ワカティナ防衛作戦(創視点)六十九
ア「うん.......」
創に自分の質問に答えるように相手を押し潰さんするほどの強烈な圧をかけられたアイナはついに閉ざしていた口を開き、創からの質問に肯定したのだった。
そうして、アイナが創からの質問を肯定したのだったが、アイナが肯定した瞬間、創が先ほどとは比べ物にならないほどの重圧と冷気と思わせるほどの冷たい空気を放ち始めた。
この重圧と冷たい空気に当てられたリヴァイアサンは姉であるレヴィアタンに助けを求めるように力強く抱きしめ始め、先ほどよりも体の震えが増していた。
そんなリヴァイアサンを見たレヴィアタンは彼女のことを慰めようと頭を撫で続けようと自分の手をリヴァイアサンの頭に持って行こうとした時、レヴィアタンはリヴァイアサンの頭に触れる寸前であることに気づき、手を止めたのだった。
それは自分の手がリヴァイアサンに負けないくらいに震えていることだった。
そして、リヴァイアサンが先ほどよりも強い力で自分に抱きついてきたのは創への恐怖心が強まったからではなく、創の怒りに恐怖心を感じ、震えてしまっている自分のことを助けようとしていたのだとレヴィアタンは気づいた。
そんなリヴァイアサンにレヴィアタンは本当に良くできた妹を持ったなと思うと同時に自分よりも震えているリヴァイアサンに助けられているままではいけないと思い、リヴァイアサンのことを優しく抱きしめ返した。
そうして、リヴァイアサンとレヴィアタンが姉妹の愛を周りに見せつけている一方、彼女たちと同じ龍種であるゼルクレイグはいつものポーカーフェイスを浮かべており、創の怒りに全く動じていない様子であった。
とゼルクレイグを外から見た人はそう思うかもしれないが、実はゼルクレイグもブチギレている創にビビっており、あまりの怖さに蛇に睨まれた蛙のように動くことが出来ていないだけてある。
そして、ゼルクレイグは目の前でイチャイチャしているリヴァイアサンとレヴィアタンを見て、こんな時にイチャイチャしている場合じゃないだろと心の中で怒りのツッコミを入れた。
実際はリヴァイアサンとレヴィアタンに声を出してツッコミを入れて阻止したかったのだが、創にビビり過ぎているゼルクレイグは恐怖のあまり声すらも出なくなっていたので、諦めたようであった。
そんな風にゼルクレイグがポーカーフェイスを浮かべたまま固まっている中、アトランシアと草薙剣はブチギレている創のことをどう落ち着かせるのかについて話し合っていた。
この二人がリヴァイアサンたち龍種と違って普通に動けているのかと言うと、創がよく任務中に混沌に誘いし者たちにブチギレている光景を幾度となく見てきているため、彼のブチギレている光景に慣れているためである。
一方、リヴァイアサンなどの龍種は創と一体化しているせいで大幅な力の制限をかけられているとはいえ、分身体で活動している王直属部隊のメンバーたちと変わらないか、それ以上の力を持っているため、自分の部隊を持っており、その部隊で行動しているために創と別行動することがほとんどである。
今回リヴァイアサンがワカティナ防衛作戦で創と共にいるのも少し前に自分の持っていた部隊のメンバーが混沌に誘いし者たちの手によって全滅させられてしまっていたためであり、もしも仲間が生きていた場合はその仲間たちと防衛任務に当たっていただろう。
そして、レヴィアタンとゼルクレイグは家でメイドとして、如月宅にいる如月ファミリーズのみんなと共に家事を行っていることがほとんどなので、今回のワカティナ防衛作戦のように創と共闘することはほとんどない。
これはリヴァイアサンやレヴィアタン以外の創と契約している龍種にも言えることであり、創と契約している龍種は基本的に創とは共に行動せず、単独や仲間たちと創の指示に従って行動している。
ここで、創と契約している神獣たちはどうなのかと聞かれそうなので、まとめて紹介しておくが、神獣たちも龍種と同じように強力な力を持っているのに加え、ガルたちのように同じ系統の神獣が複数おり、その同じ系統の種族でチームを作って行動しているのがほとんどであるため、創とは別行動していることが多い。
だが、神獣の中には味方の強化いわゆるバフをかけることに特化した支援型の神獣も存在しており、その神獣は能力に大きな制限をかけられた創との相性が良いため、連れていることが多い。
それならば、今回のワカティナ防衛作戦で創が支援型の神獣をなぜ連れていないのかと質問されそうなので答えておくが、現在支援型の神獣は他の任務に当たっている神獣や龍種の部隊に出払っているため、連れてくることが出来なかったのだ。
そのため、舐めプをして連れてきていないわけでは決して無いので、勘違いしないでもらいたい。
話は戻るが、常に行動を共にしている草薙剣たち神聖武器たちや支援型の神獣たちとは違い、リヴァイアサンたち龍種は基本的にブチギレている創を見る機会がほとんどないため慣れていなく、ブチギレている創を見たら、その迫力から怖がってしまう。
ちなみに、如月ファミリーズのほとんどのメンバーは創に怒られることがあっても今回のアイナのようにブチギレられることはほとんどないため、神聖武器たち以外がこの場にいたらブチギレている創を見て怖がってしまうだろう。
今回創のことをブチギレさせたアイナはよく創のことを本気で怒らせたり、通信機越しで混沌に誘いし者たちにブチギレている創を宥めているので、ブチギレた創の対処はとても得意である。
が、今回は創が悪かったり、両方に問題があったのではなく、アイナ側が100%悪かったため、何の役にも立たないのである。
そうして、アイナからの返事が返ってきた後、永遠の時のように長く感じる無音の時間をリヴァイアサンたちが過ごしていると、ついに創が口を再び開いたのだった。




