第52話ꙩ圧勝?
遅れてすいません!
レインボーシックスが面白いのがいけないんです!
戦略魔法《煉獄王ノ槍》。
タツヤが開発した魔法である。が、その実態は火属性魔導《火矢》の超劣化下位互換である。
しかし、それでも強い。さらにこれに似た魔法が各属性分あるというのだから、他国からしたら悪夢以外のなにものでもない。
さて、火というのは人類にとって大きな存在である。火は人類に様々な恩恵を与えたが時として人類に災いをもたらす。
その災いが皇国の兵士たちを襲った。
肉の焼ける匂いがする。
屈強な男たちの悲鳴と断末魔がきこえる。
見上げれば蒼穹に魔法陣が浮かび、そこから炎の槍が何本も落ちてくる。それは落ちるたびに地を揺らし、命を奪い、焼き尽くす。
セフィロダアト神皇国軍の兵士たちはそれを見て言葉を発さない。いや、発せない。ただ、産まれたての子鹿のように体を震わせるだけだ。
彼らの心の声を聞いたならすべての者がこう言っていることだろう。──理解できない、なんなのだこれは。と。
それほどまでに、この光景はおかしかった。
数分後。
遂に魔法陣が消え、同時に地を焼いていた炎も消えた。
《煉獄王ノ槍》で既に皇国軍は壊滅している。
しかし、そうであったとしても、喧嘩を売ってきた相手に容赦をするような人間では無いのだ、タツヤは。
「突撃しろ。対象は皇国軍。地位の高そうなやつは四肢を引き千切って連れて来い」
タツヤは各指揮官へと命令する。
その命令は容赦などなくただただ相手を絶望させることだけを考えていた。
「さて、と。次に移ろう」
タツヤは椅子に座り込むと周囲に戦場の様子を映しながらエルドへと声を掛ける。
「次?」
「ああ。次は都市攻めだ。
あの要塞に居るのは兵とそれを相手にしている商人のみ。そんなもんはどうでもいいからな。エルータス要塞の後方の都市【エルクス】を攻める」
タツヤは次に行うことを口にする。
「と言ってもやるのは明日だ。
まあ、先に予定を言っとく。上空に暴龍を展開、周囲に魔導機兵及び各部隊をさらに後方に各艦を配置だ」
「了解。僕はどうすればいい?」
「ん?殺りたきゃ殺ってもいいぞ?
ソイツを使いたいんなら」
タツヤはそう言ってエルドの腰にある剣を見る。
神剣【血に酔いし英雄の剣】。彼の有名な魔剣を基としタツヤが作り直した剣である。もちろん、バッドステータスは受けないようになっている。
「いや、やらないけどさ。一応僕も指揮官であるわけだし」
「じゃあ、ドラゴンに乗って凸するか?」
「あ、いいや。けど、ドラゴンは今度乗せてもらうね」
「OK。適当にどっかから連れてくるわ」
二人は和気藹々と話しているが、一方の戦場では未だかつて無いほどの蹂躙が行われていた。
全くといって良いほどに傷が付かず、味方を簡単に切り刻んで行く神皇国軍を皇国の兵たちはどう思い、なにを考えるのだろうか。
自分たちを死地へと送り出す原因を作ったヤリーチンを恨んでいるのだろうか。
しかし、そんな思考もすぐに終わってしまうだろう。
二時間後
「で、結局仕留めたのはコイツだけか?シークエン大将軍?」
タツヤは目の前に転がされている達磨を一瞥すると目の前で跪いているエミリア・フォン・シークエンへと問い掛けた。まだ若く美しい彼女の顔や鎧には傷や土が付いているため、それなりに戦闘があったことが伺える。
「は!他に地位のありそうな者は見当たりませんでした!」
「ふーん。エルド、コイツが誰だがわかるか?」
タツヤは達磨の詳細をエルドへと問う。
「えっと、アンラス皇国第一軍団長【覇剣の猛将】ドラン・フォン・バランだね」
「偉いの?」
「軍部ではかなりの地位にあるみたいだよ」
帰ってきた答えはそこそこ満足できる答えであった。
「よし、ならいいや。全軍撤収!これより一部を除いて殲滅戦に入る!【炎雷】を五百機投入!」
そして、戦闘は次の段階へと進む。




