ワカティナ防衛作戦(創視点)七十八
創は何らかの魔導術によって化け物たちの軍勢を壊滅させた後、大量の魔力消費により、疲れてしまったのか、封印を解いていない左腕の義手で頭を押さえながら、ため息をついた。
創はため息をついた後、ふらふらといかにも疲れ果てたようなおぼつかない足取りで自分の位置から少し離れた場所にいるリヴァイアサンたちの方へ向けて、ゆっくりと歩き始めた。
創(はぁ、久しぶりにあいつの力を解放したから、体にだいぶ負荷がかかっちまって疲れたなぁ......これからは定期的に力を解放して、体にかかる負荷に耐えられるようにトレイニングをする必要がありそうだな)
創はおぼつかない足取りでリヴァイアサンたちの方へ歩きながら、これからは力を解放した際に体に大きな負荷がかかっても問題がないようにするために、定期的に力を解放してその負荷に耐えると言うトレイニングをすることにしたのだった。
そして、創の発言から義手を解放した際に義手から溢れ出した禍々しい魔力は彼自身のものではなく、第三者から与えられたものであること伺え、この禍々しい魔力の持ち主は相当な力を持った者であることが分かる。
だが、この発言からは何か大きな存在が創に力を与えていると言う事実しか分からず、強いて重要となる情報を絞り出すとすれば、創の物言いから、力を与えている者と創との関係には上下関係がない可能性が高いと言う点だろうか。
そうして、創は大量の魔力消費による疲労から気怠そうにしながら、トボトボとおぼつかない足取りでリヴァイアサンたちの方へ向かっていると、ほんの一瞬の出来事であったが、後方から自分に対しての激しい殺気を創は感じたのだった。
後方から激しい殺気を感じた創は頭で考えるよりも先に身体が反射的に行動しており、自分の後方に向けて先ほど義手から溢れ出していた禍々しい魔力を意図的に大量に放出させ、自分と後ろにいるリヴァイアサンたちを守るように放出した魔力でドームを目にも留まらぬ速さで作り出した。
そして、創が禍々しい魔力で生み出したドームを作り出すと同時に先ほどまで化け物たちのいた方角から創たちを軽く飲み込むほど巨大なレーザーが創たちの方へ一直線に飛んできたのだった。
創たちの方へ一直線に飛んできたレーザーは創が展開した禍々しい魔力で生み出したドームに激しく激突し、轟音を周りに放ちながら創が展開している魔力のドームごと創たちのことを消し炭にしようとした。
しかし、創が禍々しい魔力で生み出したドームにレーザーが触れた瞬間、先ほどの化け物たちと同じようにレーザーが黒く変色し、黒く変色したレーザーを形成している粒子たちはその場で舞い散った。
だが、いくらレーザーを形成している粒子を消したとしてもその勢いを殺すことは出来ないため、創が展開している禍々しい魔力で生み出したドームはレーザーによる膨大な運動エネルギーに耐えきれずに少しずつ軋み始めた。
そんな攻防を目の当たりにした創にギリギリのところで守って貰ったリヴァイアサンたちは彼の助けをしようとその場から立ちあがろうとしたのだが、レーザーとドームとの間で発生している振動があまりにも激しかったため、バランスが取れずに立ち上がることが出来なかった。
そのため、リヴァイアサンたちは大人しく、創に全てを任せて、自分たちは彼の邪魔にならないように行動するしかなかった。
そうして、リヴァイアサンたちが激しい攻防を繰り広げている創の方へ視線を向けると、彼は義手から膨大な禍々しい魔力を展開しているドームに送り続けながら、オリジンへの申請が通ったのか、封印の指輪を全て外していた。
封印の指輪を全て外した創はいまだに発射し続けているレーザーを防ぐためにそのまま魔力のドームを展開し続けながら、自分を中心に最低でも半径10キロメートルを超えるほど巨大な魔法陣を遥か上空に展開したのだった。
そして、創が遥か上空へ展開した魔法陣はリヴァイアブル島でリヴァイアサンと決戦した時に使用した簡易聖域の時に展開した魔法陣と同じものであり、そのことから創が簡易聖域をこの場に展開したことが分かった。
創がこの場で簡易聖域を展開した瞬間、先ほどまでとは比べ物にならないほど創から溢れ出す魔力の質と量が上がり、創と契約しているせいで彼の封印の影響を受けていたリヴァイアサンたち龍種も本来の半分ほどの力を取り戻すことができ、創と同じように先ほどとは比べ物にならないほどの魔力を放ち始めた。
先ほどまでとは比べ物にならないほど力が増した創は更に義手から放つ禍々しい魔力の量を放ち始め、先ほどまではレーザーに押されてしまっていたが、力を解放してからは完全にレーザーを防いでいた。
創は完全にレーザーをドームで防ぎ切ることに成功すると、今度は大量の魔法陣を筒状に並んだ物を展開し、その筒状に並んだ魔法陣を今自分たちへ放たれているレーザーに向けた。
筒状に並んだ魔法陣をレーザーの方へ向けると、この筒を形成している魔法陣たちはそれぞれ隣の魔法陣とは違う向きで超高速回転をし始め、魔法陣と魔法陣の間では魔力が激しくぶつかり合い、魔力によって稲妻が激しく走り続けた。
激しく魔法陣が回転し始めたことを確認した創は魔法陣の一番奥の位置に創造の権能で生み出した神聖武器に使われる特殊な合金で作られた超巨大な剣を生み出し、その剣に暴食せし陰の捕食者を纏わせたのだった。
そして、創は暴食せし陰の捕食者を纏わせた巨剣を激しく回転している魔法陣の筒にセットしたのだった。




