしていた。
まあ、兎に角色々あってタツヤは序盤にして、再びクライマックス装備を手に入れたのだった。戦闘服はそのままだと追記しておく。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
天神幻刀・皇華
天神夢刀・皇仙とその他の素材を使い、神皇の焔を使用、神界一の刀鍛冶によって造られた刀。刃渡りは、82㎝。皇仙と同じく反りが浅く、太刀とは言えない。皇仙と同じくルーンが彫られているが皇華は魔力伝導をさらに上げる役割を果たしている。
余談だが、素材には、ダーインスレイヴや、エクスカリバー、デュランダルにフラガラッハ等も使用されている。属性付与はされていない。使用された理由は轟いわく『タツヤからは同類の臭いがする。それにロマンだから』との事。───────────────────────────────────────以下略───────────────────────────────────────────────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□




