ワカティナ防衛作戦(創視点)百
今回使用する予定の神聖武器の召喚用の魔法陣が完成したので、黒騎士の巨人が動かないうちに召喚しようと思い、早速、創は先ほど生み出した召喚用の魔法陣を起動させた。
創が魔法陣を起動させると、先ほどから強力な魔力を放っていた魔法陣からは先ほどから溢れ出している魔力と比べて数倍以上の量と質を誇る魔力が溢れ出し始め、創たちの周りは高密度の魔力によって包まれた。
この創が展開した魔法陣を中心に展開された高密度の魔力に包まれたエリアは魔法陣から溢れ出す魔力に加え、創からも高密度の魔力が溢れ出しているので、二つの魔力が混ざり合い、恐ろしいほどの魔力濃度を誇っていた。
あまりの魔力濃度に人界に住む生物はもちろん、神界に住む生物の中でも下位の存在の生物たちは魔力中毒を起こして命を落とし、下級神の半分以上が命を落としてしまう。
中級神以上の神であれば、命を落とすことはまずないだろうが、中級神の中でも中堅以下の者たちの中にはあまりの魔力濃度に魔力中毒を起こし、気絶してしまう者も現れるだろう。
それほどまでに創たちが今いる場所の魔力濃度は高いのである。
それほどまでに恐ろしい魔力濃度の場所であるのに黒騎士の巨人は気絶することはないのはもちろん、全くと言って良いほど魔力濃度の高さによる影響を受けていない様子であり、そのことからも黒騎士の巨人が只者ではないことが窺える。
そうして、黒騎士の巨人が魔力濃度の高いこのエリアで創のことをただ見つめていると、いきなり創が高密度の魔力が溢れ続けている二つの魔法陣の中に手を突っ込んだのだった。
高密度の魔力が溢れ出している二つの魔法陣の中に両手を突っ込んだ創は魔法陣の中で両手をいかにも何かを探しているような手の動かし方をした後、その探していたものが見つかったのか、創は勢い良く二つの魔法陣の中から両手を引き上げた。
魔法陣の中から勢い良く両手を引き上げた創の右手には歪な紋様が彫られている漆黒の大槍を握っており、左手にはリヴァイアブル島でリヴァイアサンと戦闘した際にトドメを刺した時に使用していた漆黒の特大剣である龍狩りの大剣が握られていた。
創の右手に握られている歪な紋様が彫られている漆黒の大槍の全長は最低でも5メートルを超えており、左手に握られている漆黒の特大剣である龍狩りの大剣と比較してみてもその全長は明らかに長い。
この歪な紋様が彫られている漆黒の大槍の刃の部分は槍全体から見て全体の三分の一を占めており、他の槍と比較しても刃の部分が圧倒的に長く、この大槍の刃の部分は太くなっているのではなく、細くて鋭い刃となっている。
漆黒の大槍はいわゆる一般的にスピアと呼ばれている槍のタイプである。
そのため、刃先の部分が鋭くなっているだけで、漆黒の大槍は全体の太さはあまり変わっていないので、とても細く、左手に握られている龍狩りの大剣と見比べてみると、その細さに更に拍車がかかる。
そして、この歪な紋様が彫られている漆黒の大槍も龍狩りの大剣と同様に刃の一部が欠けてしまっている部分が存在し、龍狩りの大剣もそうだが、この二つの神聖武器は全体的に少し古びた見た目をしている。
見た目が古めかしいのも相まって、漆黒の大槍に装飾として彫られたであろう歪な紋様が良い味を出しており、いかにも古代文明の儀式などで使われていた大槍の雰囲気を醸し出している。
特に漆黒の大槍に彫られている現在までに発見されているどの言語とも違う謎の言語らしきものの一部が魔力に反応し、赤黒く光っているところが古代文明の遺物の雰囲気を醸し出しているだろう。
この漆黒の大槍には赤黒く光っている文字以外にもたくさんの光を放っていない文字が大槍の手持ち部分だけではなく、大槍の刃の部分にも彫られており、中には何かの壁画のような意味深なものも彫られている。
この漆黒の大槍は某有名狩ゲーに登場するエピ◯フプレートと言う大剣の大槍版のような見た目をしているので、心の中の奥深くに眠っている厨二病魂に火がついてしまうほどかっこいい見た目をしている。
そして、この漆黒の大槍は創の神聖武器という点からただの儀式の時に使用されていた飾りの大槍ではないことは窺えるのだが、その事実だけでは漆黒の大槍が儀式用のものではないことを証明するのには少し物足りない。
ただ漆黒の大槍から放たれ続けている魔力は魔法陣から溢れ出していた魔力と同じ波長ではあるのだが、その質や量は桁違いに跳ね上がっており、その魔力の質や量から高位の神聖武器であると判断しても問題はないだろう。
そうして、創が二つの魔法陣から漆黒の大槍と龍狩りの大剣を引き抜き、黒騎士の巨人の方へ構えていると、漆黒の大槍が創に話しかけてきたのだった。




