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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦

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ギリエニア共和国の崩壊まで七

ナ「私はまだ王位継承を行なっていないので、ここで貴方にガイデア神殿の鍵を渡すことを決められません。すみませんが、答えを出すのは現国王である父の判断を仰いでからでも構いませんか?」


 ナタリアが絞り出した答えはガイデア神殿の鍵をこの黒と白の毛が混じる男性に渡すことを一旦、保留にすることだった。


 彼女は必死に思考を巡らせたのだが、相手は自分よりも比較にならないほど上の存在であるのに加え、サンドウィッチを食べていて何を考えているのか全く読めないため、一番無難な案がこれであった。


 ナタリアは自分が生き残ったギリエニア共和国の代表としてこの場に来ているのに、この場で自分の判断のみで決めることが出来ないことにこの男性が少々違和感を感じることは容易に想像できる。


 そして、この男性はわざわざ自分が父親である国王の元までこの話を持ち帰り、相談することを待つ必要もない。


 そのため、ナタリアが必死に考えついた案であったとしてもこの作戦が上手くいく可能性はとても低いと考えていた。


 そうして、ナタリアは自分の交渉スキルがあまりにも低いことに嫌気をさしながら黒と白の毛が混じる男性の返事を待っていると、


男「ああ、俺は別に構わないぞ。急ぎの用じゃないし、この場所だったら俺を必要以上に危険視して、排除しようと追っかけてくる奴らもいねぇしな。本当に追われる身というのは面倒臭いものだ」


 あっさりこの男性はナタリアの提案を了承したのだった。


 まさか、素直に了承を得られるとは思ってもいなかったナタリアは彼が提案を素直に飲んだことに拍子抜けしており、これなら深く考えずに最初から素直に話しておけば良かったなと思った。


 それと、ナタリアはこの男性から了承を得る際に何者かに危険視されており、追われていると呟いていたのを聞いていたが、触れないことにした。


 触らぬ神に祟りなしと言ったところだ。


 そして、ナタリアもこの男性が一撃でギリエニア共和国の王都以外の全ての土地を焼け野原に変えたことをその目で見ているので、この男性が危険視されて追われていることには納得しているようではあった。


 それと同時に、ナタリアはこれだけの力を持っている相手を追いかけるのは危険であるのに臆することなく、追いかけ続けているその人物たちを素直に凄いと心の中で尊敬したのだった。


 そうして、拒否されるどころか、何の条件もなしに自分からの提案を黒と白の毛が混じる男性は飲んでくれたので、


ナ「では、私は父にガイデア神殿の鍵についての取り扱いを聞いてきますので、この辺りで王都へ戻らせてもらいます。明日の昼までには貴方からの要求に対する返事を持ってきますので、この場所でお待ちください」


 ナタリアはさっさとこの場から撤退しようと思い、国王である父に鍵の取り扱いを聞いてくるので、自分は王都に帰らせてもらうと伝え、その場を立ち去ろうとした。


 だが、


男「まあまあ、そう急ぎなさんな。俺はお前にもう少し聞きたいことがあるんだ。すぐに帰りたいのは分かるが、もう少し俺に付き合ってくれ」


 この黒と白の毛が混じる男性はまだナタリアに聞きたいことがあるらしく、さっさと帰ろうとするナタリアを止めたのだった。


 すぐに王都へ戻ろうと思っていたナタリアは男性に止められたことを不満に思ったのだが、相手は自分よりも格上であるのに加え、自分たちの方が立場的に弱いので、渋々その場に残ることにした。


 さっさと王都に戻りたいナタリアは一体彼は自分に何を聞きたいのかと少し不機嫌になりながら考えていると、彼女の考えがまとまる前に男性は口を開いた。


男「俺がお前に聞きたいことはな、ガイデア神殿の鍵についてだ。お前、ガイデア神殿の鍵について何か隠してる情報があるだろ?それを誤魔化すために、さっさと王都に帰ろうとしているのも知っているからな?」


 この黒と白の毛が混じる男性はナタリアの全てを見透かしているようなことを言った。


 ナタリアはこの男性の発言を受け、自分の考えを全て見透かされていたことに驚きを隠せなかったが、ここで驚いたような反応を見せてしまうと、相手に正解だと言っているのと変わらないため、必死に平静を保った。


 そして、ナタリアは自分が先ほど考えていたようなことは全て少し考えれば、誰でも思いつくような内容であったために、この男性は自分にカマをかけているのだと判断した。


 それに、心を読む能力など持っていなければ、自分の考えていたことなど、いくらでも嘘で誤魔化せると判断したナタリアは営業スマイルを浮かべながら、


ナ「いえ、私はガイデア神殿の鍵について隠していることなどありませんよ?失礼を承知で言いますが、私が早く帰りたかったのは貴方と言う強大な力を持つ敵の側にはなるべく居たくないからです」


 ナタリアは元気な頃の父から教えてもらった嘘に真実を混ぜることで信憑性をあげると言う方法を用いることで、黒と白の毛が混じる男性を騙そうとした。


 確かに、ナタリアはこの男性が言う通りに自分の嘘がバレる前にさっさと王都に戻ろうとしていたことは事実であるが、この男性の側になるべく居たくないと言うのも事実である。


 そのため、ナタリアは彼に対して嘘をついているわけではない。


 そうして、ナタリアが再び誤魔化そうとすると、黒と白の毛が混じる男性は一度ため息をついた後、


男「もしも、俺に相手の心が読める能力があると言ったら、お前は信じるか?」


 この男性は衝撃的なことをナタリアに告げたのだった。








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