第50話 戦艦とは
タツヤは言いつつ、また操作をし、画面上にとあるものを写し出した。
「これはっ!」
「第弐式強襲用魔導機兵『炎雷』だ」
「皇国の魔法機兵が何故!?」
タツヤが写し出した画像には右腕が剣となり、左手の平に砲門の付いた凡そ6メートル程のロボ……魔導機兵が写っていた。それを見たアルサスがなぜという声をあげる。それもそうだろう。写っていたのが幾つもの国が開発に挑戦したが実用に耐えうるものを作ることが出来なかった皇国の魔法機兵と同じようなものなのだから。
「皇国のお粗末なもんと一緒にするなよ。コイツは近接も遠距離もこなせる完全な上位互換だ。
ただ……まあ、言わせてもらえばコイツらは中盤くらいから投入する。兵達の訓練も兼ねた戦争だからな。けど、街の制圧にはどんどん入れていく」
「な、最初から投入しないのですか!」
「ああ、コイツらはあんまり出したくねぇんだよ。
帝国の奴等にバレても面白くねぇからさ。それに言っとくがウチのやつらならこんな奴は必要ないと思うぞ?全員そこそこの強さだったし、装備もある。だから、大丈夫だ」
「……」
「それと……暴龍の連中は終盤の殲滅戦と都市を攻めるときに使う。
損害は零。命令は絶対だ。誰も死なせるな」
タツヤはそう言い、脇に置いてあるサンドイッチを口に運ぶ。
「お前らも食え。
戦場まではまだ掛かる。今から気張ってても良いことなんてねぇからな。リラックスしとけ。
ジムも温泉もあるからな」
「はい」
◇◇◇◇◇
〓とある兵士達〓
「なぁ、一体なにが始まるってんだ?」
「お前この間の聞いてなかったのか?戦争だよ、戦争」
「戦争!?どことだ?帝国か!?」
「ちげぇよ!相手は皇国だ」
突然詰め所に集合させられた兵士達は戸惑っていた。その中の一人、ジェラルドは横に居る同期であり親友のドグナに声を掛けた。ドグナから返ってきたのは実に衝撃的な内容である。
つまり戦争。ここ十年ほど無かった出来事である。
「皇国だと!なんでだ?」
「ウチの王様が変わったのは知ってるよな?」
「ああ。確か……虹神様が決められたらしいな」
「その通りだ。
んで、その王様の妃様に皇国の皇子が手を出そうとしたらしい」
「なにぃ!?」
「それだけじゃなくて、剣まで抜いて宣戦布告までしてきたらしい」
「バッカなんですかねぇ!?」
「うん、バカかもね」
ドグナは同意する。
そして、この後彼らは簡単な説明をされ、皇都へと向かった。
彼らはそこで衝撃を受けることとなる。
「貴様ら!この装備を着けろ!
国王陛下が下賜された特別な装備だ!
これを着けていればよほどのことがない限り死なん!」
「うおっ、なんだこの剣!?
木を簡単に斬りやがるぞ!」
幾つもの人知を越えた装備に。
「新しい王様ってのはずいぶん若いんだな」
新しい王の若さに。
「なんじゃこりゃあ!」
飛行戦艦に。
「う、浮いた!」
その飛行に。
「く、食い放題!?………う、うめぇ!」
「なんだ、このサウナってのは!暑いが気持ちいいぜぇ!」
その設備に。
「……もう、兵士やめらんねぇな」
「俺、頑張るわ」
そして、彼らの士気は上がる。




