ギリエニア共和国の崩壊まで十
新作「迷探偵神風 彪哉の怪奇事件録」をカクヨムで週6で連載中です!!ぜひ読んでみてください!!
男「くくくっ......わざわざ本人の前で殺すと言う選択肢を取ることも宣言するとは、お前は本当に面白い奴だ。こんな堂々と俺に物を言う奴など、なかなかいないと言うのに、殺害宣言までする奴など数えるほどしかいないな。君は近年稀に見る最高の逸材だ。是非とも君と友達になりたいものだな」
黒と白の毛が混じる男性は必死に笑いを堪えていたが、流石に話すとなると堪え切ることが出来なかったらしく、少し笑いがこぼれてしまった。
笑いがこぼれてしまった男性は少しの間、自分を落ち着かせるために黙った後、その表情からは笑みは消えていなかったが、噴き出すことなくナタリアに淡々と語りかけた。
どうやら、この男性は自分に怖気付くことなく、堂々と語り掛けられる者がただでさえ少ないと言うのに、彼に向けて殺害宣言までするナタリアのことをとても気に入ったようであった。
ナタリアのことを気に入った男性は是非とも彼女とは友達になりたいと伝えたのだった。
友達にならないかと黒と白の毛が混じる男性に誘われたナタリアは、
ナ「普通に無理です。貴方がギリエニア共和国の敵であることは正直言ってどうでも良いですが、何よりも私の大切なニアを貴方は奪ったんですよ?そんな人と友達になるわけがないじゃないですか。私は貴方のことを一生許しませんからね?」
本気で拒絶したのだった。
まあ、普通に考えて大切な婚約者の命を奪った者にとても気に入ったから友達になってくれと言われても拒絶するのが至極当然だろう。
逆に自分の大切な婚約者の命を奪った相手と普通に友達になることの方が頭のネジがぶっ飛んでいる。
そうして、ナタリアにあっさり拒絶されてしまった黒と白の毛が混じる男性は彼女に拒絶されたことへのショックからか、とても悲しそうな表情を浮かべていたのだが、その表情はとても嘘くさい。
彼は本気で悲しんでいるのではなく、ナタリアのことを小馬鹿にするために悲しんでいるふりをしているように感じた。
そんな男性の態度にナタリアは怒るどころか、全く気にしている様子はなく、彼女も彼の扱い方を少しずつ学んできているようであった。
せっかくの名演技を披露したのに全く効果がなかったことに黒と白の毛が混じる男性は少し残念に思いながら話を続けた。
男「それで、ガイデア神殿の鍵の最高火力はせいぜい次元を破壊できる程度のものだろ?その程度の威力で俺を殺せると思われているとは心外だな。その程度の攻撃じゃあ、俺を殺せるどころか、傷をつけられるかどうかのラインだぜ?くくっ......まあ、俺を殺すこと自体が不可能だからこんなやり取りには意味はないんだけどな!!はっ!はっ!はっ!」
黒と白の毛が混じる男性は最初は淡々と話していたが、途中から少しずつ笑いが堪えられなくなっていき、最終的には笑いが堪えられなくなって大きな声で笑い始めた。
そんな食事を止めることなく話していた男性が笑いが堪えられずに高笑いをしながら腹を抱えていたのだが、ナタリアの意識は全く別のところにあった。
それは黒と白の毛が混じる男性の発言であった。
普通ならば、どれほど強い者であっても次元を破壊するほどの攻撃の前では手も足も出ない。
最も根源に近いとされる古龍であったとしても次元を破壊できるほどの攻撃を喰らったとしてたら、無傷で済むまい。
それなのに、この黒と白の毛が混じる男性は次元を破壊するほどの威力の攻撃では自分を殺せるどころか、傷一つつけられるかどうかのラインと言った。
ナタリアは彼のはったりとも考えたのだが、彼の今までの行動や傾向から、このような嘘をつく者ではないことは分かる。
なので、彼が言っていたことは本当なのだとナタリアは納得せざるおえない。
それに、彼は自分のことを殺すこと自体が不可能だと言っていた。
これはきっと、黒と白の毛が混じる男性は不死身であるのだとナタリアは瞬時に理解した。
この男性が不死身で次元を破壊する攻撃すらもその程度で済ませられるほどの力を持っていると理解したナタリアは、
ナ「ははっ......最初から私たちには貴方に勝つという選択肢はなかったのですね......なら、戦場で散ってしまったニアは......」
ただただ事実に絶望し、乾いた笑いをすることしか出来なかった。
ナタリアが悲壮感漂う笑みを浮かべながら乾いた笑いをしていると、
男「まあ、そう悲しむなよ。お前がここで俺に勝てないことを理解したお陰で、ガイデア神殿の鍵を使って俺と戦うという一番選択してはいけない最も愚かで醜い選択肢を排除することが出来たんだ。良いことじゃねぇか」
黒と白の毛が混じる男性は悲しそうに笑っているナタリアのことを慰め始めた。
男「それに戦場で散っていった奴らは無駄死したわけじゃないぞ?こうして、俺とお前が話し合いが出来ているのは彼らのお陰だ。俺はな、本当はこのままギリエニア共和国にいる者たちを全員殺すつもりだった。だが、戦場で散っていった奴らの思いに俺は感銘を受けてな、もう一度話し合いをすることを選んだんだ。だから、彼らの死は決して無駄じゃなかったんだよ」
黒と白の毛が混じる男性はナタリアに向けて、戦場で命を散らしていった者たちの死は決して無駄ではなかったと今までに一度も見せてこなかった優しさの溢れる笑みを浮かべながら伝えた。
この男性から戦場で散っていった者たちの死は無駄ではなかったと伝えられたナタリアは、
ナ「そう....なのですね。彼らの死は決して無駄ではなかったのですね......」
その表情には悲しみ自体は残ってはいたが、どこか清々しいような雰囲気で笑みを浮かべた。
そうして、悲しみからある程度立ち直ることが出来たナタリアは黒と白の毛が混じる男性と別れを告げ、ガイデア神殿の鍵について話し合うために王都へ戻ったのだった。
ワンチャンアヴァロンの連載止まるかもしれません。最近は新作の神風の方をメインに書いていることもあり、アヴァロンの続きが思いつかなくてスランプに陥ってます。書けたら出しますが、多分難しいじゃないかなー。神風の方は週6投稿余裕でできますので、ぜひそっちを読んでおいてください。連載はカクヨムですが、Twitterで毎回告知してますので、カクヨム開くのダルい人はTwitterフォローしておいてください。名前は大猩猩和で調べれば出てきます。ちなみに、アヴァロンの方はモチベがなくなったわけではなく、単純に上手く書けなくて筆が進まないだけです。途中で筆をあるようなことはしないのでご安心よ。




