ワカティナ防衛作戦(創視点)七十
創「なあ、アイナ?癇癪で自傷行為に至ったのなら、俺は文句は言わない。いつものことだからな。だがな、本気で死のうとしたのなら話は別だ。それで、アイナは本気で死のうとしたのか?」
創は先ほどまでの怒りの感情を全面に出した態度から一変し、今の創の態度は少し落ち着きのあるものになっており、アイナに創はいつもの癇癪で自傷行為ではなく、本当に死のうとして切腹したのかと質問したのだった。
どうして、創の態度が少し落ち着いたものになったのかと言うと、それは自分の周りへ視線を向けることが出来たからだ。
創はアイナへの怒りで我を忘れかけそうになっていたのだが、無言の時間が続いていた時、たまたま創の耳にリヴァイアサンの啜り泣く声が聞こえてきたのだった。
たまたまリヴァイアサンの啜り泣く声が聞こえてきたことから創は少し振り返ってリヴァイアサンたちがいる方へ視線を向けると、そこにはレヴィアタンに抱きついて泣いているリヴァイアサンの姿があった。
そして、リヴァイアサンに抱きつかれているレヴィアタンの方へ視線を向けると、レヴィアタンもリヴァイアサンほどではないが少し震えているようであり、彼女たちから少し離れた場所にいるゼルクレイグも固まってしまっていた。
一方、草薙剣とアトランシアは複雑そうな表情を浮かべながらアイコンタクトなどを取って何かをしているよう であった。
そんな何かに怯えているようなリヴァイアサンたちと必死に何かを考えている草薙剣たちを見た創は直ぐに彼女たちの悩みの種となっている対象が自分であることに気づいた。
リヴァイアサンたちが自分に怯えていることと草薙剣たちが自分について何かを焦ったように真剣な表情で考えていることに気づいた創は一度冷静さを取り戻し、今までの自分の態度を振り返った。
そうして、自分の今までの態度を冷静に振り返ってみるとリヴァイアサンたちが自分に怯えてしまっても仕方ない態度をとっていたことに気づき、これ以上彼女たちのことを怯えさせないためにも落ち着いた態度になった。
創は何とか落ち着きを取り戻し、アイナに再び質問を投げかけた後、先ほど自分に怯えていたリヴァイアサンたちが気になり、彼女たちにバレないように少し振り返って様子を伺った。
創がリヴァイアサンたちの様子が気になって少し振り返って確認してみると、先ほどまでブルブル震えていたリヴァイアサンとレヴィアタンであったが、レヴィアタンは少し安心したような表情を浮かべており、リヴァイアサンはまだ良いんでない涙が出ているようであったが、だいぶ落ち着いているようであった。
一方、ゼルクレイグはそのあまり変わらない表情から普通の人が見れば、全く様子は変わっていないように見えるが、彼女のことをよく分かっている創から見たゼルクレイグは安堵しているようであった。
草薙剣とアトランシアの様子も気になり、創は二人の方へバレないように視線を向けてみたのだが、二人はいきなり創の態度が元に戻ったことを逆に怪しんでいるようであり、二人でコソコソ何か話していた。
そんな態度が戻ったことで逆に自分のことを怪しんでいる草薙剣とアトランシアを見た創は普段から自分と共にいる二人が安心するのではなく、逆に怪しんでしまうのも仕方ないなと思った。
何故なら、創は戦闘時にいつもつけているマスクをしていない場合、彼の情緒はとても不安定であることが多いため、機嫌が治ったと思った次の瞬間にブチギレ始めたりする。
そのため、草薙剣とアトランシアは今創が落ち着きを取り戻しているのはたまたまで、いつまた怒り始めてしまうのかと考えてしまい、リヴァイアサンたちのように素直に安心することが出来ないのだ。
そんな二人を見た創はいつも自分の暴走に付き合わせてしまって申し訳ないなと心の底から謝ると思いきや、全く気にしていないようで、その様子からただ自分について警戒しているのだなとどこか他人事のように思っているようであった。
どうして、創が草薙剣とアトランシアにはこんなに素っ気ない態度をとっているのかと言うと、単純に草薙剣とアトランシアには今まで数え切れないほどの今回のような迷惑をかけているので、二人に迷惑をかけるのは当たり前になってしまっているためだ。
創は二人に迷惑をかけることが当たり前になってしまったことで、草薙剣とアトランシアの二人が今のように警戒するような態度を取ることも当たり前になっているため、リヴァイアサンたちのように罪悪感を感じなくなってしまい、いつものことだと少し素っ気ない態度をとるようになってしまったのだ。
なので、創がリヴァイアサン太刀の時と同じような反応をし欲しいのであれば、草薙剣かアトランシアが創がブチギレた瞬間、創のことが怖いと泣き始めれば、創は現在の態度を改め、リヴァイアサンたちと同じように気にしてくれるようになる。
まあ、草薙剣もアトランシアもとても優しくて思いやりのある子たちなので、創に迷惑はなるべくかけたくないと先ほど提案したようなことは決してしないだろう。
そんな風に創がリヴァイアサンたちにもう心配はいらないなと思っていると、アイナから質問に対する答えが返ってきたのだった。




