黒滅龍レイルアルマが親になったわけ五十六
そうして、黒滅龍レイルアルマはバルクレシスとフィンベルクについて行くように集中治療室へと繋がるドアと似ているドアの先に続く純白の通路を進んでいた。
この通路にはドアにあるガラスと似た透明な素材越しに確認した時から何もないことは分かっていたのだが、改めてこの通路を確認してみると、本当に一面真っ白で何もない。
先ほどの一定間隔に扉と椅子のようなものが設置されていた廊下よりも前に進んでいる実感が持てず、黒滅龍レイルアルマは本当に前に進めているのか先ほどよりも不安になった。
先ほどの廊下はぼんやりであったが最終到着点が見えていたことが黒滅龍レイルアルマが抱いている不安を緩和していたのだが、今の純白の通路には出口らしきものが見えないのに加え、前に進みすぎたためか入り口すらも見えなくなっている。
この普通ならば見えている入り口と出口すらも確認することの出来ない状態に陥ってしまっていることが心配性である黒滅龍レイルアルマが不安に思う気持ちを更に助長させたのだった。
そうして、黒滅龍レイルアルマは前に進めているのか不安に思っていたのだが、バルクレシスとフィンベルクが全く不安げなく前に進んで行くので、黒滅龍レイルアルマは進んでいる方向は間違えないとは思った。
そのため、黒滅龍レイルアルマはちゃんと前に進めているのか不安に思いながらもバルクレシスとフィンベルクのことを信じて、二人について行くのだった。
そして、全面が真っ白なために全てが同じように見えて方向感覚がだんだんと麻痺していき、黒滅龍レイルアルマは途中からどちらが前で後ろなのか分からなくなった。
だが、バルクレシスとフィンベルクが迷うことなく真っ直ぐに進んで行っているため、黒滅龍レイルアルマは方向感覚が麻痺している状態でもなんとか進むことが出来ていた。
全面が純白で今どこを歩いているのか直ぐに分からなくなるので、この空間にいる間は絶対にバルクレシスとフィンベルクの側から絶対に離れてはいけないと黒滅龍レイルアルマは思った。
黒滅龍レイルアルマはバルクレシスとフィンベルクとはぐれないように離れすぎないよう距離を調節しながら、自分の前を歩く二人について行ったのだった。
そうして、バルクレシスとフィンベルクと離れすぎないように距離を調節しながら歩いていた黒滅龍レイルアルマであったが、歩いていると突然先ほどまでなかった扉が彼女たちの目の前に出現したのだった。
いきなり出現した扉は周りが純白の空間であるために浮いているように見え、その扉は今まで病院のような施設にあったどの扉よりも古臭く、今にも壊れそうなものであった。
この古臭い扉は見た感じでは素材は今までの扉のように未知の素材ではなく、黒滅龍レイルアルマだけでなく、誰でも知っているであろう何かの木で出来ていた。
この木で出来ている扉には我々の知っている扉と同様に金属のドアノブが設置されており、今まであった扉たちとは違い、近未来チックな扉ロックシステムなどはついていなかった。
そして、この木の扉は古いところから分かるように扉にはたくさんの傷があるのに加え、扉の一部の木が腐ってしまっており、その腐ってしまっている木の部分は黒く変色している。
次に黒滅龍レイルアルマはこの扉の後ろに視線を向けてみると、この扉の後ろにはまだまだ純白の空間が続いており、この突然目の前に出現した扉は一体なんなのか分からなかった。
そのため、黒滅龍レイルアルマはこの扉は某有名猫型ロボットのひみつ道具にあるどこでもなんちゃらと一緒でどこか異空間と繋がっているのではないかと予想した。
この扉がどこでもなんちゃらと一緒でどこか別の場所と繋がっているとして、黒滅龍レイルアルマはこの扉がどこに繋がっているのかは全く検討はつかなかった。
まあ、普通に考えて、こんな意味の分からない空間に突然現れたボロボロの木の扉がどこに繋がっているのか正確に予測できるものなどほとんどいないのだがな。
そして、この扉の用途がある程度予測することが出来た黒滅龍レイルアルマであったが、この扉が突然なんの前触れもなく彼女たちの目の前に出現した原理などは頭を悩ませても分からなかった。
そのように黒滅龍レイルアルマがいきなり自分たちの前に扉が出現したのかを必死にお得意の妄想を遺憾なく発揮して考えていると、フィンベルクが黒滅龍レイルアルマに話しかけてきた。
フ「レイルアルマさん、この扉を超えると後戻りすることは出来ません。グラン・ガイウスさんに会うための心の準備は出来ていますか?」
フィンベルクは黒滅龍レイルアルマにこの目の前にあるボロボロの木の扉を一度超えてしまうとこの場所には戻ってくることは出来ないと伝えた。
そして、フィンベルクは後戻り出来ないことから黒滅龍レイルアルマに滅戒龍グラン・ガイウスに会うための心の準備は出来ているのかと質問したのだった。
準備は出来ているのかとフィンベルクから質問された黒滅龍レイルアルマは一瞬固まってしまったのだが、少しした後にゆっくりと首を縦に振った。
フ「分かりました。それでは、扉の先へと向かいましょうか」
そうして、黒滅龍レイルアルマたちはボロボロの木の扉を開け、その扉の中へと順番に入って行ったのだった。




