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代償と集大成

遅れてすみません。

そして最後の方、大切な改稿しましたので一度読まれた方は申し訳ない。


「ははっ!気に入ったぞ、人間!そなたにこの地竜アスティニアスの加護を着けてやろう!」


そう言って竜の姿から、茶髪で緑色の瞳をした大人の女性に姿を変えたアスティは、嬉しそうに微笑んだ。



一 遡ること数分前


竜と戦ってみて、勝負はかなり劣勢だった。

俺の普通の魔法はアスティの鱗に弾かれ、対して効かなかった。


一方アスティは、魔法は使わず物理攻撃で攻撃してきた。

防御に手いっぱいになってしまった。


「はっはっは!どうした、青年、その程度か?」

「くぅ!物理攻撃ばかりかよ!魔法が使えねぇのか?」


俺はあえてアスティを煽る。

俺は魔法力だけは圧倒的にアスティよりも上だ。

魔法力が上と言うことは、魔法ではアスティの威力より高い威力を出せるということ。


「ふんっ!その安い挑発に乗って、我が最強のブレスを見せてやろう!」


それはつまり、同じ魔法を放てば負けることはないと言うことだ。

それを可能にしたのは、魔導書のおかげだ。



アスティはそのドラゴンの口で息を吸い、ブレスを放とうとする。

それと同時に魔力がアスティの口元へ集まって行くのが良く見える。



俺の技能スキル、魔導書は魔力の動きを解析して再現出来ると言うのが、レベルの上がった鑑定によって分かった真実だ。

同じくレベルが上がった事によって魔力の動きを見ることが可能に俺はなっていた。


さらに!


このレベルになって再現出来る速度は相手が魔法を出すのと同時、いや、魔法構築が完成した瞬間なので相手よりも早く、相手がやろうとしている魔法の俺の魔力バージョンが出すことができる。


つまり、俺はアスティの魔力の動きを見ながら、魔導書によって攻撃を再現する。

そして、アスティがブレスを吐こうとする一瞬、アスティがブレスを放つ瞬間に、再現したブレス攻撃を俺が打ち出す。


「んな!?」


勿論、アスティはそのまま風属性と地属性の混ざった、緑色に輝くブレスを放つ。

アスティのブレスは、全力であろうと魔法力Sランク。

俺はSSSランク、ぶつかって負ける訳がない。

俺の魔法はアスティのブレスを押しきり、アスティに直撃する。


「きゃぁー!」


地竜に似合わないような可愛い悲鳴を上げるアスティ。


「やったか!?」


あ、やべ。今のセリフはフラグだ。

舞い上がった土煙が収まり、フラグ通り地竜アスティニアスの姿は健在だった。

まだ、戦うのかと思ったが


「はっはっは!見事だ、人間!気に入った!ははっ!気に入ったぞ、人間!そなたにこの地竜アスティニアスの加護を着けてあげよう!」



こうして冒頭に戻るというわけだ。

竜のブレスは竜の息吹きという竜しか持たない、高速で息を吹き出す技に自分の得意な魔法を乗せて放つ攻撃だ。


アスティニアスの場合は、竜の息吹きに地属性魔法と風属性魔法を混ぜたものだった。

竜の息吹きは魔法ではないので、再現するのにかなり時間がかかってしまった。


何故、アスティの時にブレスを再現出来たかって?

俺は一度、ミスティに殺されているからね。

殺される瞬間まではブレスを見ていた訳だから、技能スキル魔導書がかなり頑張ってくれたお陰で再現は終わっていた訳さ。


だから、竜の息吹きと同じ効果の魔法を使える。

勿論、ミスティの竜の息吹きと同じく、火属性魔法と光属性魔法を混ぜたブレスも再現出来るようになっている。

かくし球のもうひとつは、そのミスティのブレス攻撃だったが、それを使う前に戦闘が終わったので良かった!



「加護とは何ですか?」

「うん?まあ、悪いものじゃないから受けておけ!」


そういうとアスティは俺の肩に手を当てて目を閉じる。


「…!!」


何か強い力が体から湧き出て来るような感覚が一瞬起き、徐々に弱まっていく。


『地竜の加護 』 地属性、風属性魔法威力増加。

魔法、物理攻撃耐性増加。

加護を持つものが瀕死になると地竜に分かる


「そなたは面白いな。だが、人間は脆い。この加護があれば死ぬ確率は減るはずだ。これから、ミスティと戦うのであれば、充分に注意することだな。」

「ありがとうございます。地竜さん。」

「なに、アスティでいいよ。それじゃあな、人間の国ははるか北にあるから、気を付けるがよい!」


そう言うとアスティは竜の姿に戻り、飛んでいった。

あれだけの魔法を食らっておきながら、竜に戻った時に目に見えるダメージは一切なかった。


「ありがとうございましたー!」


俺はアスティに手を振って、教えて貰った通り、北を目指して進むことにした。





地面を鑑定しながら進んでいると、死の大地という、表記が無くなったので死の大地から出たことが分かった。


「…終わった、終わったぞ。…帰れるんだ!」


そう思った瞬間、涙腺が崩壊し俺は子どものように泣きじゃくった。

辛かった、怖かった、我慢した。

会える、クロにエントに!家族に。


俺は散々泣いたあと、糸が切れたように眠りに落ちた。



ー その頃フロネ街 ー


「クロちゃん、残念だけどフレードとの約束だから、私と旦那で責任を持って安全なところまで送るわね。フレードは…ううっ!」

「ソフィ、俺らはフレードが帰ってくる事を信じるしかないのさ。きっと帰ってくる、俺たちが信じないと!」


泣き崩れるソフィの肩を抱きながら、ヘルクレードはソフィを励ましていた。


「マーマ、たいじょおぶ?」


そんなソフィにトコトコと駆け寄る一人の少女。

ソフィに似た顔つきでくすんだ銀髪の赤い目をしたお人形のような三歳女の子だ。

正真正銘、ヘルクレードとソフィの子で名はフィールだ。

フレードが行方不明になってすぐに産まれた、二人の希望だった。


「…大丈夫よ、ありがとね。あなた、フィール。」


ソフィはヘルクレードとフィールを抱きしめ、ゆっくりと立ち上がる。

弱気じゃいけないと、そんな表情を見せたソフィの表情を見て、ヘルクレードは少し安堵する。


「奥さん、旦那さん、よろしくお願いしますニャ。」


そんな二人を見つめながら、頭を下げる獣人の女性。

その白髪・・で美しい姿は男なら誰でも魅了されそうな不思議な雰囲気を醸し出していた。

その女性の金色に光る目からは強い信念が見てとれた。


「ああ、行こう!」

「ええ!行きましょ!」


ソフィとヘルクレードはそう返事をすると、フィールの手を引き馬車に乗り込む。


そんな三人の後ろ姿を見ながら、彼女は、首に下げている木のペンダントを手に持ち、静かに話しかける。


「エント私をいつも護ってくれてありがとね。いくよ、フレードに会いに。私達の最愛の人に会いに!」


そして五人・・は南へと馬車を走らせる。

安全な国を求めて、なにより、フレードに会える事を信じて。


相手の必殺技を速攻でパクる。

相手が出す前に出す。

威力はSSS。

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