ワカティナ防衛作戦(創視点)七十三
創が甘えん坊モードになったリヴァイアサンのことを甘やかしていると、ヘルムへの伝言を伝えてきたであろうアイナが何か創に伝えなければならないことがあったのか、再び通信を繋げてきた。
アイナから通信が入ってきた創は、アイナは何か言い忘れていたことでもあったのかと思いながら待っていると、アイナは少し困った声で創に話しかけた。
ア『あのね、色々なことがあったから、レーダーを見るのを忘れちゃっていたの。それで、レーダーを見るのを忘れていたことに気づいて今さっき確認してみたの。そうしたらねーーー』
アイナが何かを最後まで言い切る前に創はまだ視界には入るほどの距離ではないが、自分たちとの距離が近い位置にいる大量の生命体の反応に気づき、その生命体は自分たちの方へ一直線に向かっていた。
そして、その自分たちの方へ向かってくる生命体はこのワカティナに侵攻している化け物たちであるとすぐに分かり、創は自分が展開していたブラックホールがなくなることで自分たちの近くまで迫ってくることに成功したのだなと推測した。
そのように創が推測している間もアイナは話を続けており、
ア『そしたらね、ワカティナに侵攻中の化け物たちの軍勢が創くんが発生させたブラックホールがなくなったことで、みんなのすぐ側まで侵攻していたの。報告が遅れてごめんなさい......』
話を続けているアイナによると、創が展開していたブラックホールが無くなったことで、今までブラックホールによって堰き止められていた化け物たちの軍勢が今がチャンスだと言わんばかりに攻めてきているらしく、創たちのすぐ側まで迫ってきたようだ。
そして、アイナは先ほどまで情緒不安定であったため、レーダーを見ている暇などなかったので、先ほどまで化け物たちの軍勢が創たちの近くまで迫ってきていることに気づかず、報告が遅れてしまったことを謝罪した。
アイナに謝罪された創は
創「別にアイナだけの問題じゃないから気にしないでくれ。こっちも自分たちの近くに来るまで化け物たちの軍勢に気づかなかったのにも問題があるからな」
現場にいる自分たちも化け物たちの軍勢がすぐそばに近づいてくるまで気づかなかったことにも問題があり、今回のミスはアイナだけの問題ではないから気にするなと言った。
そうして、化け物たちの軍勢がすぐ近くに迫ってくるまで気づかなかったと言うミスを犯してしまったアイナのことを創が慰めていると、少し慌てた様子のリヴァイアサンが話しかけてきた。
リ「近くにまで接近を許してしまったことは仕方ありませんが、これからどうしますか?ここまで接近されてしまえば、ブラックホールなどは使えませんし、ご主人様は先程の戦闘で傷を負ってしまっているので、やはり我々が前線に立って戦った方が良いでしょうか?」
少し慌てた様子のリヴァイアサンは創にここまで化け物たちの軍勢に接近されてしまえば、自分たちが巻き込まれてしまうため、ブラックホールは使えないのに加え、創はゼファーとの先頭で大きな深手を負ってしまったので、今からは自分たちが前線に出て化け物たちの軍勢と戦う方が良いのかと質問した。
リヴァイアサンに自分たちが創を守る形で前線に立って戦った方が良いかと質問された創は少し真剣な顔で何かを考えた後、質問の返答を待っているリヴァイアサンに話しかけた。
創「いや、ここは是非とも俺に任せて欲しい。今は休んでいるよりも力を発散した方が体の調子が戻りそうだからな。それに、あの程度の量であれば、今なら一撃で壊滅されることが出来るしな」
創は少し不安そうな表情を浮かべ始めたリヴァイアサンに今は休んでいるよりも力を発散した方が良いと意味の分からないことを伝えた後に近くにまで迫ってきている化け物の軍勢の量であれば、現在の力でも一撃で壊滅させることが出来るため、自分に任せて欲しいと言った。
創に自分に任せて欲しいと言われたリヴァイアサンは創の今は力を発散した方が良いと言う発言には少し引っかかってしまったが、創が自分に任せてくれと言うには何か策があるのだとリヴァイアサンは考え、彼に素直に任せることにした。
現在この場にいる如月ファミリーズの中で一番の心配性であるリヴァイアサンが創にこの場を任せても問題はないと判断を下したため、レヴィアタンなどの他の如月ファミリーズのみんなもこの場は創に任せても問題ないと思い、リヴァイアサンと同じように素直に創に任せることにした。
創とリヴァイアサンとの一連のやり取りを聞いていたアイナは
ア『あんまり無理はしないでね、創くん。さっきの戦闘で創くんは大きく消耗しちゃってることを忘れたらダメだよ?もしも、無理な時は素直に言ってね?近くにいる部隊にすぐに応援要請を出すから』
創が今から化け物たちの軍勢と戦うこと自体は許しできるようだが、創はよく無理をしているため、戦うこと自体は良いがあまり無理をしないようにと伝えた。
そして、限界が来てしまった時はすぐに自分に報告するようにと伝え、限界が来たことを報告してくれれば、すぐに他の部隊に応援要請を出すと言うことも伝えたのだった。
創「ああ、分かってる。今回は殲滅戦と違って防衛戦だからな。あまり無理はしないようにするさ。それと、体の限界が来た時はアイナに言われた通り素直に報告して、前線から引かせて貰うことにするよ」
創は今回はいつもの殲滅戦ではなく、ワカティナを守るための防衛戦であるため、無理をして消耗してもデメリットしか発生しないので、アイナに言われた通り素直に体の限界が来た時はしっかり報告し、前線から一時的に引くことを約束した。
創がアイナの言うことをしっかり聞くと約束すると、アイナは創のことが心配でしょうがなかったが、自分との約束を守ると言ってくれたため、口出しはしないことにした。
そうして、全員から戦闘の許可を貰った創はその場で立ち上がると同時に視界の中に猛スピードで近づいてくる化け物たちの軍勢が入ってきた。
創は視界の中に入ってきた化け物たちの軍勢を見た時、ニヤリと笑みを浮かべ、化け物たちの軍勢を迎え撃つために少しずつ前へ歩き始めたのだった。




