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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第四章 箕川自由学園襲撃事件

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案外生活能力の高い冬夜

なんか調子いいんだよね

 三人が冬夜と住む家に戻ると、玄関に冬夜の靴が置かれていた。


 どうやら、彼はもう家に帰ってきているようだ。


 三人は靴を脱いで中に入ると、リビングの大きなテレビを見ている冬夜の姿があった。


 冬夜は帰ってきた三人に気がつくと声をかける。


「おかえり三人とも。お風呂は沸かしてあるから入ってきたら?」


「ちなみに、冬夜くんはもうお風呂に入ったの?」


「うん、先に入らせてもらったよ。いつ帰ってくるか分からなかったからね」


「分かった。それならお風呂に入ってくるね」


 まさか、冬夜が風呂の準備をしているとは思ってもいなかった凪と玲華は驚きを隠せないと言う様子で固まる。


 一方、紫音は何事もなかったかのように冬夜に言われた通り風呂場に向かった。


 そんな紫音を呆然と眺めていた玲華たちは、


「冬夜さんは案外ダメ人間になってないんですね」


 冬夜が自分たちが想像するよりもしっかりしていることに少し驚く。


 自分が何もできないダメ人間だと思われていたことが判明した冬夜は少し不服そうな表情で答える。


「あれはみんなが甘やかしてくれるから甘えてるだけで、自分だけでも普通に生活はできるよ。俺のこと馬鹿にしすぎじゃない?」


「だけど、あれだけ普段から怠けてたら昔はできても今はできなくなってると思われてもおかしくない気がするけど」


「確かにそれはそうかも。まあ、そんな話は置いておいて凪たちも入ってきなよ。ちなみに、パジャマは風呂場のカゴにそれぞれ入れてあるから持っていかなくても大丈夫だよ」


「用意周到ですね。ちなみに、私たちの下着を見たいために用意した感じなのですか?」


 いきなり突拍子もない質問を投げかけられた冬夜は飲んでいたお茶を勢いよく飲み込んでしまった。


 そのせいでむせてしまい、冬夜は苦しそうに咳き込み始める。


 そんな冬夜の背中を凪は優しく撫でながら彼の呼吸を整えさせる。


 何とか呼吸が整い、落ち着いた冬夜はジト目で玲華を見つめながら言う。


「そんなわけないでしょ。普段から一緒に風呂に入っているし、一緒に暮らし始めて長いしで今更そんなしょうもない理由でやるわけないよ。見たかったら普通に着てるのを見るし」


「冬夜さんは案外欲に忠実ですよね。それなら手を出してくれても構わないんですよ?」


「それは約束で成人までダメだって決まったでしょ?俺だって我慢してるんだ。玲華も我慢してよ」


 冬夜はそう吐き捨てると、眠そうにあくびをしながらコップをシンクで洗い始める。


 そうして、コップを洗い終わり、綺麗なタオルで拭いた後、食器棚の中にコップをしまう。


「それじゃあ、俺は眠いから先に部屋に戻るから。おやすみ」


 冬夜は玲華たちにそう声をかけると、再び眠そうにあくびをしながら自分の部屋に戻って行ってしまった。


 冬夜が部屋に戻ったのを確認した凪たちは、


「それじゃあ、私たちもお風呂に入ろっか」


 共に風呂に入ることにしたのだった。


 凪たちが風呂場にやってくると、ちゃんとカゴの中にそれぞれのパジャマがセットされており、寝る時につけている下着も一緒に置かれていた。


 洗濯物を入れるための洗濯カゴには先に風呂に入っている紫音のものはあるが、冬夜のものは見つからない。


 一体、冬夜はどこに服を置いたのかが気になり、家の中を探してみると、いつも洗濯物を干している空間に彼の制服が干されていた。


 もちろん、洗濯物を乾かすための暖房もつけており、タイマーもセットされている。


 冬夜が二人の予想よりも家事スキルが高いことに驚きを隠せない凪たちであるが、今はとりあえず風呂に入って頭を落ち着かせることにする。


 二人が冬夜と暮らし始める頃には既に紫音と暮らしている状態であった。


 そのため、冬夜は既に紫音の世話焼き特性によって堕落させられており、何でも彼女にしてもらっていた。


 そんな彼しか知らない二人は紫音ほどではないにせよ、彼女たちも世話焼きであるため、一緒に暮らし始めると紫音のように冬夜の世話を焼きまくっていた。


 おかげさまで冬夜が意外と家事スキルが高いことに気づかずにいたのだ。


 冬夜の新たな一面を知った凪たちは彼との関係がまた一歩進んだと喜びながら風呂に入る。


 先に風呂に入っていた紫音は気持ち良さそうに風呂に浸かっており、完全に体がとろけている。


 どうやら、冬夜は紫音が特に気に入っている温泉の素を風呂に入れてくれていたらしく、冬夜からの気遣いの嬉しさと温泉の素の効果により蕩けていたようだ。


 蕩けていた紫音は二人が入ってきたのを確認すると、


「二人とも遅かったね。冬夜くんと何か話してたの?」


 自分よりも遅かった二人のことが気になり、質問したのだった。


「特にこれといったことは話してないよ。ただ冬夜が思ったよりも生活能力があるんだねって話してたくらいかな?」


「冬夜くんには弟がいるからね。昔はよく弟の面倒見てたみたいだよ?だから、生活能力は思ったよりも高いんだ」


「確か、そんな話を前にしていた気がしますね。すっかり忘れていました」


「玲華お姉ちゃんは真面目な顔して結構適当だよね。そう言うところお父さんに似てる」


「そんなことないと思いますよ?お父様は私と比べてあまりにも適当すぎると思いますし」


「確かにそうかも。お父さん、話した内容全部覚えられるのに何も考えずに答えたせいで何も覚えてないって言う意味わかんないこと起こすし」


 紫音はそう言いながら昔のことを思い出す。


 そうして、紫音たちは楽しく談笑をしながら風呂に入ったのだった。









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