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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦

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ワカティナ防衛作戦(創視点)百二十五

 漆黒の鎖の拘束から逃れることに成功した黒騎士の巨人であったのだが、彼が拘束から逃れるのには少し遅く、創の放った龍滅断頭斬によって彼は左足の膝から下を最も容易く切り落とされてしまった。


 左足の膝から下を切り落とされた黒騎士の巨人はその痛みから苦悶の表情を浮かべたのだが、何とか足を切り落とされた痛みを気合いで耐え、右足のみで創との距離を取るためにバックステップを数回繰り返した。


 何回かバックステップを繰り返すことで、創との距離を大きく取ることが出来た黒騎士の巨人であったのだが、彼は自分が創との距離を取る際に通った経路を見た時に違和感を覚えた。


 何故なら、黒騎士の巨人の左足の膝から下は切り落とされているはずなのに、彼が通っていた経路には一切の血液が見つからなかったためである。


 普通ならば、切り落とされた断面からは大量の血が流れ出し、地面である砂を真っ赤に染め上げるはずなのに、彼の通ってきた経路には血が垂れたような痕跡はなく、そのことに大きな違和感と胸騒ぎがした。


 血が一滴も地面に流れていないことに違和感と胸騒ぎを感じた黒騎士の巨人は恐る恐るギロチンの刃によって切り落とされた左足の断面へ視線を向けてみると、彼の左足の断面は黒く燃える炎によって覆われていた。


 この傷口を覆っている黒炎は全くと言って良いほど熱を感じることはなく、傷口を炎で炙るような痛みもないようであった。


 この自分の左足の傷口を覆う黒炎を見た黒騎士の巨人は左足をこのまま放っておくと創を相手にするにはあまりにも不利すぎると判断し、左足の膝から下の部分を治そうとしたのだが、いつもなら左足は完治するところが全く治る気配がなかった。


 その理由は傷口を覆っている黒炎にあるのだろうと黒騎士の巨人は瞬時に分かったのだが、この黒炎を直接触ることは本能的に危険を感じ取ったため、まずは最低ランクの水の魔術であるウォーターボールを黒炎にかけた。


 しかし、ウォーターボールが黒炎に触れた瞬間、ウォーターボールは目にも留まらぬ速さで蒸発してしまい、ウォーターボールを蒸発させた黒炎は全く衰えていなかった。


 水をかけて消化するという単純な行動ではこの黒炎を鎮火することは不可能であると結論つけた黒騎士の巨人は次は一体どんな手を試そうかと思考を巡らせていると、左足の傷口付近に少しの違和感を感じ取った。


 次の瞬間、黒騎士の巨人は脊髄反射で腰に携えている西洋剣を右手で引き抜き、自分の左足の太ももから下の部分を何の躊躇もなく切り落とした。


 もしも、この現場に彼ら以外の人物が存在していたとするならば、黒騎士の今日がとった行動はあまりに予想外であり、この現場を見ていた者は黒騎士の巨人の気がおかしくなったのかと疑いの目をかけるだろう。


 だが、彼の判断は正しかった。


 黒騎士の巨人が自らの手で残りの左足を切り落とした次の瞬間、切り落とされた勢いで宙を舞っていた彼の左足が一瞬で黒煙に飲み込まれてしまい、塵すら残らずに燃え尽きてしまった。


 脊髄反射で自分の左足を切り落とした黒騎士の巨人は目の前で自分の足が一瞬で黒炎に飲み込まれてしまい、塵すら残らずに燃え尽きてしまった光景を見た時、左足を切断するのに少しでも遅れてしまっていたら、今頃自分も切り落とした足のように全身に黒炎に飲み込まれ、塵すら残らずに燃え尽きてしまっていたに違いないと最悪の事態を考えて、少しの恐怖を覚えた。


 黒騎士の巨人が自らの左足を切り落とす少し前、漆黒の鎖により龍滅断頭斬の時間を稼ぐことに成功した創はこのまま黒騎士の巨人をギロチンの刃で両断できると思っていたのだが、彼の予想は外れてしまい、黒騎士の巨人は左足の膝から下を失いはしたが、何とか命を拾うことには成功した。


 まさか、龍滅断頭斬で仕留められないとは思ってもいなかった創は先ほども改め直したが、それ以上に黒騎士の巨人の身体能力や戦闘センスが高いことに驚きを隠せず、素直に龍滅断頭斬を左足を失ったとはいえ、致命傷を避けたことに感心した。


 創が龍滅断頭斬による攻撃を回避するのに左足しか犠牲にならなかったことに感心している隙に黒騎士の巨人は残った右足を器用に使ってバックステップを行い、自分との距離を大きく取っていた。


 自分との距離を大きく取っている黒騎士の巨人に創は全く気にしている様子はなく、左手を横に突き出して待っていると、地面に突き刺さっているギロチンの漆黒の刃が黒い粒子へ変化し、ギロチンの刃の中心から龍狩りの大剣が出てきた。


 ギロチンの刃の中心から出てきた龍狩りの大剣は地面に突き刺さっていたのだが、すぐに地面から抜け出し、横へ突き出している創の左手に向けて勢い良く飛び出した。


 勢い良く飛び出した龍狩りの大剣を創はその左手で見事にキャッチし、肩に乗せるような形で龍狩りの大剣を構えた。


 龍狩りの大剣を肩に乗せた創は龍狩りの大剣に集中していて忘れてしまっていた黒騎士の巨人のことを思い出し、彼が自分との距離を取ろうとバックステップしていった方角へ視線を向けた。


 そして、黒騎士の巨人の方へ視線を向けた創は目の前に広がる光景に驚き過ぎて再び構え直した龍狩りの大剣ともともと構えていたロンギヌスを手から離してしまった。


 彼が目撃した光景とは黒騎士の巨人が自らの左足を切り落とした瞬間であった。


 

 





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