ワカティナ防衛作戦(ヘルム視点)十九
そうして、ヘルムたちがブレイカウスの探索を始めた途端、激しい振動に襲われる。
いきなりの出来事にレイルアルマは転びかけてしまうが、ヘルムが手で支えたことで転ばずに済む。
レイルアルマはヘルムに咄嗟に支えられた時、少しときめいたが、すぐに頭を切り替えて感謝の言葉を述べる。
「すみません、助かりました」
「気にすんな。それより今の揺れは一体なんだろうな?」
ヘルムは先ほどの揺れは一体何だったのだろうと話しかける。
「うーん、ここからだと上の様子がイマイチ分からないね…これもこの施設の結界によるものなのかな?」
「多分そうだろうな。まあ、ベルヘイムが分からんのだったら、今の俺でも上の様子を把握するのは無理だろうな」
ヘルムは必死に上の様子を探ろうとしているベルヘイムにそう言った。
「とりあえず、ブレイカウスを救出してから、さっさと上に戻るのが最適解か」
そして、ヘルムはブレイカウスの救出後に早急に上へ上がるのが最適解だと判断し、先に進むことにする。
ヘルムたちはとりあえず、揺れの正体を解明する前にブレイカウスの捜索を続ける。
それから研究所の探索を続けたヘルムたちであるが、この研究所では非人道的な実験が繰り返されていたようで、研究所には実験の傷跡が残っている。
ヘルムはその研究所での成果を全て奪取しており、後々実験の内容を調べる予定だ。
流石に、このまま見過ごすと危険であるため、彼らの行なっている実験を知っておく必要がある。
そのため、ヘルムは実験の被験者にされた者たちに悪いと思いながらもその成果は持ち帰ることにする。
一方、レイルアルマは目の前に広がる残酷な光景に言葉を失っており、信じられないと言う表情を浮かべている。
それと同時に、実験の材料にされているブレイカウスのことも余計に心配になる。
ベルヘイムは心配そうな表情を浮かべながら絶句しているレイルアルマの頭の上に移動しており、彼女のことを慰めている。
そうして、ヘルムたちが混沌に誘いし者たちの実験の結果を奪いながら進んでいくと、いきなりヘルムが立ち止まる。
そのことをベルヘイムたちが不思議に思っていると、
「ここのちょうど真下から龍種の反応を感じるな。それもここから遥か下の方からだ」
ヘルムがそう言いながらその場にかがみ込み、反応を探り始める。
その姿をレイルアルマはただ見ていることしかできない。
レイルアルマはこの研究所では全くと言っていいほど探知能力が機能していない。
これは研究所に展開されている結界のせいであるのだが、それでもレイルアルマは情けない自分に少しうんざりしていた。
レイルアルマが申し訳なさそうにしながらヘルムのことを見守っていると、
「間違いないな。この真下にブレイカウスがいる。少し離れてくれ。今から地面に穴を開ける」
ヘルムはそう言うと、近未来性の剣を構える。
レイルアルマは彼の邪魔をしないよう彼に言われた通りに距離を取る。
レイルアルマが距離を取ったのを確認すると、ヘルムは剣に魔力を込める。
魔力はどんどん剣へと流れ込んでいき、ヘルムの持つ剣からは膨大な魔力が溢れ出している。
そして、ヘルムは魔力を込めた剣を勢い良く地面へ向けて斬り払う。
次の瞬間、剣からは魔力による奔流が放たれ、地面を抉りながら進んでいく。
魔力の奔流はある程度の距離まで進むと、収束する。
魔力の奔流がなくなったのを確認したヘルムは穴を覗いてみる。
そうして、穴を覗いたヘルムは、
「ブレイカウスのところまで穴は開いているみたいだな。我ながら威力調整が神がかかっているな。まあ、俺も神だけど」
ブレイカウスの場所まで穴を開けられたことを自分で褒めている。
確かに、ヘルムの威力調整は素晴らしいが、自惚れていることは少し痛い。
レイルアルマもナルシスト発言をするヘルムへ苦笑を浮かべている。
そうして、ヘルムが自画自賛をしていると、
「とりあえず、穴を降りていくか。穴の中は思ったよりも長いから、そこのあたりは気を付けておいてくれ。と言っても龍は空を飛べるから問題ないか。それじゃあ、俺は先に行ってくる」
ヘルムはそう言うと、穴の中へ降りて行ったのだった。
降りていく時、楽しそうな声を出していた気がしたが、レイルアルマは聞かなかったことにする。
レイルアルマはヘルムが穴を降りてから少しした後、
「それでは私たちも下へ降りましょうか」
自分の頭の上に乗っているベルヘイムにそう声をかけると、そのまま穴の中へ入って行ったのだった。
ちなみに、レイルアルマはベルヘイムが頭の上に乗っていることは特に気にしていない。
昔からベルヘイムは甘えん坊であり、彼女を育てている時はよく構ってあげていた。
そのため、頭の上に彼女を乗せることに抵抗感などはない。
それでも今のレイルアルマは人型形態であるため、ベルヘイムのことを少し重いとは思っているが。
流石のレイルアルマもメスであるベルヘイムに重いなどと言うのに抵抗があるため、黙って乗せることにしたのだった。
本当はアヴァロンも書籍化目指したいんですけど、だいぶ難しそうなんで、結構諦めてるんですよね。連載はもちろん続けますから安心はしてください。なんで、諦めてるんだって?それはもちろん過度な残酷描写があるからですよ。自分で読んでてもこれ賞の規定的にアウトではないかと思う場面がちょくちょくあるんですよ。まあ、これからもそう言うシーンは続けようとは思いますが。僕が電撃小説大賞に応募している作品たちを見てください。残酷描写はだいぶ抑えていますよ。各山の方にあるので、読みにいってください。まあ、こんな理由があるので、アヴァロンは書籍化を諦めて私個人の趣味で書いていきたいなと思います。なので、グロと胸糞はいっぱい書いちゃうぞ!!




