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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦

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ワカティナ防衛作戦(創視点)百二十七

 黒騎士の巨人が自ら切り落とした左足を再生させた後、創の方へ視線を向けてみると、両手には武器を持っておらず、隙だらけの状態で自分の方に向かって歩いてきていた。


 隙だらけの状態で自分の方へ向けてゆっくりと歩いてきている創を見た黒騎士の巨人は彼が隙を晒しているのは何かしらの罠に自分を嵌めるためではないかと推察し、より警戒を強めて創のことを見ていた。


 黒騎士の巨人が警戒を強めて創のことを見ていると、一瞬だが、彼の視線が自分の再生させたばかりの左足の方へ向いたことに気がついた。


 そのことに気づいた黒騎士の巨人は冷や汗をかき始めた。


 何故なら、黒騎士の巨人は左足を再生させることには成功していたが、完全に治っているわけではなく、他の部分に比べて外皮は極めて柔らかく、神経もまだ全体に通っていないため、上手く足を動かすことが出来ない。


 そんな時に格上である創に攻められたとしたら、黒騎士の巨人は一方的にやられてしまうだろう。


 そのように、黒騎士の巨人が創に左足が完全に治りきっていないことに気づかれてしまったのではないかと不安に思っていると、自分と少し離れた位置で創が立ち止まった。


 創がいきなり立ち止まったことで、黒騎士の巨人がさらに警戒心を強めると、


創「お前、左足完全に治ってないだろ?このまま続けても俺が一方的に勝つだけだ。そんなのじゃあ、お前は死んでも死に切れないだろ?だから、お前の左足が完全に治るまで待ってやるよ。こっちは化け物の軍勢が迫って来てないから、時間には余裕があるからな」


 警戒心を強めている黒騎士の巨人に創は左足が完全に治っていないことを指摘し、このまま戦いを続けたところで、一方的な戦いになることを伝えたのだった。


 そのことを伝えられた黒騎士の巨人は図星を突かれてしまい、苦しそうな表情を浮かべた。


 そんな苦しそうな表情を浮かべる黒騎士の巨人に創はこのまま戦いを続けたとしても満足に死ぬことが出来ないだろうと黒騎士の巨人の左足が完全に治るまで待つことを伝えたのだった。


 左足が完全に治るまでの間、待ってやると伝えられた黒騎士の巨人は創からの提案は自分にしかメリットがなく、創の方には全くメリットがないことから、この提案を持ちかけて自分を騙し討ちにでもする気ではないかと疑い始めた。


 自分のことを騙し討ちにするのではないかと警戒の色を強めた黒騎士の巨人を見た創は自分はそんなにも信用が出来ない人物なのだろうかと少し落ち込んだのだが、自分の過去を振り返ってみると、格下相手に良く騙し討ちをしていることを思い出し、黒騎士の巨人が自の言葉に警戒するのも必然だなと改め直した。


 ちなみに、創が格下相手によく騙し討ちをしているのかというと、騙し討ち自体が雑魚相手にしか通用せず、黒騎士の巨人のようにある程度強い相手になってくると、わざと弱いように振る舞ったりしたところで、本来の自分の強さに気づくのに加え、直感に優れている者たちばかりでバレてしまうためである。


 まあ、創は格下の相手でなくても騙し討ちが通用しそうな相手の場合は基本的に騙し討ちを仕掛けており、彼がここまで騙し討ちを仕掛ける理由としては、圧倒的な優位性から驕っている者たちの表情を一気に覆しようのない絶望に叩き落とすことが好きだからである。


 そう、創は天性のクソ野郎なのである。


 創は三度の飯よりも相手の不幸が大好きなクソ野郎であり、とにかく相手を絶望に叩き落とすことを生き甲斐にしている。


 もしも、この世で最も邪悪な存在は誰かと聞かれたのならば、間違いなく創と答えるであろう。


 あまりにも創がクソ野郎な行動ばかりとるので、彼の妻であるアイナが一度ブチギレ、創にクソ野郎みたいな行動をとるのはあまりにも道徳心から外れ過ぎているため、やめてくれと脅されてしまった。


 これはアイナだけでなく、他の妻たちからも同じように抗議されてしまったため、創はアイナたち妻の前ではなるべくゲスい行動をとらないように心がけている。


 まあ、アイナ以外の妻は創のクソ野郎ムーブはいくら注意しても直らないと分かっており、彼がクソ野郎ムーブをしても軽く注意するだけで、アイナみたいにブチギレないので、アイナ以外の妻の前ではよくクソ野郎ムーブを行なっている。


 そんな彼は真性のクソ野郎であるのだが、前回も言った通り身内にはとにかく優しい。


 彼にとって家族と言っても過言ではない神国アヴァロンの国民たちや自分と友好関係を築いている者たちにはとても優しい。


 そのため、彼ととても親しい人物たち以外は彼はとても慈悲深く、フレンドリーで接しやすく、国民や彼と友好関係を築いている者たちは彼のことを人格者と思っている。


 まあ、実際の彼は敵対と憎まれるようなことさえしなければ、本当にとても優しくて思いやりのある神であり、身内や心を許した友たちには煽ったり、馬鹿にしたりなどしてからかって気持ちよくなっているが、仲が良いからこそ出来る友達同士の煽り合いのようなものである。


 そんな創は自分の罪に対しては、罪悪感さえ感じれば、とても真摯に向き合う性格をしており、彼はわりかしメンタルが弱い方なので、相手にも悲しいバックボーンさえあれば、勝手に罪悪感を感じてくれるので、創は真性の悪党と人間以外の命を奪った際は罪の意識を感じている。


 特に無実の者たちの命を奪った際は罪悪感に蝕まれてしまい、病んでしまう。


 他にも助けられる命を助けられなかった時にもメンタルに大ダメージを受けてしまい、助けられなかったことへの罪悪感に蝕まれ、またまた病んでしまう。


 そんな思ったよりもメンタルの弱い創であるのだが、今回の黒騎士の巨人が納得できる死に方が出来るよう色々と気遣っている理由としては、仕方なかったとは言え、彼の故郷を滅ぼし、彼を一人ぼっちにさせたことへの罪悪感から来ている。


 そうして、未だに自分への警戒を解かない黒騎士の巨人に創は再び話しかけたのだった。










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