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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦

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ワカティナ防衛作戦(創視点)百二十

 漆黒の超巨大彗星へと変貌したロンギヌスが目にも留まらぬ速さで遥か上空から自分へ向けて降下している状況に呆気を取られていた黒騎士の巨人であったのだが、直ぐに自分へ向けて降下してくるロンギヌスをどう対処するのかを考え始めた。


 黒騎士の巨人は最初、漆黒の超巨大彗星へと変貌したロンギヌスから大きく距離を取り、攻撃を回避しようと考えたのだが、今から距離を取ろうと動いたところでロンギヌスの攻撃範囲から抜けられる可能性は低く、先ほどの攻撃のように突然の軌道変更の可能性もあるため、回避することは愚策だと諦めた。


 上空から自分は向けて降下しているロンギヌスのことを回避することは諦めた黒騎士の巨人は回避以外に何か良い手はないかと頭を悩ましたのだが、回避以外に思いついた手はロンギヌスの攻撃を防御することだった。


 ただでさえ、普通の投擲攻撃でそこら辺にある下級の聖剣よりも頑丈に作られている特別性のガトリングガンを一瞬で粉砕するほどの威力があると言うのに、現在のロンギヌスは先ほどの投擲とは比較にならないほどの威力があることが容易に想像つく。


 そんな先ほどの投擲よりも比較にならないほどの威力を誇る彗星槍突を防ごうとなると、特別性のガトリングガンよりも遥かに高い耐久力を誇る盾を用意し、あの超巨大彗星へと変貌を遂げ、まっすぐ自分へ降下しているロンギヌスと同程度の力が必要になってくる。


 そのような絶望的な状況であるというのに、黒騎士の巨人からは全く絶望している様子が窺えず、どちらかというと、絶望的な状況にワクワクが止まらないような様子であった。


 そうして、彗星槍突を回避するのではなく、防御することにした黒騎士の巨人は左肩についている少し厚めの金属の板のようなものを取り外すと、金属のような板は変形機構により、二回りほどの大きくなった。


 そして、二回りほど大きくなった金属の板は先ほどまでのただの無骨な金属板ではなく、大盾のような形へと変形しており、変形機構により内側に出てきた取手のような部位を右手で掴み、もうすぐ側まで迫ってきているロンギヌスへ向けて構えた。


 次の瞬間、黒騎士の巨人が構えている変形機構が搭載されている大盾の中心部分が新たな変形機構により、大きく開き、大きく開いた中心部分には何らかの魔法陣が刻まれていた。


 その中心部分に刻まれている魔法陣は展開されると同時に起動したのか、大盾の中心部分から激しい光が溢れ出し、光が溢れ出ながら大盾の前に黒騎士の巨人の体よりも遥かに大きな透明の壁が何枚も展開された。


 そして、展開された透明の壁のうち最前線に展開されていた壁と漆黒の超巨大彗星へと変貌を遂げたロンギヌスが衝突した。


 その瞬間、透明の壁と漆黒の超巨大彗星の間であたり一面を吹き飛ばすような衝撃波が発生し、黒騎士の巨人の周りにあった砂が一気に空中へ舞い上り、舞い上がった砂たちは砂煙としてあたり一面を埋め尽くした。


 砂煙によって視界は極端に悪くなったのだが、そんな視界の悪い中でも黒騎士の巨人の持つ盾から放たれる光と漆黒の超巨大彗星はしっかりと存在感を放っており、砂煙の中でも目視することが出来た。


 そうして、盾が展開した透明の壁と漆黒の超巨大彗星へと変貌を遂げたロンギヌスは周りに強力な衝撃波を放ちながらせめぎ合っていると、ガラスが砕けるような音と共に黒騎士の巨人を守っていた透明な壁の一枚がロンギヌスの力に耐えられずに砕け散った。


 ロンギヌスが透明の壁のうち最前線にあったものを貫くと同時に二枚目に展開されていた透明な壁にも勢いよく衝突した。


 だが、二枚目の壁に衝突したロンギヌスは一枚目の壁に衝突した時よりも周りへ放つ衝撃波の威力が下がっており、その下がり幅は目に見えて分かるくらい大きかった。


創「ほう?あの盾に仕掛けられている防衛魔術は相当なもののようだな。あれだけ簡略された魔法陣に加え、ロンギヌスの彗星槍突を防いでいる防御力から相当優秀な魔術師が魔法陣を組み立てたであろう。さてさて、あれほどまでの魔術を組み上げられる者は限られるのだが、思い当たる奴が多すぎるな。あいつは雰囲気的に悪事はしていなさそうだし、単純に俺と再戦することだけが目的のようだし、俺の知り合いたちなら普通に手を貸すのが大半だろう。あいつら、俺が痛い目にあう姿を見るのが好きだし。他にも俺の知り合い以外の相当腕の立つ魔術師が付与している可能性もあるしなぁ〜まあ、今は考えても仕方ないな」


 漆黒の超巨大彗星へと変貌を遂げたロンギヌスが押され始めている光景を見た創は黒騎士の巨人が使用している盾に仕掛けられている防衛魔術は簡略化されているのに加え、ロンギヌスのことを受け止められるほどの防御力を誇る点から腕が相当立つ魔術師が付与したものだと言うことが分かった。


 そして、これほどまでの防御魔術を組み立てられるほどの魔術師など数が相当限られており、創はこの術式を組み立てることが出来るほどの腕を持つ魔術師たちを知っているらしく、この魔術を組み立てたであろう者はその知り合いたちではないかと思い始めた。


 創の知り合いたちは彼が痛い目にあうことが好きらしく、黒騎士の巨人の目的が創との再戦であるため、創に少しでも痛い目を見てもらうために黒騎士の巨人に手を貸している可能性も普通にあり得る。


 そして、創の知り合いたちは創と同様に独特の倫理観を持つ者が多いのだが、基本的に世界の秩序を乱すような輩に手を貸すような真似をするような者たちではなく、世界の秩序を乱さないギリギリの範囲で一般的な倫理観に欠ける行為を行なっている。


 まあ、世界の秩序を乱さないギリギリの範囲の中でも神国アヴァロンとして見逃せないレベルのことをすれば、普通に危険人物認定されてしまい、指名手配か、最悪の場合は暗殺対象になってしまうので、創の知り合いたちは一般的な倫理観に従って行動をするように努めている。


 そんな倫理観をしている者たちであるので、黒騎士の巨人が悪事を働いていなかったとしたら喜んで手を貸しそうであり、彼のその風貌から悪事を行なっている可能性は低く、彼の盾の制作に携わっている可能性も全然あり得るなと創は思った。


 だが、黒騎士の巨人の使用している盾に付与されている術式は創の知り合いたち以外でも組み立てることが可能であるオリジナリティーがあまりないものであるため、普通に自分の知り合いが手を貸していないことも大いにある。


 なので、創はこれ以上黒騎士の巨人の盾について考えても答えに辿り着くようなことはないので、早々に考えるのをやめ、目の前の黒騎士の巨人に意識を向けることにしたのだった。









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