ワカティナ防衛作戦(アイナ視点)一
通信機の向こう側にいる創から震えた声で自分の側からいなくならないでくれとお願いされたアイナは彼の震える声とその後の息遣いから創が泣いていることがすぐに分かった。
そして、アイナは自分のせいで創のことを悲しませ、泣かせるまでに彼の心を傷つけてしまったことを深く反省し、通信機の向こう側で泣いているであろう創のことを慰めようと思い、話しかけることにした。
しかし、アイナは現在創から投げかけられた言葉により、今まで我慢していた涙が一気に溢れ出し、号泣している状態であるため、溢れ出す涙に邪魔をされて言葉を発することができなかった。
だが、自分のせいで創のことを悲しませてしまったのに自分は泣いたまま創のことを放置するのはそれこそ彼の嫁として最悪な行為であるため、アイナは出ない声を必死に振り絞って創に話しかけたのだった。
ア「う、ううぅ......ごめんなさい......創くん......ぐすん.....ううぅ......もう二度と死のうとしないから.....これからも創くんの側にいて、ぐすん......絶対にどこにも行かないから.....ずっと一緒にいようね......」
アイナは通信機の向こう側で泣いているであろう創のことを慰めようと必死に声を振り絞って、創にもう二度と自ら命を絶つような真似はしないこととこれからもずっと側にいることを伝えたのだった。
アイナが創に声を必死に振り絞って自分の思いを伝えると、耳につけている通信機から創の声が聞こえてきた。
創『ああ、これからもずっと俺のそばに居てくれよ......アイナ......俺もうアイナなしじゃ生きていけないから......』
通信機からは自分はもうアイナ無しでは生きていけないので、これからもずっと自分のそばにいて欲しいと創がお願いしている声が聞こえてきたのだった。
通信機からこれからもずっと自分のそばにいてくれとお願いされたアイナは、目からこぼれ落ちている涙を拭くために自分のことを拘束しているルルーマさんの方へ視線を向けた。
アイナに真剣な表情を向けられたルルーマさんは彼女の表情や先ほどまでのやり取りから、今のアイナであれば、解放しても問題はないと判断し、彼女の拘束を解除したのだった。
ルルーマさんがアイナの拘束を解除した時は二人の側にいたミヤは先ほどまでのアイナの暴れっぷりを目の当たりにしていたため、再び暴れ出してしまうのではないかと身構えたのだが、ルルーマさんから解放されたアイナは全く暴れるような雰囲気ではなかった。
そのため、アイナのことを警戒していたミヤは彼女の様子とルルーマさんの対応から、拘束から解放しても問題はないのだなと判断し、警戒を解いたのだった。
そうして、アイナのことを監視していたルルーマさんとミヤが警戒を解いて彼女のことを眺めていると、アイナはルルーマさんから解放された後すぐに手で目から溢れ出していた涙を拭いていた。
アイナは目から溢れ出していた涙を手で拭った後、気合を入れるために自分の頬を軽く叩き、彼女が頬を叩いた後からは先ほどまでとは違い、目からは涙は溢れ出していなかった。
その様子から、近くで見ていたルルーマさんは完全にアイナが立ち直ったことを確信し、もうアイナのことを監視していなくても問題はないなと判断した後、ルルーマさんは自分の席へ戻って行ったのだった。
一方、ミヤは本来の目的であるヘルムとアルベルトの喧嘩を止めてさせるよう創に二人を説得してもらうと言う当初の目的をこなしていなかったので、アイナの側に残り続けることにしたのだった。
そうして、ミヤが何とか立ち直ったアイナにヘルムとアルベルトが喧嘩していることを創に伝えて貰うのを待っていると、真剣な表情を浮かべたアイナが耳に付けている通信機に手を当てて話し始めた。
ア「アイナのせいで凄く話が逸れちゃったんだけど、創くんに伝えないといけないことがあったの。だから、今からそのことについて話すけど大丈夫?」
アイナはミヤからの頼みであるヘルムとアルベルトの喧嘩の件を解決するために少し大事な話があるのだが、そのことについて、今から話しても大丈夫かを創に確認を取ることにした。
そうして、アイナが創に今から大事な話をしても大丈夫かと確認を取ろうと質問を投げかけてみると、
創『ああ、今から話して貰っても問題ないよ。まあ、ミヤがアイナに相談している時点で、大体ヘルムかディルグが問題を起こしたから解決して欲しいみたいな内容だろな』
創はアイナに今からその大事な話をしても構わないことを伝えた後、ミヤがアイナに相談を持ちかけていることから第十七汎用騎士部隊の問題児であるヘルムかディルグあたりが問題を起こし、そのことを解決してもらいたいと言う内容だろうなと予測した。
実際にミヤは意見が分かれたことによってアルベルトとヘルムが喧嘩をし始めてしまい、二人のことを止めてもらおうと創に相談を持ちかけようとしているため、彼の予想は的中しており、流石は王直属部隊の隊長と言ったところだ。
創から了承を得たアイナは創の邪魔になってはいけないので、ミヤから聞いたヘルムとアルベルトの話を簡潔にまとめたものを創に説明したのだった。




