黒滅龍レイルアルマが親になったわけ六十七
バルクレシスとフィンベルクと共に純白の部屋に留まり続けた黒滅龍レイルアルマであったが、近未来チックなドアが閉まっても何もこの部屋に変化が起こらないため、本当に閉じ込められただけではないかと不安に思い始めた時だった。
黒滅龍レイルアルマが不安そうに周りをキョロキョロしていると、彼女たちがいる純白の部屋が何の前触れもなく、大地震と間違えるほどの大きな振動が巻き起こった。
いきなり純白の部屋が大きく揺れたため、何も備えていなかった黒滅龍レイルアルマは呆気なく揺れに足を取られてしまい、転びかけてしまった。
だが、黒滅龍レイルアルマは流石にそこまでスペースのない純白の部屋で転んでしまうとバルクレシスとフィンベルクに迷惑がかかってしまうと思い、必死に踏ん張ることで何とか転ばずに済んだのだった。
そうして、黒滅龍レイルアルマがいきなり純白の部屋に訪れた激しい振動に耐えていると、少しずつだが純白の部屋に訪れた振動は収まっていき、数秒が経った時には完全に振動は収まったのだった。
振動が収まった後、黒滅龍レイルアルマがあの激しい振動は一体何だったのかと驚いた表情で首をブンブン振っていると、純白であった部屋が下の方から少しずつ色づいてきた。
どうやら、この純白の部屋は透明な壁と天井に白く発光している床で構成されていたらしく、黒滅龍レイルアルマが上へ視線を向けてみると、そこには床だけが抜けた白く発光した壁と天井で囲まれた箱があった。
そして、黒滅龍レイルアルマは先ほどまで見えていた白く発光する壁が上の方に見えていることから、この透明な壁で囲まれた箱は下へと進んで行っていることが分かった。
そのことから、黒滅龍レイルアルマはこの透明な箱はエレベーターとよく似た装置ではないかと推察したのだった。
そうして、今自分たちが乗っているのはエレベーターの装置ではないかと推察した黒滅龍レイルアルマは次に透明な壁の先に見えている景色の方へ意識を移した。
透明の壁越しで見える景色は先ほどまでの純白かつ光っていた空間とは正反対で、透明の壁の先に広がっていた景色はとても暗く、下に視線を落としてみると、所々に灯りがある程度であった。
黒滅龍レイルアルマたち龍種は目が普通の生物とは比べ物にならないほど発達しているため、暗い場所でも余裕で見えるのだが、透明な壁の先に広がっていた暗闇の中に何があるのか確認することは出来なかった。
そのため、透明な壁の先にある空間はただ暗いのではなく、何か黒い謎の物質で満たされており、その黒い物質がこの空間を暗いと錯覚させているのではないかと黒滅龍レイルアルマは思った。
しかし、黒い物質など世界には腐る程あるのに加え、今までに発見されていない物質である可能性もゼロではないため、黒滅龍レイルアルマは透明な壁越しに見えている空間に満たされている黒い物質が何なのか分からなかった。
なので、黒滅龍レイルアルマはこの空間がどうして暗く見えているのかをこれ以上考えても答えは出ないと思い、先ほど灯りが見えた下の方へ視線を向けたのだった。
黒滅龍レイルアルマが下の方へ視線を向けて灯りの正体が何なのか確認してみると、その灯りは何かの建物ようなものから漏れ出した光であるようで、よく観察してみると、その明るかった場所からは一つの大きな光ではなく無数の光が集まって明るく見えていたようであった。
そして、その光っていたものが建物であることが分かった黒滅龍レイルアルマは次に建物の近くの方へ視線を向けてみると、灯りがついている建物の周りにも灯りはついていないため、確認するのは難しいが、同じような形の建物があるのを確認することが出来たのだった。
これらの情報から、黒滅龍レイルアルマはこの空間の下に広がっている建物群は一種の街を形成しているのではないかと推察した。
次に黒滅龍レイルアルマは自分たちが乗っているエレベーターのような装置が向かっている場所を確認しようと思い、透明な壁に近づいて視線を更に下に向けたのだった。
黒滅龍レイルアルマが更に視線を下に向けてみると、このエレベーターのような装置は真下にある光が外へ溢れ出している建物に向かっているようであった。
その自分たちが向かっている建物の特徴を捉えようと黒滅龍レイルアルマは目を凝らしていたのだが、ただ建物が縦長の長方形であることしか分からず、他のことは分からずじまいであった。
そのため、黒滅龍レイルアルマは自分たちが乗っているエレベーターのような装置がその向かっている建物に着くまで詳しいことは分からないと思い、建物に着くまでは大人しく待っていることにしたのだった。
他にもこの空間には何かないかと黒滅龍レイルアルマは首をブンブン振り回しながら周りの様子を確認していたのだが、下に広がっている街にある建物は多少の違いはあるが、大きな違いがある建物はほとんど存在していなかった。
もしかしたら、この空間は光り輝いている建物以外は黒滅龍レイルアルマの目をもってしても暗くて見えないため、確認することが出来ていないだけで、他にも何か大きな建物があったり、へんな形の建物がある可能性もある。
だが、今のところは光り輝いている建物とその周辺にある建物しか黒滅龍レイルアルマは確認することが出来なかった。
そうして、黒滅龍レイルアルマが首をブンブン振り回しながら周りの景色を確認しているうちに彼女たちが乗っているエレベーターのような装置は目的地である真下にあった建物の中へと入って行ったのだった。




