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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦

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ワカティナ防衛作戦(創視点)百二十九

創「ニア、お前に問おう。お前の婚約者であったギリエニア共和国の第一王女ナタリアの最後を知りたいか?」


 創からこの質問を投げかけられたニアは固まるしかなかった。


 まず、ニアは自分と第一王女であるナタリアが婚約関係にあったことを創が知っていることに驚いた。


 このニアと第一王女ナタリアの婚約関係はギリエニア共和国の上層部しか通達されていない情報であり、この情報はギリエニア共和国の国民たちですら教えられていない情報である。


 そんなギリエニア共和国の機密情報を創が知っていることに驚きを隠せなかった。


 そして、ニアは婚約者の最後を創から聞くのかを迷っていた。


 ニアは第一王女であるナタリアの婚約者であるため、彼女の最後を聞くべきなのだろう。


 しかし、ニアは彼の声のトーンから、ナタリアはキュロシアン要塞で共に創と戦った兵士たちのような名誉ある死に方ではなく、何かしら最悪な死に方をしたのは間違いないと確信していた。


 そんな無惨な死に方をしていると分かっていながら、大切な恋人であったナタリアの最後を聞くなんてことはニアは怖くて出来なかった。


 ニアは創が機密情報を知っていたことへの驚き、ナタリアの恋人として彼女の最後を聞き遂げる義務、恋人の最後を聞くことへの恐怖の感情が入り乱れ、思考がまとまらず、その場に固まるしかなかったのである。


 ニアは創が王都付近は降伏勧告を再び行うためにわざと残したことを聞いた時から嫌な予感はしていた。


 何故なら、彼の恋人であるナタリアだけでなく、ギリエニア共和国の国民たちは全員死んでいたからである。


 ニアがなぜ、ギリエニア共和国の国民たちは全員死んでいることに気付いたのかというと、ギリエニア共和国側が創からの降伏勧告を受諾し、降伏していたとしたら、生き残った仲間たちがキュロシアン要塞で戦った兵士たちの弔いのために訪れ、その際に自分のことを見つけていたはずだからである。


 しかし、現実ではニアが誰かに見つけられることはなく、気が遠くなるような長い年月の間、キュロシアン要塞跡地に放置され続け、ニアはキュロシアン要塞跡地に出来た森と一体化しているところで目覚めた。


 ニアは目覚めた後、まずは近くにギリエニア共和国の生き残りがいるのか必死に探したが、見つかることはなかった。


 その後もニアは様々な場所で同胞を探し続けたのだが、同胞が見つかるどころか、ギリエニア共和国という国自体が全く認知されておらず、ギリエニア共和国のことを知っている者に出会ったとしても彼らは口を揃えて実在しない伝説の国だと言っていた。


 ここまで、ギリエニア共和国の痕跡がないとしたら、ギリエニア共和国の生き残りは自分以外にいないと思うだろう。


 それに、ギリエニア共和国を滅ぼした張本人である創もまさか、生き残りがいるとは思ってもいなかったという発言から、ギリエニア共和国は一人の国民も残さず殺されてしまったことは明白である。


 ニアは創の手によって故郷であるギリエニア共和国を滅ぼされたことについては戦争であったとに加え、創から降伏勧告も出している点からわりかし割り切りがついている。


 もしも、恋人であるナタリアが最後まで戦い抜いて死んだのならば、ニアは胸を張って彼女の最後を聞くことは出来る。


 降伏勧告を創が出しているのに、ギリエニア共和国の国民を全滅させられている点から、最後まで誇りを持って戦い抜いたという説もあり得そうではあるが、創の口ぶり的にこの説はないだろう。


 ニアは先ほど感じた嫌な予感は絶対に当たっていると確信している。


 ニアは心の中がぐちゃぐちゃになり、どうするのが正解かと頭を悩ましていると、


創「別に無理に聞くことはない。この話を聞いたところで、過去を変えることはできないし、ただ辛い思いをするだけだ。それに、お前の恋人だったナタリア王女の最後は悲劇であった。きっと、この話を聞いたら、ギリエニア共和国に失望するだろう。それくらい酷い話だ」


 創はニアに彼の恋人であるナタリアの最後は聞いたらギリエニア共和国に失望してしまうほど悲劇的なものであることを伝え、無理をして話を聞いたとこで、過去は変えられないし、ただ辛い思いをするだけだからやめておけと止めた。


 だが、


創「だけど、ニア。怖くても心ではこの話を聞きたいと思っているのだろう?お前の表情を見れば分かるよ。お前にとってナタリア王女は本当に大切な存在だったんだな。彼女もお前にここまで愛されていることを喜んでるだろうよ」


 心の中が様々な感情でぐちゃぐちゃになっていても心の奥底ではナタリアの最後を知りたいという思いがあることを創に見透かされ、恐怖を感じながらもナタリアの最後を知りたいと思えるニアは本当にナタリアのことを愛していたことが分かった。


 そして、創はニアにここまで愛してくれているとナタリアもきっと喜んでくれていると伝えた。


 創からナタリアと自分との想いを称賛されたニアは少し恥ずかしかった。


 創はニアとナタリアの愛を賞賛した後、


創「心の準備はできたか?ニア?」


 創はニアに心の準備はできたか問うた。


ニ『ああ、出来ている』


 ニアが創からの質問に肯定の返事を返すと、創はナタリアの最後について語り始めた。









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