日常で起きるアクシデント
深夜、冬夜はたまたま目が覚めてしまう。
そして、何か体に違和感を覚えて視線を下げてみると、そこにはネグリジェを着た紫音が自分に抱きつき、
「にぃに、大好き……」
と言いながら頭をすりすりしている。
そんな紫音を冬夜は特に気にする様子はなく、逆に抱きつき返す。
まさか、冬夜が起きているとは思いもしなかった紫音は驚いたような表情を浮かべる。
一方、冬夜は紫音が抱き枕として最高の抱き心地であったため、そのまま強い眠気に襲われ、夢の世界へと旅立ってしまう。
そうして、眠りについた冬夜であったが、気づいたら朝になっていた。
朝になっても爆睡中の洞爺であったが、誰かに起こされたことで目を覚ます。
目を覚ました冬夜は昨日は紫音を抱き枕にして寝たなと思いながら目を開けると、彼の前には少し頬を赤らめている玲華の姿があった。
昨日は確かに紫音を抱き枕にしたはずだ。
それなのに、自分はどうして玲華に抱きついているのだ?
と、冬夜は混乱する。
だが、玲華の抱き心地も紫音に負けておらず、彼女を抱きしめていると、だんだん眠くなってくる。
そうして、冬夜が何事もなく眠りにつこうとした時、
「冬夜さん!!もう朝なんですから起きてください!!後、そんなに強く抱きしめられると動けないんですが!!」
抱きつかれている玲華がジタバタと暴れながらそう叫んだ。
流石の冬夜もここまでされれば、眠りにつくことは難しく、玲華の言う通りに起きることにする。
冬夜から解放された玲華は少し残念そうな顔をしているが、すぐに切り替えて自分の部屋に戻っていく。
部屋に一人になった冬夜はそのままベッドに寝転がると、再び眠気に襲われる。
そうして、冬夜が眠気に従うように目を閉じようとした時、部屋の扉が勢い良く開く。
物凄い音が鳴ったため、冬夜も驚いて起きてみると、そこには紫音が立っていた。
それも少し機嫌な悪そうな紫音がだ。
冬夜が驚いて起きると、紫音はジト目で冬夜のことを見ながらふと、一言吐き捨てる。
「私のこと途中で捨てたくせに……」
そう言うと、紫音はどこかへ行ってしまう。
誤解である。
確かに、冬夜は気づかないうちに玲華に抱きついていた。
それは認めよう。
そもそも玲華が自分の部屋にいたのかという謎はあるものの、どうせ紫音とあまり変わらないため、無視しておく。
だが、捨てたと言われるのは心外だ。
別に紫音のことを捨てるつもりなど冬夜には全くと言ってない。
これは断言できる。
しかし、機嫌が悪くなってしまった紫音にいくら言い訳を並べたところで、許してくれるはずもない。
彼女は一度感情的になると、理論というものが全く通じなくなる。
それならば、感情的に訴えればいいだろう。
それに、紫音はすぐ怒ったりするが、その分ちょろい。
ちょっと褒めるだけで気分は舞い上がり、すぐに許してくれる。
まあ、冬夜はそんなことを考えずにいつもなんとかしようと言う必死な思いから紫音のことを褒めまくっているのだが。
冬夜はそのままベッドから降りて、リビングへ向かうと、既にみんなは席についている。
つい先ほど部屋から出て行ったばかりの玲華は既に身支度を終えており、その早さに驚きを隠せない。
そして、冬夜は何事もなかったような雰囲気を醸し出しつつ隣へ視線を向けると、紫音がムスッとした表情で座っている。
だが、冬夜は紫音の変化に気づく。
そして、冬夜は彼女から許しを得ることすら忘れて話しかける。
「紫音ちゃんがポニーテールしてるの珍しいね。凄く似合ってて可愛いよ」
冬夜は嘘偽りのない心から出た本心をそのまま紫音に伝える。
冬夜から褒められた紫音は先ほどまでの表情が一変し、満面の笑みを浮かべながら頬を緩ませている。
いつの間にか紫音の機嫌を直すことができた冬夜はそのまま先ほどまでのやり取りは無かったことにし、そのままみんなで朝食を食べる。
朝食を食べ終わった冬夜はそのまま部屋に戻り、学校へ行く準備を整え、身だしなみなどもついでに整えると、家を出る時間になる。
我ながら時間感覚は完璧だなと思いながら冬夜は自分のことを待つ三人の元へ向かう。
そうして、紫音の機嫌を損ねてしまうと言うアクシデントはあったものの、いつもの変わらない朝を過ごした冬夜であった。
お前、日常とかいつものとか普通のとか最近サブタイトルとかストーリーで使いすぎだろと思うかもしれませんが、普通に良いの思いつかないので使っているだけです。はい。特に理由とはないです。日常話のサブタイトルつけるのって難しくない?




